ゴルフ場に初めて行くとどこからともなく聞こえてくる「ファー!」という声。
また自分の同伴プレーヤーがobにボールを飛ばしたら「ファー!」と叫びます。
これはルールで決められていることでしょうか?
また叫ぶのに条件があったり、「危ないっ!」ではダメなのでしょうか?
今回は「ファー!」の叫び声から話を進めます。
ゴルフ場で「ファー!」はobの合図
ゴルフ場での「ファー」はobの合図だけでなく、「打球がそちら方向に飛んで行くから注意して!」の意味を含めた合図です。
ゴルフはヘルメットやプロテクターを装着してするスポーツではありません。
しかしボールは時速200km/hほどのスピードで飛んでくる弾丸のようなものでとても危険です。
声が聞こえたら、頭を覆うなど安全を確保してから声のする方を向きボールを確認しましょう。
キャディ付きのラウンドの際はキャディが叫んでくれますが、セルフプレーの際はプレーヤー自身が叫ばなければなりません。
隣のホールに届くような場合などはしっかりと聞こえるように叫んでください。
初心者と一緒のときは、知らなかったり動揺していたりするかもしれないので、同行しているゴルファーが積極的に叫んであげるようにしましょう。
ちなみに「ファー」とは英語の「fore」で前方という意味です。
語源には2つ諸説があります。
1つは、「forecaddie」で前方のキャディに危険を知らせる掛け声を短縮したものです。
もう1つは「beware before」で軍隊で後方の砲撃手が前方の歩兵にかける掛け声で前方注意から転じて短縮したものと言われています。
ゴルフ場で「ファー!」と叫ぶ際の基準
ゴルフ場で「ファー!」と叫ぶ基準は”危険を知らせることが第一”です。
ボールを完璧にコントロールできるプレーヤーはいません。
プロゴルファーでもobをすることもあるし、大きくスライスすることもあります。
ゴルフツアーでプロ選手とキャディがボールの向かう方向に手を上げて「ファー!」と叫んでいるのを見ますよね。
万が一自分の打ったボールが他の人へ向かっていったり、目でボールの行方が確認できないような隣接したホールや、林の方へ向かっていったりした場合は大きな声で危険を知らせます。
いくつも隣接している場合は「○番ホール、ファー!」と叫ぶ場合もあります。
自分以外の同伴プレーヤーのショットであっても遠慮せず同様に叫んでも大丈夫です。
また打球の方向がギリギリ大丈夫そうだと思っても、100%安全とは言い切れないため、危険を避けるために一応「ファー」と叫ぶ方がよいでしょう。
ドライバーショットに限らず、「危ないかもしれない」と判断した時点で叫ぶことが大事です。
obにボールが飛んだ。探す時の注意点とマナー
obで「ファー!」と叫んだボールの行方は必ず確認しましょう。
そのような時は、ボールが木に当たる音や、枝などにぶつかって折れる音などがするかどうかを静かにして聞くことが大切です。
このように林や森に打ち込んだボールを探す上で音は重要な手がかりです。
音がしたらその辺りを中心にボールを探しましょう。
そうすると無駄に広範囲にボールを探す必要がなくなります。
ボールを探す際は必ず周囲に他のゴルファーがいないか、怪我人がいないかどうかを確認します。
また逆に他のゴルファーがミスショットをして打ち込む可能性もあるので探しながらも十分に注意しましょう。
打ち込みだった場合や他のホールへの侵入だった場合は、フェアウェイに出ることもあるので細心の注意を払うことはもちろんですが、プレーを中断して急いで謝罪をしましょう。
謝罪の場合もボールを確認するのも相手がプレーを終了したのを確認してからにします。
決して相手のプレー前に行なわないようにしてください。
謝罪の際は脱帽するのを忘れないように!
