ゴルフクラブの長さは飛距離に影響すると考えられています。
しかし距離を稼ぎたいロングアイアンは難しく、使う危害が少ないのも現状です。
そこですべてのクラブを短尺して、使いやすいクラブにしてみてはいかがでしょう。
今回は短尺クラブのリスクと共に考えていきます。
短尺アイアンにするとゴルフボールは飛ばなくなる?
アイアンショットの球のつかまりがイマイチしっくりこないと言う場合、短尺クラブに変更してみてはいかがでしょう。
3番アイアンとピッチングウェッジを比べれば、ゴルファーの多くはピッチングのほうが打ちやすいと感じていることでしょう。
これはシャフトの長さ、フェースの大きさ、ヘッドの重さ(バランス)が影響しています。
そこで3番アイアンをピッチングに近づけたとします。
フェースを大きなものに変え、ヘッドに鉛板をつけても、シャフトが長いためにヘッドの重みをコントロールできません。
つまり、かえって打ちにくいクラブになってしまいます。
そこで3番アイアンのヘッドはそのままで、シャフトをピッチングの長さに変えたらどうでしょう?
アイアンの中で1番長い3番アイアンのシャフトをカットしてみると、かなり振りやすくなります。
ただしアイアンと言えど、ゴルフクラブには一定の飛距離が必要なので、シャフトが短くしたことで「飛ばなくなるのでは?」との心配もでてきます。
わずかに飛距離ダウンになるかもしれませんが、それは物理的な机上の論理であって、実際には遜色のない飛距離になることも考えられます。
短尺アイアンにするとゴルフボールの飛距離は伸びる!
ゴルフクラブのシャフトをカットすると、元の長いシャフトの時よりも「ヘッドが走る」ことがあります。
なぜならゴルフクラブが短いと、ヘッドが振り抜きやすいという利点が働くからです。
スイングスピードが一定であれば、長いクラブのほうがもちろんヘッドスピードは速くなりますが、実際のスイングでは短いクラブのほうが扱いやすく、速いスピードで振ることができます。
しかもシャフトが短くなったことで、スイートスポットでミートする確率が高まり、当たり損ねのインパクトを防ぐことができます。
アイアンのスイートスポットは、真ん中よりもシャフト側が一般的なので、その小さな範囲にボールを当てるのは至難の業です。
スイートスポットに当たれば反発力が増すので、ヘッドの先のほうで当たった時と比べると、その飛距離は歴然ではないでしょうか。
ロングアイアンやミドルアイアンが苦手の時は、思い切ってピッチングウェッジの長さの短尺クラブを使ってみると、良い結果を得ることができるかもしれません。
ゴルフクラブの長さを統一するのが短尺アイアンの良さ
いくらなんでも3番アイアンを、ピッチングウェッジの長さに変えるのは無謀ではないかと心配の声が聞こえてきそうです。
確かに3番アイアンがピッチングの長さなら、5番アイアンはさらに短くなり、ピッチングウェッジは超短尺アイアンになってしまいます。
そのため心配になるのは当然ですが、もちろんこのようなシャフトカットはしません。
短尺アイアンの場合、一定の長さに揃えるのが一般的です。
3番アイアンからピッチングウェッジまでを同じ長さにする場合と、6番アイアンあたりを境にロングとショートに分けて、それぞれ統一した長さの短尺にするのが良いでしょう。
これは同じ長さであればスイングが一定になりミスを防げますし、短尺の中で長さを変えることで、飛距離の可能性を残してミートの安定性を求めることができます。
ただし、ゴルフクラブについているシャフトをカットすれば、すぐに短尺として使えるわけではありません。
ゴルフクラブの特性を知って短尺アイアンを使う
ゴルフクラブには、総重量やバランスを調節して、自分に合ったものを使うのが一般的です。
そのため単純にシャフトカットして短尺アイアンになっても、軽すぎたりバランスが合わないと思うようなスイングができないものです。
なぜなら3番アイアンとピッチングウェッジを同じ長さにした時、明らかにピッチングウェッジのヘッドのほうが重くなります。
元々3番とピッチングウェッジのヘッド重量差は約50グラムもあるのです。
そのためバランスで比べるとピッチングのほうが「先バランス」になるのは当然です。
このバランスのバラつきは、スイングに影響しないはずがありません。
しかも、もう1つ重要なフレックスの問題があります。
シャフトの硬さ「R」や「S」の表記は、フレックスを表したものです。
Rシャフトの3番アイアンをピッチングウェッジの長さまでシャフトカットすると、3.5インチ(約9センチ)程度は短くなり、感覚的にはSかXになったような気がするかもしれません。
元々SシャフトやXシャフトを使用しているとしたら、硬さに対応したスイングができるのかが問題になります。
アイアンを短尺にするならゴルフ工房でシャフト交換する?
