ゴルフ場が定める服装の決まりに正しい根拠ってあるの?

最終更新日:2018/10/28

ゴルフを始めたとき先輩諸氏から、打ち方とともにマナーについても教えてもらったはずです。

特にマナーについてクドイほどに教えられたはずですが、服装は「襟付きのシャツ」くらいしか覚えていないかもしれません。

そこでここからはゴルフ場が定める服装の決まりについてお話します。

ゴルフルールでは決まりのない服装規定、誰が定めたの?

ゴルフはマナーに厳しいスポーツであり、ルールブックの第1章エチケットの冒頭には、マナーを守ることの大切さが記載されているほどです。

ただルールブックの第1章には、ゴルフの精神や安全確認の義務、他のプレーヤーへの気配りやプレーのペースなど、ゴルファーの基本は記載されていても、服装について言及されていません。

つまりゴルフの服装の決まりは、ルールブックによるものではなく、慣習によって受け継がれてきたものがベースになっていると考えられています。

しかし新しいタイプの服装がでると、その服装について評価して決まりを追加することになります。

このとき「公正な視点」で決めると思われがちですが、一部の人達によってルールは作られています。

一見すると理不尽な決め方のようですが、会員で構成される倶楽部は理事を選出し、そこから委員会を作って案件を検討し、理事会で決定する仕組みを作っています。

倶楽部によって理事者数に違いはありますが、ざっと20人程度で新しい服装のルールは決まります。

ゴルフ場によって服装の決まりは違うものらしい

そもそも服装の決まりは、各ゴルフ倶楽部によって違います。

ジャケット着用で入場しなければ受付ができない、襟付きのシャツでなければスタートができない、と決めているところがあれば、自由な服装で構わないところもあります。

この服装の違いはルール化されなかったことに原因があり、正式な基準が存在していないことに理由があります。

ゴルフをするときには「襟付きのシャツを着なければならない」と記載していれば、全員が同じタイプの服装にしているはずです。

それを「服装のマナー」として個人の判断に任せているために、いろいろな解釈が生まれて、結果的に自由に設定することになったわけです。

きっと誰もいないとは思いますが、ここは日本なので留袖の訪問着に草履だったらどうなのでしょう。

サンダルを禁止しているところが多いので、その服装規定では着物姿で入場できません。

しかしマナーの面で考えれば、訪問着は伝統的な日本の服装で正式なものです。

ゴルフのマナーとされる服装の決まりは適当なの?

マナーを重んじるための服装規定というのは、「方便」ではないでしょうか?

そもそも日本人がスーツを着るようになったのは、幕末から明治にかけてですが、それはほんの一部の人達です。

庶民がスーツを着だすのは戦後の混乱期が収束してからで、まだ半世紀程度のものです。

ゴルフも同様に一部の愛好家によって支えられてきましたが、多くのゴルファーが誕生したのは高度経済成長期以降のことです。

そこから洋式のマナーを受け入れるにしても、それを本当に知っている人は限られていたはずです。

本場の倶楽部に入会したことのない理事の1人が、「正式な服装は…」と言い出して、それを残りの理事達が納得して今のスタイルが確立していったのではないでしょうか。

ちなみに「入場のときにはジャケットを着用する」という服装マナーは、日本独特のものです。

海外のゴルフ場の多くは、メンバー以外がハウスに入場することができず、スタート室で受付をします。

メンバーはレストランを使うときだけ、自分のロッカーからジャケットを出して、着用しているのが一般的なスタイルです。

どうも誰かの言った話が間違って漏れ伝わり、やがて正式な服装の決まりとなっていったのが実情のようです。

ゴルフ場がそれまでの服装の決まりを廃止している理由

いまでは日本人も海外の倶楽部メンバーになっているので、徐々に日本独特の服装規定の「異様さ」が広まってきています。

名門と称するゴルフ倶楽部や外国人が利用するゴルフ場では、入場時にジャケットを着用する決まりは消してしまったようです。

旅客機では、携帯電話の通話で飛行機が落ちると大騒ぎした乗務員や、ペースメーカーを付けた人の近くで通話すると誤作動すると大騒ぎした乗務員もしましたが、いまでは間違いだったことが分かり、公衆のマナーとして通話はしないことに変更しています。

ゴルフも同じようにジャケットの着用や襟付きシャツの規定を、「我が倶楽部の決まり」に変更して、紳士のマナーというところは消えてしまったようです。

ただジャケットの着用は、長年の慣習としてゴルフ界で確立しているので、「ジャケットがなくても大丈夫」といった特別な案内が出ていない限り、準備していった方が無難です。

またラウンド中の服装は、襟付きのゴルフシャツが基本で、寒い時季にはタートルネックやハイネックなども併用できますが、中には首丈の長さで不可としているところもあるので注意が必要です。

ゴルフ場の服装の決まりよりもマナー全般を身につけること

屋内を靴のままで過ごす機会は多くなっていますが、さすがに自宅は玄関で靴を脱いで生活をしていると思います。

このような生活習慣の違いもあってか、西洋で生まれたゴルフのマナーは知っているようで分かっていないことがあります。

室内では帽子をとって帽子の内側は見せずに帽子掛けに掛け、室内ではグローブやサングラスをしてはいけません。

このような決まりを知っていると思いますが、実際にゴルフのスタートが近づくとマナーを無視してしまうものです。

玄関に入るときにジャケットを着ることを服装のマナーだとしても、マナー全般を身につけていなければ何もなりません。

ポケットに手を突っ込んだままで受付をしたり、その姿勢で挨拶をするのはマナー違反ですし、洗面所を使ったら次に使用する人のために表面の水滴を拭き取るのは当然のマナーです。

自分が受けた非礼や不快な思いは、すぐに感じることができるのに、そうならないように実行していくことは意外に難しいことです。

注意を与えてくれたときに、素直に聞く耳を持っていれば改善できますが、残念ながら持っていないことが多いようです。

ゴルフ場に服装の決まりがないときの対応法

一般的にゴルフ場の服装での決まりとされているのは、入場時の襟付きシャツに長いズボン、そしてジャケットの着用です。

すでに紹介した通り、この服装規定に意味はありません。

ゴルフ場が定めた決まりだから守る、それだけのことと割り切りましょう。

ラウンドの時の服装は、襟付きのゴルフシャツと長いズボンが基本です。

Tシャツ、トレーナー、ノースリーブのシャツは不可で、高機能シャツはゴルフ場によって解釈が分かれています。

また短パンなどの短いズボンを着用するときは、一般的にロングソックスと組み合わせを求めれますが、これもゴルフ場によってズボンの丈やソックスの解釈が変わるので確認が必要になります。

そもそも短いズボンを穿き始めたのは、暑くて長いズボンを切ったからだと言われていますし、襟付きのシャツもワイシャツにネクタイ姿だと暑いし動きにくいからだったそうです。

正しい服装の発祥がそこにあるのならば、周囲の人とトラブルにならない程度にしておけば問題はないでしょう。

ゴルフ場に服装の決まりがあればそれを守るのがマナー

ゴルフ場において服装の決まりが設けられていれば、それを遵守するのはゴルファーとしてのマナーです。

ただジャケットを着用して入場することや、襟付きのシャツでゴルフをすることが、正しいマナーと言うわけではありません。

あくまでも利用させてもらうゴルフ場の決まりだから、それを守ることが大切なことなのです。