ドライバーのシャフトは様々なスペックで設計されていてクラブの長さもありしなりを感じやすく、自分のスイングに合う合わないがハッキリと出ます。
そんな時今のクラブが振りにくいと思った方が出来ること。
それはクラブ買い替えかシャフト交換です。
今のヘッドが気に入っている場合シャフトだけ交換できたら良いですよね。
今回はシャフトの交換方法をキーワードにお話ししていきます。
ドライバーのシャフト交換方法【工房依頼】
一般に「リシャフト」と呼ばれるシャフト交換方法がアベレージゴルファーの間でも流行りだしたのは5年ほど前から。
もちろん、その目的は一つ。
「真っ直ぐ、よく飛ぶナイスボール」を打ちたいから。
でも、リシャフト、とくにドライバーのリシャフトはなかなか厄介な作業なのです。
古いのと新しいのをすっぽり差し替えるだけ、なんて単純なものでは決してありません。
まず、ヘッドスピード、ミート率、切り返しのタイミングなどなど自分のスイングを徹底分析する必要があります。
それらのデータをもとにして、自分に合ったシャフトを探すのですが、選ぶ際には
①硬さ(フレックス)
②重量
③キックポイント(シャフトがしなる部分)
④トルク(ねじれ具合い)
が何種類もあるから、自分のスイングにピッタリの製品を見つけるのは至難の業。
リシャフトがうまくいけば飛距離が10ヤード以上は伸びるともいいますが、せっかく大金かけてシャフト交換しても自分に合わなかったら逆効果になることだって多々あります。
ゴルフショップに飛び込みで行くのはリスクが大。
信頼できる工房やクラフトマンに相談するのがいいでしょうね。
ドライバーのシャフト交換方法【最新ネジ止め式】
シャフトとヘッドは強力な接着剤で結合されています。
リシャフトする際には、その接着剤をヒーターで暖め、こつこつと引っ張るなどしてヘッド部分を抜きます。
相当に手間のかかる作業ゆえ、気に入らないからなどといって、そうやすやすとリシャフトし直すわけにはいきません。
そういう意味では、リシャフトは一種の「賭け」のような面もあります。
で、これではいかにも交換に不便だということで、最近はシャフトの先端にネジ止め式の「スリーブ」という金具が付いたドライバーが出回るようになりました。
交換方法としては着脱式になっていて、これだと自分で簡単にシャフトが入れ替えられます。
リシャフトが手軽に行えるというわけです。
ただ、このスリーブ、各メーカーによって形が異なるばかりか、同じメーカーのドライバーでもモデルごとに異なっているため、「簡単にリシャフト可能」といっても、同じタイプのスリーブが装着されたシャフトにしか通用しないのです。
つまり、同メーカーのドライバーにセットされていたシャフトだからといって、違うモデルのヘッドにも100%装着できるとは限らないのです。
今後、各メーカーがスリーブを統一基準化するなどして互換性を高めるなんて話も、今のところ聞こえてはきません。
シャフトの交換方法を覚えたら自分で出来るもの?
