ドライバーのヘッドサイズはどれだけ球筋に影響するのか?

最終更新日:2016/12/17

10年ほど前にヘッドサイズは460㏄が当たり前の時代になりました。

さらに複合素材のコンポジットヘッドが出たり、異形状ヘッドが登場したりと日々ゴルフクラブは進化してきました。

ルールによって460㏄が最大と決められているため、各ゴルフメーカーは素材とテクノロジーを駆使して設計しています。

ただ昔から少し小さいヘッドも常に作られていて廃れることがありません。

きっとメリットがあるからなのです。

そこで今回はヘッドについてお話ししていきます。

ドライバーのヘッドサイズの変遷

ドライバーはこの200年で大きく変わりました。

大きく分けて6時期です。

パーシモンヘッド期→メタルヘッド期→チタンヘッド黎明期→ヘッド大型期→高反発ヘッド期→弾道追及期です。

初期のパーシモントヘッド期では、ホンマゴルフが代名詞と言われていたパーシモンドライバーが使われていました。

現在でも修理を繰り返し愛用している人がたまにいます。

現在のドライバーと違って100%ウッドで作られています。

ヘッドの大きさも220ccと現代では考えられないくらい小ぶりです。

今でいう3Wくらいのサイズでしょう。

ヘッド大型期になるまでヘッドのサイズは少しずつ大きくなりました。

各年代の平均値は以下の通りです。

1994年は220cc、1996年は241cc、1998年は263cc、2000年は292ccでここからどんどん大きくなりました。

2002年が360cc、2004年が388cc、2006年が434cc、そして2008年が445ccです。

そして現在ではルールで最大サイズが決められているので460ccとなっています。

パーシモンヘッド期の人が現代のドライバーを見たら大変驚くでしょう。

ヘッドのサイズが大きくなるにつれ、慣性モーメントも増えています。

慣性モーメントは安定度、姿勢の維持、エネルギーの伝達効率の良さなので、10年以上前のヘッドと比べると重量効果は高くなり、チタン素材を使っている本当の効果が出たと言えるでしょう。

ドライバーヘッドサイズは460㏄まで。これより大きいとダメな理由は?

現在はヘッドのサイズは460ccのドライバーが主流です。

そしてヘッドの大きさ・堆積はルールで460ccまでと定められています。

ドライバーのヘッドのサイズは飛距離に関わってきます。

ドライバーのヘッドが大きい方が飛距離は出ると言われています。

これはシャフトやフェース面の反発など様々な要素を抜いて、ヘッドの体積だけを考えた場合のことです。

ヘッドの大きさ・体積が飛距離に直接的な影響を及ぼすので460ccより大きいとダメになっているのです。

ヘッドが大きいとフェース面も広くなるので、スイートスポットも広くなります。

打点がブレても問題なくそれなりに飛んでくれるでしょう。

そしてヘッドが大きいドライバーの方が慣性モーメントも大きくなります。

大きな物が衝突した方が、衝突エネルギーは大きくなるということです。

またヘッドの大きいドライバーは、ゴルフスイングの回転運動での遠心力が増え、大きなエネルギーをボールに与えることができます。

ドライバーのヘッドが前に進む力が増すので、弾道の直進性も安定します。

また上記にあるようにスイートスポットも広がり、慣性モーメントも大きくなるので更に直進性が増します。

ヘッドサイズが大きいとゴルファーにとって良いこと尽くめなのである程度の決まりを定めることになったのです。

ドライバーヘッドサイズが小さい方を好むゴルファーはどんなタイプ?

ドライバーのヘッドサイズが小さい方を好むのはヘッドスピードが速いゴルファーです。

ヘッドスピードが速い人は低スピンにして吹け上がりを抑えることで飛距離を伸ばせるので使える余剰重量が大きい小ぶりのヘッドを好むのです。

使える余剰重量が大きいと、低重心、低スピンになりやすいのです。

ヘッドが小さいドライバーの多くは、慣性モーメントの大きさよりも操作性重視です。

重心距離が短めなのです。

ミスショットした時に左右に曲がりやすいのですが、ヘッドがブレやすい分だけ操作性に優れています。

ドローやフェードと打ち分けたい人は小さいヘッドのクラブの方が優しいクラブなのです。

またバックスイングでフェースを開いて上げる人には、操作性の高い小ぶりのヘッドの方が捕まった球を打ちやすくなります。

ヘッドのサイズは見た目だけでなくヘッドの挙動が違います。

大きいから良いとは一概には言えず、使い勝手の良さはゴルファーによって全く違います。

しかしヘッドスピードが遅い方は大型ヘッドを選ぶのをオススメします!

