ゴルフスイングでグリップが滑るようだと困りますが、ベタベタした感じも気持ちの悪いものです。
そんな不快感を取り除くため、グリップのクリーニング方法とメンテナンス方法、また家庭にあるもので再生する方法を紹介します。
ゴルフクラブのグリップがベタベタする理由
グリップが滑るのは困りものですが、ベタベタしたグリップは気持ちの悪いものです。
勢い良くゴルフスイングをしようとすると、スポっと抜けてしまうようでは、不安で思うようなショットを打つことはできません。
一方でグリップを握ると粘着テープの残りが付着しているように、ベタベタとくっつくのも嫌なものです。
そんなベタベタの原因は、ゴムの製造過程で加えられたものが、表面から溶け出していることにあります。
天然ゴムに混ぜた石油などが化学変化して、劣化したゴムから表面に浮き出てきたものです。
これはゴム製グリップだけではなく、パターなどで使われているウレタン製グリップでも同じことが言えます。
しかし硬くツルツルとした感触になるものもあるので、すべてのグリップがベタベタするわけではありません。
ベタベタするグリップは、手垢などで汚れた状態でキャディバッグの中に入れ、高温多湿で水分を吸収したからです。
簡単に言うと、グリップが「腐った状態」になっているわけです。
ゴルフクラブのグリップのベタベタを洗い流そう!
一旦加水されたゴルフクラブのグリップのベタベタは、ドライヤーなどで乾かしても、元のようにサラっとした感触になることはありません。
ただしベタベタの程度が軽ければ、グリップを洗うことで元の状態に戻すことができます。
まずグリップを洗ってみましょう。
汚れを落とすことが目的なので、ゴシゴシと擦り洗いするために、タワシなどを使ってグリップの表面の皮を1枚剥ぎ取る感じで磨きましょう。
食器洗いの中性洗剤を使うと、より綺麗に落とすことができます。
ダスターで濡れたグリップをゴシゴシ拭き取り、グリップの色落ちが収まるまで磨きます。
このあと日陰で風通しの良いところで乾燥させると、元の状態に戻ります。
早く乾燥させようと、直射日光に当ててはいけません。
ゴム素材は直射日光に当てると劣化し、今度はカチカチのグリップになってしまうからです。
またキャディバッグの内側はカビなどの細菌が蔓延しているはずなので、セパレートバーを外して底まで水拭きし、そのあとアルコール消毒で除菌しておきましょう。
ゴルフクラブのグリップのベタベタを化学変化で消す!
基本的にグリップは消耗品なので、ベタベタするようになっていれば交換時期だと思ったほうが良いでしょう。
ただ、すべてのゴルフクラブのグリップを交換するとなると、相応の費用と時間がかかりますので、シーズン中はなんとかベタベタを抑えて使い続けたいゴルファーもいるかもしれません。
そのため、洗剤をつけて洗い、日陰乾しで乾燥させてもベタベタするようなら、化学変化でそのベタベタを解消しましょう。
キッチン用品で使う重曹を用意します。
もしなければ100円ショップやスーパーなどでも購入できるので探してください。
重曹はベーキングパウダーと同様に膨張させる菓子類や、玉ねぎやパイナップルのように肉を柔らかくするために使われます。
そしてベタベタの解消に通じる、タコやイカのヌメリ取りにも大活躍の品なのです。
施工方法は2つ、歯ブラシを使って水に溶かした重曹をグリップにつけて磨く、グリップ自体をお湯に溶かした重曹に漬け込む、これで簡単ベタベタを取り除くことができます。
酸化が原因のベトベトに対して、アルカリ成分の重曹をつけると中和されるため、ベトベトが消えるわけです。
ゴルフクラブのグリップのベタベタを拭き取れる便利な薬剤
主にキッチン用品として使われる重曹ですが、「ウチにはない」というお宅もあるかもしれません。
確かに自宅で料理をしない人もいるでしょうし、ベーキングパウダーや玉ねぎを使って調理する人にとっては必要ないかもしれません。
そんな時は家庭に1個あれば便利な消毒用品を購入してみてはいかがでしょう。
ゴルフクラブのグリップのベタベタを取り除くことができるのは、除菌効果のある無水エタノールです。
お酒やみりんなどの食品添加物としても使われているので、基本的には安全なものです。
しかもネットで購入すれば安価に手に入りますし、近くのドラッグストアでもそんなに高価な品ではありません。
ボールペンのインクが固まらないのはこのエタノールのお陰なのですが、逆に言うと洋服についた油性インクを取ることができます。
洋服の染み抜きなどに使え、換気扇の油汚れなどもスプレーすれば簡単に落とすことができる便利なお掃除グッズです。
そのエタノール度がほぼ100%の無水エタノールで、除菌はもちろんのこと、揮発性の高さから、グリップに加水された水分を取り除くことができます。
ちなみに拭き取る時の布にベタベタがつくと洗っても落ちないので、捨てても良いものを使うようにしましょう。
ゴルフクラブのベタベタが取れなければグリップテープを使用
ゴルフクラブを握った時にベタベタした不快感がないよう、日頃からグリップをクリーニングしておくことが大切です。
またキャディバッグに入れっぱなしにするのではなく、風通しの良い日陰で保管するようにしましょう。
ゴルフ用品のメンテナンスグッズにはグリップクリーナーがあります。
汚れ落としはもちろんのこと、滑る心配がないように不快にならない適度なベタ付きもあります。
もしもクリーニングをして薬品で中和させても、グリップのベタベタが直らないようなら、グリップテープを巻いて急場をしのぐ方法があります。
昔のグリップは皮巻きが当たり前でしたから、ベタベタ感が発生することは良くあったものです。
しかし簡単に交換するわけにもいかず、皮製グリップの上から専用のテープを巻いて、質感を確保していたのです。
現在でもバドミントンラケットやテニスラケット、釣竿などにも使われています。
粘着して留めるのではなく、両端をテープ留めで固定するため、少し慣れは必要ですが、雨の日の滑り止め対策にも使うことができる便利グッズです。
ゴルフクラブの保管状況がグリップのベタベタを防ぐ
グリップのベタベタは、ゴム質の表面がバクテリアによって分解され、加水されたことで水分が浮き出てきたものです。
ゴルフ場や練習場から帰ったら、グリップを無水エタノールで拭けば、汚れは取れますし除菌効果もあります。
もっとも無水エタノールは揮発性が高いので、菌が死滅する前に乾燥してしまうので、完全な除菌とはなりません。
ただ小まめにメンテナンスをすれば、不快感のあるベタベタは抑えることができるはずです。
気をつけてもゴム質が変化してベタベタが発生するのは、およそ5年と言われています。
また使用劣化であれば3年間とも言われていますので、その期間を過ぎたらグリップ交換の時期が来たと思ったほうが良いかもしれません。
自宅保管では、常にゴルフクラブを壁に立て掛けて置けないかもしれません。
その場合は、キャディバッグの中に除湿剤を入れておくと加水を防ぐことができます。
精密機械やカメラなどの除湿用に使われる「強力除湿剤」であれば、キャディバッグの底に入れておけますし、簡単に取り出すこともできます。
良い状態で保管するように心がければ、交換時期までベタベタグリップで悩むことはないはずです。
ゴルフが終わったらグリップを洗浄してベタベタを防ぐ
ゴルフクラブを握るとベタベタするのは、グリップの経年劣化と保管状況によるものです。
すでに交換時期がきていれば、迷わずグリップ交換をおすすめします。
ただし交換するまでは、ゴシゴシ洗って乾燥させるか、無水エタノールでベタベタを拭き取って使えるようにしましょう。