グリップ交換ならいざ知らず、ドライバーのリシャフトを自分自身で行うなんていうのは“無謀”な話。
ハッキリ言って止めた方が賢明です。
いくら交換方法のハウツーを覚えたからといっても、リスクがあまりにも大きすぎます。
確かに、リシャフト作業にはこれといった資格はいりません。
必要な器具を揃えれば誰でもチャレンジすることができます。
だが、問題は何の専門知識もないド素人に完璧なシャフト交換ができるのか、ということです。
いい加減なリシャフトでは、プレー中にヘッドがスッポ抜けたり、シャフトが折れたりする事故だって起きかねません。
リシャフトにはそれなりの熟練が不可欠です。
それに「必要な器具」と一言でいっても、万力、シャフト抜き機、ヒートガン、木槌、ガソリン、バランス計、アセトン、エポキシ接着剤などなど、専門的な工具も含め何種類も用意しなければなりません。
一式揃えるのに最低でも5万円はかかるでしょうね。
趣味や道楽で行うなら別ですが、まあ、一般的にはリシャフトはプロのクラフトマンに任せるのが無難でしょう。
PL法(製造物責任法)は覚えておきましょう
ご存知のように、PL法とは「製品の欠陥によって生命、身体又は財産に損害を被ったことを証明した場合」に、メーカーなどに損害賠償を求めることができることを定めた法律です。
また、同法でいう製造物とは「製造又は加工された動産」と定義しています。
つまり、リシャフトしたドライバーはPL法の適用を受けることができると考えられるわけです。
しかし、PL法はあくまでも「人の生命、身体に被害をもたらした場合」が適用対象。
リシャフトした際交換方法を間違えていて、ドライバーが折れたり、ヘッドが抜けて傷付いたりしたときは「製造物自体の損害にとどまった場合」に当たり、PL法の対象にはなりません。
こうしたケースは民法に基づく瑕疵担保責任や債務不履行責任などによる救済となります。
ドライバーのリシャフトが原因で人の命や身体に被害を与えるなんて事故は滅多に起こるものではないでしょうが、一応、PL法なるものが存在することぐらいは覚えておいて損はないでしょう。
ただ、ゴルフクラブの破損などについては、現実的には民間のゴルフ保険で対応している人が多いです。
一方、消費者が日常的に使う製品で安全基準を満たしたモノには「SGマーク」が付けられていますが、ゴルフクラブにもこのSGマークの安全基準が設けられていて、人身事故に対する損害賠償システムもあります。
ドライバーのシャフトだけ変えても、他番手とミスマッチなんてことも
ゴルフクラブで重要なのは全体的なバランス。
ドライバーをリシャフトして振り抜きやすくしたのはいいが、フェアウエイウッドやアイアンのスイングに今までなかった違和感が出るようになった、という話をよく耳にします。
ドライバーをリシャフトしたばかりに、これまで保たれていた他の番手とのバランスが崩れてしまったのです。
バランスはシャフトの重量だけで判断するものではありません。
フレックス(硬さ)も重要で、柔らかい順にL→A→R→S→Xと段階があり、ドライバーをどのフレックスでリシャフトするかで、他の番手も見直すのが理想的。
ただ、現実問題としてクラブ全体のバランスは「現場」(コース)で実際に使ってみて体で判断するしかありません。
やれ、フェアウエイウッドのシャフトはドライバーより少し硬くした方がいいとか、やれ、アイアンのシャフトは重くした方が安定性が出るなど、巷では様々な「説」が飛び交っていますが、それらに惑わされずに自らのスイング感覚でバランスを判断するのが一番です。
買い替えの方がお得なことが多いです
リシャフトの最大の「欠点」は試打ができないことです。
いったん組み上がれば、それを使うしかありません。
仕上がりが自分が想像していたのとは違ったとしても、後の祭り。
こんなコトになるならリシャフトなんかせず以前のシャフトをそのまま使っていた方が良かった、なんて話もよく聞きます。
リシャフトはお金がかかる割にはリスキーな面が大きいのです。
それに比べ、最初から組み上がっているクラブは、購入する前にいろんなスペックのタイプを打ち比べることができるし、メーカーもそのヘッドに最適と思われるシャフトを装着して売り出しています。
それらを何種類か試打してみて、自分にまあまあ合ったドライバーを選んだ方が、リシャフトするより失敗が少ないのです。
つまりは、リシャフトに何万円もかけるより、新しいドライバーに買い替えた方が結果的に安くつく場合が多いということです。
まあ、プロやシングルプレーヤーなどのように、シャフトの微妙な感触まで追求するなら話は別ですが、一般的なアベレージゴルファーなら交換方法として買い替えの方がお得でしょうね。
ゴルフはシャフトで決まる!?
リシャフトでも新しくドライバーを買い替える場合でも、シャフトには相当のこだわりを持った方がいいです。
最近のドライバーはヘッド容量が大型化したこともあって、どのメーカーも飛距離などに極端な差はありません。
でもシャフトは違います。
自分に合うか合わないかで、ボールの飛距離も方向性も大きく変わってきます。
自分のスイングに「しなり」がフィットし、パワーがそのままボールに伝わるようなシャフトが最高!です。
プレーしていて、テイーショットのドライバーがバッチリ決まれば気持ちも乗ってきます。
それにはヘッドよりシャフト選びにこだわってほしいのです。
「ゴルフはシャフトで決まる」と言っても過言ではありません。
余談ですが、私の周辺では買ったドライバーを短期間でリシャフトしたり別のモノに買い替えたりする人はなぜか離婚経験者が多いです…?