予約したゴルフ場を突如キャンセルしたら、キャンセル料は必ずかかるものなのでしょうか。
ゴルフ場に着くと雨が降っていたので、その場でキャンセルする時のキャンセル料について、ゴルファーとゴルフ場の双方の考え方を元に、現状を紹介していきます。
雨を理由に止めたらゴルフ場からキャンセル料が!
バブル経済が崩壊して、たくさんのゴルフ場が倒産したり債務整理したりと、煽りを受けたわけですが、それに伴って創設時のステータスも消えてしまったところが多くなっています。
メンバーでなければゴルフができないとか予約が取れないなんてことは、今ではわずかなコースだけになっています。
一方でバブル以前では少数派だった、考え方も一般化されています。
例えば一括料金です。
ゴルフの料金は複雑に算出されていて大まかに分けると、グリーンフィや諸費用はゴルフ場の収入、キャディフィはキャディの収入、利用税や消費税は徴収者になります。
利用税はシーズン当初に設定した正規料金から算出しますし、消費税はその利用税等を差し引いて税率をかけます。
本来であれば、グレードごとにピッタリの価格設定はできないはずです。
また雨の日にキャンセルしても、本来はプレーをしていませんから、代金を徴収することはありえないはずです。
ところが、バブル崩壊後は「予約枠」として、キャンセルすれば相応のキャンセル料を請求するところが多くなっています。
雨の日のゴルフ場のキャンセル料は不条理?
基本的にゴルフ場がキャンセル料を請求するのは、ゴルフ場がクローズ宣言していないのに、連絡なく受付をしなかった場合です。
雨でコースが水浸しであっても、ゴルフ場がクローズしなければ、スタートすることになります。
この時キャンセルすると、プレー料金相当を請求されるか、キャディフィ相当額を請求されるか、もしくは特別に設定されたキャンセル料を請求されるかは、ゴルフ場によって違います。
ただし取り決め上のキャンセル料設定があったとしても、予約時間にスタートできなければ、キャンセルしてもキャンセル料を支払う義務はないはずです。
これはゴルフの予約とシステムが関係しています。
一般的にゴルフ場のスタート時間は、1組あたり6分間隔から9分間隔程度です。
時間がずれれば、後続組はスタートすることができないため、自動的に遅いスタート時間はクローズ扱いになります。
仮に1時間以上遅れることがあれば、半数のスタートはゴルフ場側がキャンセルしなければならなくなります。
つまりゴルフ場が料金を徴収するキャンセルと、徴収しないキャンセルを作ることは不条理となってしまうはずです。
雨が理由なのにゴルフ場のキャンセル料請求はおかしな話
元々スタートするかしないかは、ゴルファーが決めるものなのです。
雨が降ろうと雷が鳴ろうと、スタートする責任はゴルファーにあって、ゴルフ場はプレーができるように整備をしているだけでした。
ローカルルールの制定や、マナーやエチケットの呼びかけなどは行いますが、基本的にスタートをするかを決めるのはゴルファー自身だったのです。
ところが時代は移り、ゴルフ場がスタート枠を履行しないゴルファーからキャンセル料を取るようになります。
そのためゴルフ場がクローズしていない以上、予約枠はゴルファーの責任でキャンセルしなければならなくなります。
ここで問題となるのはそのキャンセル料金です。
プレーをしていない以上、ゴルフ場利用税は課税されません。
またキャディを雇っていないので、18ホール分のキャディフィの支払義務はありません。
さらにお風呂やロッカーを使わなければ、諸費用全額を負担するのもおかしな話です。
雨が理由のゴルフ場がキャンセル料を請求する根拠は希薄
ゴルファーが雨を理由にスタートを取りやめた時、ゴルフ場は特別料金としてキャンセル料を請求することがあります。
複雑な料金体系から積み上げた設定価格であれば、利用しない分だけ減算すると請求料金は算出できます。
ところが一括料金で予約していると、どこまでが利用税で、どこまでがキャディフィなのか、そもそも割り引き金額自体も分からないわけです。
そのまま一括料金から利用しない部分を減算したら、請求できない人がいるかもしれません。
そこで新たに「キャンセル料」という料金設定がでてきます。
予約した枠を取り消したら、その料金を徴収すると決めるわけです。
飛行機やホテルなど、すでにキャンセル料自体は一般化されていますが、ゴルフは野外スポーツなので天候に左右されます。
飛行機なら欠航として通知されて、代替機へと振り分けられます。
ホテルなら予約した部屋がブッキングしていると、グレードアップした部屋が用意されます。
ところがゴルフ場は、明らかに天候不良であってもキャンセルを認めず、別料金で収益を得ようとしていると受け取られても仕方がないはずです。
雨が理由ならゴルフ場がキャンセル料を請求するの当然?
ゴルファーの立場からみると、雨によるコンディションが適しているかいないかは、ゴルファー自身が決めるべきです。
仮にキャディが出勤してきたとしたら、相応のフィを支払わなければなりませんが、仕事をしたわけではないので、あくまでも交通費程度が妥当なところです。
もちろんスタートしていなければ、ゴルフ場利用税はかかりませんし、消費税も満額支払う必要はありません。
一方でゴルフ場の立場からみると、雨が降るのはゴルフ場に責任があるわけではありません。
予約者全員のスタートを想定して、コース管理は通常以上に整備を行い、浴室準備やレストランの仕込みなど通常通りの人数が出勤しています。
つまりスタートしなくても、費用は同じだけかかっているわけで、その費用に見合った請求を行っているのです。
ゴルフ場は天候を左右することはできませんが、予約に対して怠ることなく準備を進めていれば、キャンセル料の請求自体が法外とまでは言えません。
雨によるゴルフ場のキャンセル料はいずれ廃れる?
準備を整えた時点でゴルファーがゴルフ場にキャンセルを申し出れば、キャンセル料を請求するのにはそれなりの道理はあります。
一方ゴルファーは、プレーを楽しみにしていて、雨の予報はあっても条件さえ整えばスタートを願っていたとします。
「快適なゴルフができない」を通り越し、フェアウェイは水浸しでバンカーは水没しているとしたら、クローズしないゴルフ場にその責があると思っても仕方のないことです。
ましてキャンセル料に明確な算出根拠がなければ、支払を求められても素直に支払うとは考えにくいと思います。
しかも現在の予約システムは、メンバー同伴や紹介がなくても予約ができるので、嫌な思いをしたら二度と行きません。
雨の予報が出ただけで、「迷惑をかける」とキャンセルすれば、準備が必要なくなるわけですからキャンセル料は発生しないはずです。
しかし、そんな予約者ばかりではゴルフ場が経営的に困るので、今度はキャンセル日にあわせて請求を行うようになります。
そのキャンセル料を差し引いた金額を元に、新たなプレー料金を設定し、「雨の日の料金」で再予約を募ることになります。
これが格安料金として人気となっているわけです。
しかし肝心の顧客と思われるゴルファーからはキャンセル料を取っているわけですから、このシステムもいずれ廃れていくことになりはしないでしょうか。
雨が理由のゴルフ場のキャンセル料は柔軟な姿勢が必要
予約したゴルフ場に雨が降った時、キャンセル料があればプレーをするでしょうか。
圧倒的に晴れた日のプレーを望むゴルファーが多いでしょうから、キャンセル料を取るゴルフ場には予約を入れなくなるとも考えられます。
まして高齢者に支えられているゴルフ界ですから、柔軟な対応が求められていくのではないでしょうか。