「ファー!」が聞こえた時の対処法とボールの処置
「ファー!」が聞こえたプレーヤーは危険を回避するために、すぐに頭を覆ってしゃがみ込み、体を小さくします。
そして少しでも安全を確保してください。
後ろや隣から「ファー!」という声が聞こえたらついつい声がした方向を振り向き、ボールを確認しようとしてしまいます。
それで自分の方へボールが向かっていないことを確認できれば何の問題もないのですが、もし自分の方へ真っ直ぐに向かってきているとしたら、そのボールを瞬時に避けなければなりません。
ショットされたボールは新幹線と変わらない速さです。
ボールを認識してから避けるのは間に合わない可能性が大きいです。
ですから「ファー!」が聞こえたら、聞こえた方向には決して振り向かず頭を抱えるように小さくしゃがみ込んで安全確保を最初にします。
飛んできたボールがobであっても自分のホールのフェアウェイであってもあなたが処置することはできません。
打った本人が打てる場所であれば元のホールへ打ち、打てないような場所なら1打罰を付加してボールを打った元の場所に最も近い場所から打つというのがルールになります。
ゴルフ場で打球を誰かに当ててしまった場合
ゴルフ場で「ファー!」と叫んだにも係らず誰かに打球を当ててしまった場合、当たり所が悪く、その場で動けないほどの重大な事故になってしまった場合は、ただちにプレーを中断してゴルフ場のスタッフに連絡をしましょう。
コース内に救急車が入ってくる場合もあるので、できるだけ場所の詳細な情報を伝えて下さい。
軽傷の場合でもなるべくプレーは続行せずに中断して、医師の判断を仰ぐのがよいでしょう。
また通院や後遺症など相手側に費用が発生する場合もあります。
その際はゴルフ保険を使う事になります。
保険を使う場合はゴルフ場で発行される「事故報告書」をもらわないと適用にならないので、軽傷でも必ずゴルフ場に詳しく事実を告げましょう。
ゴルフ場に告げずに、後日「事故証明」を取ろうとしてもゴルフ場が事実を把握していないと発行されないことがほとんどです。
なるべく事故に遭うことは避けたいのですが、打球に当たるだけでなく、obで足を踏み外したりなどゴルフ場には危険がたくさんあります。
もしもに備えて帽子の着用やゴルフ保険の加入をオススメします。
ティーショットのobだけでなく、セカンド以降でも有り得るので注意!
「ファー!」と叫ぶのはティーショットのイメージがありますが、ティーショットだけとは限りません。
セカンド以降のショットでもobや打ち込みをする可能性は大いにあります。
ゴルフ場では「音」を常に意識するようにしましょう。
基本的にゴルフ場がザワザワとうるさいことはありません。
うるさいゴルフ場であれば逆にそれはそれで問題ですが。「ファー!」という声、ボールが木に当たる音、ゴルフ場にない何かの叫び声など気になる音が聞こえたら危険が迫っていると考えるようにしましょう。
グリーン上だから安心と思う人もいるかもしれませんが、マナー違反である打ち込みや他のホールから飛んでくるボールなど100%安全とは言えません。
また打つ側であってもティーショットだけでなく、セカンド以降も危険はあると認識しておくことはとても大事です。
ゴルフは自分のプレーに集中することも大切ですが、それだけではなく周りの状況や同伴者の動きにも気をつけることも大切です。
「だろう…」じゃなく「かもしれない!」で。
最初は「ファー!」と叫ぶことに躊躇してしまうかもしれません。
しかし大事故になってしまってからでは遅いです。
「ファー!」が照れくさいのであれば「危ない!」や「ボール!」など自分が大きな声を出せるものなら何でもOKなので、危険を知らせる意識を強く持って思い切り叫ぶようにがんばりましょう。
ゴルフ場では、自動車運転でよく言われるような、「そこまで行かないだろう」「人はいないだろう」のような「だろう運転」ならぬ「だろう判断」は絶対にやめてください。
これからは「そこまで行くかもしれない」「人がいるかもしれない」と「かもしれない判断」をするようにしてください!