短尺クラブの適合性について結論から言えば、シャフトを挿し替えたほうが安心できます。
軽量シャフトでフレックスがLであれば、9センチカットして鉛をつければ、違和感はないかもしれません。
しかし都合良くLのアイアンを持っているわけもなく、「我慢して使う」のであれば短尺にした意味がなくなります。
さらにシャフトの傾きを表すライ角調整やグリップ交換も必要なので、ゴルフショップの工房に相談して、スイング分析をしてもらいましょう。
そうした上で適合するシャフトに調整してもらうと、しっくりした感覚になるはずです。
プロのクラフトマンであれば1本取りのパラレルシャフトやウェッジ用シャフトを使うよう提案してくるかもしれません。
その結果、数値では表すことができない「しっくり」「振り抜きやすさ」が感じられ、今までとは比較にならない「球のつかまり」を実感できるはずです。
もしも自分でシャフトカットするのであれば、シャフトの長さを一定にしてグリップを装着します。
できあがった短尺アイアンで繰り返し素振りをしてから、試打を行います。
これを何日も繰り返して、スイングにバラつきがなくなった頃に、鉛板を貼って調節していく流れです。
1度で作り上げるのではなく、何度も同じスイングと鉛貼りの工程をしながら、丁寧に仕上げていきます。
なんだか頼りない感じがするかもしれませんが、もともと「しっくり」とか「球のつかまり」というのは感覚です。
自分で調整してフィーリングが合えば、何の問題もありません。
短尺アイアンにゴルフスイングが馴染んでくる
ゴルフクラブを一度シャフトカットしてしまうと、合わなくても元に戻すことはできません。
通常シャフトカットは半インチから1インチ程度が多く、3インチ前後になると想定外のクラブになっていることは想像がつくでしょう。
アイアンは距離の長さが重要なわけではなく、正確な距離と方向が重要です。
できることなら使っていないクラブで試しカットしてみて、短尺の感覚を知ってから、すべてのアインアをカットして、長さを揃えたほうが良いのではないでしょうか。
またアイアンの場合は、ドライバーと比べると微調整は必要ないかもしれません。
すべてのショットがフルスイングではないですし、ライの状況や足元の傾斜などでスイングは変化します。
短尺アイアンで練習を重ねて、手に馴染んでくると、多少の硬さであれば適合できるはずです。
また飛距離ダウンも感じることはなく、いままで敬遠気味だったロングアイアンを多用できることから、プレーの組み立ての幅も広がり、プラス効果は大きいはずです。
ほぼ使うことのないアイアンがあれば、数値で算出される幻の飛距離を追い求めるより、スパっとシャフトを切って生まれ変わらせたほうが、スコアアップに繋がるのではないでしょうか。
ゴルフ界は短尺アイアンの流れがきている?
短尺アイアンは、シャフトが短い分だけヘッドスピードが落ちるので、結果的に飛距離ダウンになると信じている人が多いようですが、どうも違うのが実態です。
最近活躍しているトッププロもシャフトを短くする傾向が強くなっていて、短尺による飛距離ダウンはみられません。
より正確なショットを打てる可能性がある短尺のゴルフクラブを考えてみてはいかがでしょうか。