ゴルフの腕前は日々進化しているので、クラブも新しいものに換えたほうが良いといわれています。
しかしヘッドに問題がなければ、シャフトだけを交換すれば、安価に済ませることができるかもしれません。
そこで今回は、スチールとカーボンのシャフトの抜き方と挿し方、注意する点について紹介します。
ゴルフクラブのシャフトの抜き方の前に必要な工具を揃えよう
シャフト交換、いわゆるリシャフトは自分でもできますが、ある程度の工具が必要です。
ゴルフクラブのシャフトを交換すると、見違えるような球筋になったり、飛距離がアップしたりと、シャフトを交換するメリットが高いことはネットや雑誌で流れていますので、興味を持っているゴルファーも多いことでしょう。
通常、工房でのシャフト交換は「抜き・挿し」が別々の料金です。
挿しは工房でお願いするか、もしくは挿しも自作するかは予算と意欲によります。
自分で行うのであれば工賃は必要なくなりますが、その代わりある程度の工具が必要になるので、予算重視であればその準備からチェックが必要です。
シャフトの抜き方はとても簡単ですが、専用の工具を購入するとなると、5万円以上はかかるので代用品で抜きましょう。
用意するのはヒートガンまたはガストーチです。
ヒートガンは強力ドライヤーのようなもので、ガストーチは携帯式のガスバーナーのようなものです。
どちらもホームセンターで購入できますが、自宅にカセット型のガスコンロがあれば、そのカセットボンベが使えるので、ノズル(トーチ)部分だけは1000円程度で購入できます。
ゴルフクラブのシャフトの簡単な抜き方は温める!
「ガストーチ」「ジーパン程度の厚さのボロキレ」「カッター」の3点を用意すれば、とりあえずシャフトを抜くことはできます。
抜き方は、まずガストーチでホーゼルを熱します。
ホーゼルとは、シャフトが挿してあるヘッドの根元部分です。
ヘッドとシャフトは接着剤で固定されているので、熱を加えて接着剤を溶かしてから抜き取ります。
そのためにはヘッドとシャフトのつなぎ目についているソケットを、先にカッターで切断して取り除いてください。
ソケットを再利用する方法もありますが、仕上がりが悪くなるので新しいものを購入した方が良いでしょう。
ソケットをとったらガストーチで十分に熱してから、敷居の段差にフェース面を当てて、グリップを回転させます。
ゴルフクラブを横回転させることで、接着部分が緩みますので、あとはヘッドの上部を踏んでシャフトを引き抜きます。
ここで大事なことは、ヘッド熱せられているので、そのまま床材や敷居、または足に触れると焦げてしまいます。
シャフトを抜くときは、床や敷居はジーパンで保護し、靴を履いて踏むようにしましょう。
ゴルフクラブのシャフトの抜き方で注意するポイント!