ドライバーヘッドのサイズ以外に気にしたい数値は何?

初心者の方はまだまだ伸びしろがあるので、ドライバーのヘッドサイズ・全体のクラブの重さ・シャフトの硬さの数値を基準に選ぶといいでしょう。

初心者のうちはスイングも大きく変化していくので他の数値はあまり気にしなくてOKです。

それ以外の方は、ヘッドスピードを確認後にヘッドのサイズを決めたら、重心角を選びましょう。

重心角が大きいものは球の捕まりが良いです。

また0.5°くらいクローズのフックフェースがオススメです。

次はクラブの長さです。

男性の標準は45インチですが最近はヘッドスピードを上げるために長尺のシャフトを使用する人もいます。

長尺のクラブはヘッドスピードが上がりやすいですが、ミート率が下がるので長尺のクラブを持つのはあまりオススメしません。

またヘッドが戻ってくるタイミングが遅れるのでインパクトでフェースが閉じきらず振り遅れてしまいます。

自分が上手く長尺のクラブを使えるのか試打して自分の感覚を確認しましょう。

最後にロフト角です。

最大飛距離を生む要素に最適な打ち出し角度というのがあります。

それは14°~15°です。

上達を目指すのであれば9.5°~10.5°くらいがいいでしょう。

FWのヘッドもサイズが大きくなってきた!

ドライバーのヘッドだけでなくFWのヘッドのサイズもまた大きくなってきました。

サイズでいうと初期のパーシモンヘッドくらいの大きさになっています。

2008年くらいまでは、地面から打つクラブは大きさが邪魔になるという理由でドライバーと違いFWのヘッドのサイズはほとんど変化しませんでした。

しかし2008年にマルマンが「メガ・シャトル」シリーズを発売し3Wヘッドサイズが230ccでとても話題を呼びました。

ヘッドスピードが遅いアベレージゴルファーでも優しく飛ばせる3Wをコンセプトに発売したようです。

ヘッドの大きめなFWは重心深度を深くして、打ち出し角を大きく、球の曲がりを抑えます。

そして重心がやや高めに設定されているのでスピンを多くして球を上げやすくしています。

現在は選択肢としてヘッドの大きなFWがあります。

FWを苦手としていて優しさを求めるのなら、ヘッドが大きいFWが見た目に安心感があり、慣性モーメントが大きくなりやすいので、ミスヒットにも非常に強いのでオススメです。

しかしFWを得意としていて、飛距離を求めるのなら昔サイズのFWは重心が低いのでスピン量が減り飛距離を出せるのでオススメです。

自分の求めるものでFWのヘッドサイズも選ぶようにしましょう。

現在はサイズよりも重心!可変式で変更も楽々!

ドライバーヘッドサイズはある程度の選択肢から選んでしまえばOKなのですが、現在は重心に注目している人が多いです。

最近ドライバーは低重心のものが主流になっています。

低重心のものはバックスピン量を減らす効果があります。

そして重心がフェース面から離れたところにある深重心のクラブとその逆の浅重心のクラブがあります。

深重心のクラブの方がミスヒットに強く、浅重心のクラブはスピン量をより抑えられますがボールが上がりにくいので上級者向けです。

昔のクラブは高弾道にすれば高スピンになってボールが上がり過ぎ飛ばすことができなかったのですが、重心の位置を考えることでスピン量の適正化を図れるので、バックスピンの掛かり過ぎで距離を伸ばす事の出来なかったゴルファーは、バックスピン量に対して配慮をすることでボールを飛ばすことができるようになってきたのです。

最近のモデルはロフト、フェース角、重心などを調整出来る可変式が増えています。

俗にカチャカチャ式ドライバーと呼びます。

自分に合ったスペックに簡単に変更できるので常にベストの状態で使用出来る可能性があります。

また最近はスライド式ウェイトが付いているのもあります。

これによって弾道とスピン量の調整が簡単にできるのです!

たくさんあるクラブから選ぶのは正確な数値と相性!

右も左も分からない時はなんとなくドライバーを選んでいた人も多いと思います。

しかしヘッドの大きさだけでも球筋から飛距離まで変わってしまうのです。

ある程度ゴルフが上達してクラブ購入を考えている人は、しっかりと自分のスイングスタイルやヘッドスピードなどの数値を調べてベストなドライバーを選ぶようにしましょう。

最近は可変式もあって上達やその日のコンディション、状況によって細かくスペックを変えることができるので、クラブの選択肢も増えています。

じっくり吟味して自分にピッタリのクラブを選びましょう。

最後の決断は「自分とのフィーリング」が一番大切です!