ゴルフのミスショットと言えば、スライスとフックです。
この違いを理解している人は多いでしょう。
ではスライスとフェード、フックとドローの違いは理解できてますか?
ゴルフレッスンやゴルフ雑誌を見ているとゴルフ用語がたくさん出てきます。
しっかりと理解していないと、せっかくのアドバイスも参考にできません。
これらの違いをきちんと理解しておきましょう。
スライスとフェードの違いとは
スライスとフェードの違いは、ボールの曲がり具合です。
これはフックとドローの違いでも共通することです。
スライスはボールが落ち際に右へ大きく曲がりますが、フェードは右に少し流れるように曲がります。
つまり大きく曲がればスライス、少し曲がればフェードと言うのが分かりやすい違いでしょう。
しかしフェードには2種類あります。
1つは、ボールを真っ直ぐ打ち出して、右に曲がるフェードです。
もう1つは、ボールを左側に打ち出してから右に曲がるフェードです。
前者は、インサイドイン軌道で、後者はアウトサイドイン軌道になります。
それからスライスには3種類あります。
1つ目は、真っ直ぐ飛び出して右に曲がるストレートスライスです。
2つ目は、インパクトで左に飛び出し、右に返ってくるプルスライスです。
3つ目は、インパクトでボールが右に飛び、その後さらに右に曲がるプッシュスライスです。
これらフェードとスライス5種類の中で、ボールを左側に打ち出して、右に曲がるフェードが、ボールの落としどころがもっとも計算しやすく使えるショットとなるでしょう。
スライスはどれであっても、故意に打つのでなければミスショットだと言えます。
フックとドローの違い
先にスライスで話したように、フックとドローの違いは、ボールの曲がり具合になります。
どちらもボールが左に曲がるショットのことを言います。
ドローは、それほど右へ飛び出さず、それほど曲がりません。
そして弾道が高く、なかなかボールが落ちず、落ちてからのランも出ます。
対してフックは、右へ飛び出した場合、戻ってくる曲がり幅が大きいです。
そして弾道は低く、ボールがすぐ落ちてしまいます。
簡単に比べるだけでも、意図せずフックになれば、それはミスショットだと言えるでしょう。
フックはチーピンやひっかけと別名もあり、ミスショット扱いされることが多いです。
もちろん障害物を避けるためにあえてフックを打つ場合もあります。
飛距離が出ることから、一般的にドローボールが好まれる傾向にあります。
これらの曲がり幅に定義はなく、どのくらいがフックで、どのくらいがドローとは言えません。
ですからそれは個々の感覚ではありますが、明らかに大きく曲がっているのに「ドローだ!」と言うのは、少し恥ずかしいことかもしれません。
スライスとフックの違い
それではスライスとフックの違いについても見ていきましょう。
初心者ゴルファーの大変が最初に悩むのがスライスです。
ゴルフが上達してきたらフックに悩むとも言われています。
フェースが目標に対して開いていたり、アウトサイドイン軌道になっているとスライスになります。
そしてフックはその逆で、目標に対して閉じていたり、インサイドアウト軌道になっているはずです。
スライスを避けるように意識しすぎると、腕を返しすぎたりしてしまい、フックが出てしまうことが多いです。
正反対のことが原因でそれぞれの球が出るのですが、どこか通じていることは否めません。
初心者や中級者であれば、スライスやフックはミスショットになりますが、上級者やプロレベルになると、障害物を避けるために、敢えて打つことがあります。
その際は、スイング軌道を手でコントロールするのではなく、アドレスでのスタンスを変えてコントロールするのが基本です。
それはスライスとフック、フェードとドローの違いをしっかりと理解しているからこそできるのです。
フェードとドローの違い(効果)
フェードとドローの違いはやや曖昧になります。
フェードは、ボールが落下する直前にボールの力がなくなってくるころに、利き手側に少しだけ曲がる弾道になります。
対してドローは、ボールが落下する直前に利き手とは逆側に少しだけ曲がる弾道になります。
このフェードは、飛距離はドローに若干劣るのですが、自分の止めたいところにしっかりと止めることができ、コントロール性に非常に優れています。
ですからドライバーで大きな活躍は見られなくても、グリーン上でピタリと止めることができるため、アイアンショットでは大活躍です。
比べてドローは、インパクトがしっかり当たりやすいのでキャリーでの飛距離が出る上に、落下してからのランも長いので、飛距離に優れています。
しかしそのランは計算しにくいので、予想外にランが出てしまい、フェアウェイからラフに入ってしまうなんてこともあります。
そのためアイアンショットには向いていない球筋になりますが、ドライバーショットでは満足いく飛距離を出すことができるでしょう。
どちらにもメリットとデメリットがあり、甲乙つけ難いです。
ですからトッププロは、ドローとフェード、フックとスライスを状況によって打ち分けているのです。
フェードとドローの違い(打ち方)
これだけ効果の違いがあるのですが、フェードとドローの違いは打ち方にも大きな違いがあるのでしょうか。
まずフェードの打ち方は、若干のアウトサイドイン軌道で、ボールをスクエアに捕えなければなりません。
そのために、アドレスでは若干オープンスタンス気味に構えましょう。
この時に足を開きすぎてしまうとスライスになってしまうので要注意です。
そしてドローの打ち方は、フェードと逆で、インサイドアウト軌道でボールをスクエアに捕えなけらばなりません。
アドレスも逆で、若干クローズスタンス気味に構えます。
またドローを打ちたい場合は、ウィークグリップで握ってください。
ストロンググリップ=フックグリップなので、ドローを打ちたいからとストロンググリップにする人がいますが、逆なので注意してください。
ストロンググリップは、左手の影響でフェースが左に向きやすいので、腕を使ってスイングしてしまうと、フックが出てしまいます。
それと比較してウィークグリップは、フェースが右に向きやすいので、手首のローテーションを使い、少し左に行かせるボールの捕らえ方をするので、ドローボールになりやすいです。
スライスとフック、フェードとドローを打ち分ける
ここでスライスとフック、フェードとドローの違いが分かったから、それぞれを打ち分ける練習をしようとは思わないでください。
これらを状況に応じて打ち分けるのは、プロでも至難の業と言われています。
思うように打ち分けられるのは、世界のトッププロぐらいでしょう。
それほどレベルの高い技術なのです。
ですからアマチュアゴルファーは、打ち分けることは忘れて、これらの違いをしっかりと理解し、自分のミスの原因や持ち球にする参考にしましょう。
違いを知ることは、スイングの原理を知ることに繋がります。
そうすると、何がダメでスライスやフックになるのか、何が良くてフェードやドローが打てたのかが分かってくるでしょう。
それらが分かってくると、ラウンド中のミスに対しての応急処置ができるようになりますし、自分の持ち球が何なのかを知ることで、目標を定めやすくなります。
背伸びをしてスコアを崩すのではなく、自分のレベルに合わせ少しずつステップアップすることがゴルフにとって最も大切なことです。
ゴルフは打つことだけでなく考えることも必要
毎日毎日ゴルフ練習場へ行き、がんばって練習することはもちろんゴルフ上達のためには大切なことです。
しかしゴルフは技術だけでは上達できないスポーツなのです。
技術の他に、コースマネジメント、スコアマネジメント、リスクマネジメントも必要になってきます。
更にそれらに必要なのは、スライスやフック、フェードやドローがどういったショットなのかを知ることなのです。