借家で床や敷居の焦げのリスクが怖い場合は、木材にヘッドの厚さの2倍幅の切り込みを入れると、その溝でヘッドからシャフトを外すことができます。
ただ、ジーパン生地を重ねれば心配はないと思いますが、一応この抜き方が安全対策となります。
この抜き方はスチールシャフト専用です。
つまりアイアン(スチールシャフト)でしか使えません。
カーボンシャフトのゴルフクラブをガストーチで熱すると、カーボン繊維自体に悪影響があり、バラバラになってしまうことがあるからです。
またゴルフクラブを横回転させる抜き方も同様に、カーボンシャフトの繊維がバラバラになる恐れがあるので、真っ直ぐに抜き取るしかありません。
カーボンシャフトのゴルフクラブは、ガストーチではなくヒートガンを使用します。
ガストーチほどの熱量がないので、ゆっくりとホーゼルを温めて接着剤を溶かしていきます。
くどいようですが、熱しすぎるとカーボンシャフトがダメになるので、もし再利用や転売するのであれば注意が必要です。
ゴルフクラブのシャフトの抜き方に失敗したとき
ゴルフクラブがカーボンシャフトの場合は、ある程度ホーゼルを温めたら、ヘッドの頭を踏んで真っ直ぐに引き抜いてみて、抜けなければ加熱と抜きを繰り返して、加熱しすぎを防ぐようにしましょう。
シャフトはホーゼルの延長線上に抜かないと、ホーゼル内で折れたり割れたりすることがあります。
このようなときはシャフトの再利用は諦めて、なるべく内部に残さないように抜き取りましょう。
もしもホーゼル内にシャフトの先が残ったときは、電動ドリルなどで掘り返すしかないからです。
電動ドリルがなければ、1000円程度の手回しドリルでもあけることはできます。
ただし手動ドリルは抜き方を失敗してから購入しても間に合うので、事前に用意しておく必要はありません。
また以前に抜き挿ししたシャフトは、ホーゼル内で折れやすくなるので、3度挿しのシャフトは再利用しない方が良いです。
ゴルフのシャフトを失敗しない抜き方と注意すべき点
ヘッドからシャフトを外したら、内部には接着剤がついています。
また抜き方を失敗すると、シャフトの先端が残ってしまうので、それらを綺麗に取り除くようにします。
ヘッドのホーゼルの内部を掃除するためには、紙やすりを鉛筆に重ねて丸めて擦るか、マイナスドライバーで掻き出します。
もちろん電動ドリルや手動ドリルでもOKですが、内部をあまり傷つけないようにしましょう。
最後に灯油やベンジンなどで丁寧に拭きとると綺麗になるはずです。
なお、新しいシャフトを挿すときに揮発剤が残っていると接着できないので、ヒートガン(ガストーチ)をあててしっかり乾燥させてください。
抜き取るときにホーゼルを加熱する時間は1回が約30秒で、それを2回繰り返して1分間で一旦シャフト抜きをしてみましょう。
火傷防止のために、ゴルフクラブはグリップを持つようにして、また火気には十分注意が必要です。
さらにホーゼル内を掃除するための揮発剤は、ガストーチなどを使うときには、絶対に近くに置かないようにしましょう。
ゴルフクラブのシャフトの抜き方と挿し方
ゴルフクラブはヘッドの材質がそれぞれ違います。
チタンヘッドは薄くても強い耐久性があるので、比較的ホーゼル内部に熱が伝わりやすくなってます。
一方で軟鉄のウェッジは、肉厚でかなり加熱しないと内部にまで熱が届きません。
それだけにシャフトを抜くときに足で押さえると、靴が焦げる可能性があるので、古い靴で作業した方が良いかもしれません。
一応、新しいシャフトを付ける場合は、ホーゼル内部とシャフトの先を紙ヤスリ擦って、接着剤の乗りを良くするようにします。
あとは瞬間接着剤(金属用の混合接着剤がオススメ)を付けて、根元までシャフトの先端を押し込むと完成です。
ただし瞬間接着剤は修正している間がないので、グリップのセンターが気になるようなら、挿す前にホーゼルとシャフトに一致点の印をつけておくと、失敗することはないはずです。
ちなみに違うシャフトに交換して、バランス調整などが必要になるようなら、「抜き」は自分の抜き方で外し、「挿し」は工房に依頼した方が良いかもしれません。
なお、自作で挿したヘッドが抜けて他人に怪我をさせた場合は、自分で責めを負うことになるので、PL法を考えると専門家のいる工房で取り付けてもらうようにしましょう。
シャフトの正しい抜き方と挿し方を覚えてゴルフクラブを修正
ゴルフクラブのシャフト交換を自作する場合、抜きは自分で行って、挿しは工房に頼むと安く済みます。
もちろん自分で抜き挿しすることもできますので、正しい抜き方と挿し方を覚えておけば、常に自分に合ったゴルフクラブを使うことができるようになります。