アプローチでミスが連発するようなら、アイアンの角度が合っていない可能性があります。
標準値で設計されているライ角などは、全ゴルファーに合うように作られていません。
そこで見直しをするのであれば、アイアンのどの角度をチェックしたら良いのかを紹介します。
アイアンでアプローチする時はフェースの角度を意識する
アイアンのロフト角は距離や球筋に影響を与えます。
アプローチでは、アイアンをフルショットするよりも、1ヤード単位で距離を調整してピンそばを狙うものです。
まずインパクトによって打ち出す角度は、本来はロフト角によって変わるものだと覚えてください。
9番アイアンであればロフト角は40度前後、ピッチングウェッジであれば44度前後です。
このロフト角によって打ち出す角度も変わり、数値が大きいほど球筋は高くなります。
これをアプローチの目的から考えると、高い球筋はピンポイントに落とすことができ、グリーン面のアンジュレーションに影響されずにピンそばに寄せることができます。
また柔らかい球筋でボールを上げて、転がしてカップを狙うこともできます。
さらにロフト角が60度前後のロブウェッジであれば、普通にスイングしただけでバックスピンが効いて、ピタっと止めることもできます。
ボールの置かれているライの状況によりますが、ロフト角を利用すれば簡単にアプローチショットを打つことができるようになります。
アイアンのシャフトの角度が合わないとアプローチが乱れる
正しいスイングで正確にインパクトしなければ、ロフト角を利用したアプローチを打つことはできません。
この正しいスイングとは、スタンスやグリップの握り方など、正しい姿勢をとることです。
その上で綺麗な楕円を描くスイングプレーンでスイングし、スクエアにフェースを合わせてインパクトします。
私たちゴルファーは、この正しいスイングをするために、練習場で繰り返しボールを打つわけです。
しかし使用するアイアンのライ角が合っていないと、どんなに頑張って練習しても正しいスイングでショットすることはできません。
このライ角とは、アイアンのヘッドをソールした時、傾くシャフトとソールからなる角度のことです。
ライ角が小さいとシャフトは寝て、ライ角が大きいとシャフトは立ちます。
つまりライ角が小さいとグリップ位置は低くなり、大きいと高い位置でグリップを握ることになります。
例えば身長が高いゴルファーの場合は大きなライ角を選びますが、腕が長ければノーマルの角度を使うことになります。
アプローチショットはアイアンのライ角の角度を合わせる
一般的にアイアンのライ角は、身長170センチに合わせていると言われています。
この170センチは昔の日本人の平均身長を参考にしたものと言われていますが、現在もスタンダードモデルとなっていることが多いようです。
アプローチに使用するピッチングウェッジであれば、ライ角は63.5度です。
一般的には番手1つ変わることに、ライ角は0.5度変わります。
また平均身長の違いからなのか、海外輸入モデルのアイアンはライ角が大きく、シャフトの角度がアップライトになっていることが多いようです。
グリップの位置はライ角に合わせるため、まずは自分のアドレスを確認しましょう。
アプローチの場合には、状況に合わせてスタンスの幅が変わるために、基準の肩幅の内側(脇の下)に足の外側を合わせてください。
膝を軽く曲げ、上半身を真っ直ぐにして腰から前傾します。
肩から伸びた腕を真っ直ぐに垂らした位置があなたのグリップを握る位置です。
アプローチウェッジのライ角をこのポジションで合わせます。
アプローチでミスをなくすアイアンのバンスの角度を利用する
アイアンのロフト角とライ角が合わないと正しいアプローチはできません。
違和感があるようなら、工房のあるゴルフショップで角度を調整してもらいましょう。
ちなみにライ角は製品表示と誤差があるのが当たり前なので、アプローチでミスショットが続くようなら確認が必要です。
そんなロフト角とライ角のほかにも、アプローチをするアイアンには重要な角度があります。
それはアイアンの底にある膨らみであるバンス角と呼ばれるものです。
ソールの膨らみの大きさを角度で表しています。
バンス角が大きいとダフリを防いでくれるので、安心感のあるアプローチできます。
一方でフェースを開いたアプローチをする場合には、バンス角が大きいとリーディングエッジが浮いてしまうために、トップする危険性が高まります。
特にアプローチウェッジとサンドウェッジには、大きなバンス角があるため、上手く使うことでミスのないショットができるようにしましょう。
バンスを利用するアプローチショットを成功させるためには、バンスを信じるだけです。
アプローチでダフらないようにアイアンの角度を信じて打つ
アプローチで絶対に避けたいのはダフリやトップです。
しかし気にしすぎて入射角にこだわると、かえってミスショットになることがあります。
リーディングエッジが厚く入るとトップになりますし、薄く入るとダフると言われています。
バンス角の利用というのは、アイアンの底や裏を芝面に打ち付けることです。
バンスを芝面に打ち付けるだけで、膨らみのお陰でボールの下にリーディングエッジが滑り込んでいきます。
ただ膨らむ角度が大きいのに、ロフト角以上にフェースを開くと、バンスの膨らみでフェースの刃の部分が浮いてしまいます。
そのため、トップを止めるためには、アドレスの時点でロフト角に合わせたフェースの形を保つことです。
あとは、その形を崩さないように払い打ちすれば、ダフることなくインパクトすることができるでしょう。
それでもダフるというのであれば、アイアンを構えた時に、ハンドファーストになりすぎているかもしれません。
ハンドファーストにすると、リーディングエッジしか接地しないようになるので、バンスを活かしたアプローチができないことになります。
アプローチするアイアンの入射角度はレベルブローで合わせる
ボールの最下部と芝の隙間に、アイアンのリーディングエッジを入れようとすると、わずかに角度が狂っただけでアプローチはミスショットになります。
ましてフェースを合わせようと入射角を調整しながらスイングすると、上手く合わないことが多いようです。
そこで視点を変えてスイングの最下点をイメージすると、簡単にリーディングエッジを入れることができます。
まず練習場でボールを置かずにアイアンのスイングをしてください。
人工芝に打ち付けるのではなく、「シュ」と擦れる音が聞こえるようにスイングするのです。
これを何度も繰り返すと、人工芝の同じ箇所を擦っていることが分かるはずです。
そこがあなたのスイングの最下点なので、その最下点にボールを置いて同じスイングをしてください。
スイングにブレがなければ、スイングの最下点でインパクトするレベルブローのスイングができたことになります。
このスイングができるためには、アイアンのライ角を調整しバンス角を活かすことが大切です。
アプローチ用のアイアンは角度調整しよう!
アプローチで使うアイアンはロフト角やライ角を確認し、必要があれば角度調整をしてもらいましょう。
またバンス角はダフリやトップを抑える役割はありますが、邪魔なようであれば削ることもできます。
ただし削れない材質もありますので、工房などで確認してみると良いでしょう。