アイアンのソールに傷ができれば、何らかの補修をしないと気になって仕方ありませんよね。
大掛かりな補修であれば専門の工房に持ち込むしかありませんが、擦り傷程度を傷消しするのであれば、自分でもメンテナンスすることができます。
そこで傷の補修の方法と簡単にできるグッズを紹介します。
アイアンのソールの傷消しは磨くことから始めよう
アイアンのソールに傷ができた時そのまま使うのか、それとも補修するのかは傷の程度によるでしょう。
大きな傷の場合には、補修を専門とする工房で修繕してもらうしかありません。
もしもゴルフ場や練習場で破損したのであれば、施設賠償保険や個人で加入しているゴルファー保険などの適用を受けられるので、保険会社に一度相談してみると良いでしょう。
また小さな傷であれば自分で補修することもできますが、削り取られた傷を消すことはできませんので、傷消しではなく劣化防止のための補修になります。
ただしアイアンの素材によっては、自力で補修できない場合もあるので確認が必要です。
ソールの擦り傷のような類であれば、通常のメンテナンスとして自分でできます。
いわゆる「磨く」ことで、ソールの傷消しをするだけなので、誰でも簡単に補修することができます。
ただし布で磨くだけでは、なかなか綺麗にはならないので、研磨剤や磨くための道具があれば、手間をかけずに磨き上げることができます。
アイアンの素材によってソールの傷消し方法が違う
アイアンのソールの傷消しをする前に、まずは自分のアイアンの種類を確認しましょう。
単純に「アイアン=鉄」とは考えないほうが良いです。
まず補修する時は、そのアイアンのヘッドがどのような素材で作られているかを確かめる必要があります。
アイアンのヘッドには、ステンレスやチタンなどの硬鉄と軟鉄があり、さらに鋳造(ちゅうぞう)と鍛造(たんぞう)があります。
ステンレスやチタンは硬い材質なので傷つきにくいものですが、良く見るとフェース面だけチタンで、ヘッド全体はステンレスになっていることが多いようです。
そのため、チタン製のヘッドと思っていても、実際には傷消しする箇所はステンレスであることを理解しておきましょう。
硬い素材で作る「鋳造」は、先に作った型の中に熱して溶かした素材を流し込みます。
型枠さえできれば複雑な構造でも大量生産ができることから、キャビティタイプなども安価に作ることができます。
一方で軟鉄は、軟らかい鉄と書くくらいですから、傷つきやすい材質です。
しかし軟らかいからこそ、ソフトな打感でインパクトができるというアイアンに必要なメリットもあります。
軟鉄の中で「鍛造」と呼ばれる製品は、「フォージド」と呼ばれることが多いようです。
これは素材(鉄)を熱して叩いて、刀のように鍛えて作る製法です。
この場合、素材が柔らかいことから傷がつきやすいので、芝の下に小石があるとちょっとした圧でも傷ついてしまうほどです。
また軟鉄はメッキが剥がれたら錆が浮いてくる場合もあるので、小まめにメンテナンスしておく必要があります。
ステンレス製アイアンのソールを傷消しする時の手順
メッキ仕上げしているアイアンの場合には、紙ヤスリなどで擦ると逆効果になってしまいます。
ステンレスなどの硬鉄であれば、綺麗に磨きあげる程度にしましょう。
この磨く時に必要なものは、食器用洗剤とステンレス用のクリームクレンザーです。
どちらもキッチン用洗剤なので、多くのご家庭にあると思いますが、なければ購入しましょう。
また練習場に通っていると、人工芝のナイロン剤が糊のように張り付くことがあります。
これはカッターの刃でも取ることはできますが、傷消し用のキューブが便利です。
消しゴムのように擦るだけで磨くことができますし、表面を傷める心配もありません。
磨き方は、まず泥や埃を除くためにさっと水洗いして、その水気を拭き取り綺麗な状態にします。
次にソール部分全体を傷消しゴムで擦り、余分な汚れを取り除きます。
あとはクリームクレンザーをつけて磨けば、浮いていた傷が研磨されて目立たなくなります。
最後に食器用の中性洗剤で研磨剤等を洗い流せば終了です。
メッキ加工のアイアンはソールの傷消しができないこともある
研磨剤で磨き上げるというのが常套ですが、いまは便利なものが出てきています。
市販の便利グッズで、「KOYOみがきクロスポリマール」を使えば、この中に超微粒の研磨剤が入っているので、アイアンのソールにできた小さな擦り傷を消すことができます。
ただしメッキ仕上げのものは、研磨剤を使って傷消しをすると、メッキ自体が剥げてしまうので使用できません。
そのためメッキ仕上げのアイアンのソールを傷消しする時は、傷の程度で決めるしかありません。
それが大きめなら工房に持ち込み修繕してもらうしかありません。
方法としては、傷を補修し再度メッキ加工するというものです。
シャフトからヘッドを外して傷を補修するため、かなり手間暇掛かると認識してください。
事前に決めた色合い(つや消しや光沢なども)でメッキ加工して磨いて終了です。
作業自体は簡単ですが、シャフトの抜き挿し代、補修代、メッキ処理代などがかかるため、我慢できないような大きな傷でなければ、油膜(CRC−556)を付けるだけにしましょう。
軟鉄アイアンのソールを傷消しする手順
軟鉄アイアンのソールの傷消しは、サンドペーパーなどで擦って、痕が分からないように削ってしまいます。
サンドペーパーは数字の小さなものが荒目で、大きくなるほど細目になります。
最初は荒目の400番程度で削り、仕上げは3000番にすれば綺麗に傷消しができるはずです。
また微細な擦り傷だけなら、ドリルやリューターなどの回転する電動工具にフエルトパフを装着して、研磨剤で磨けば簡単に傷消しができます。
要は磨いて傷をなくすという方法です。
ただし磨きすぎると表面加工が剥がれることになります。
つまり今後は赤錆が浮いてくる可能性が高くなるわけです。
もちろん傷を放置していても、同じように傷口から錆が浮いてきますから、磨いた後には錆止め処理をしておく必要があります。
アイアンの錆止めは、メッキ加工(工房に依頼)、ガンブルー塗装(自作可能)、油膜塗装(通常メンテナンス)があります。
小さな擦り傷の場合には、CRC−556を使っての油膜塗装で十分ではないでしょうか。
ソールの傷消しができないアイアンは塗って補修する
小さな擦り傷であれば、サンドペーパーなどで削って傷消しすることができますが、少し大きめの傷になると、傷痕すべてを削ることができない場合があります。
どうしても消せない傷、しかもそのまま放置していると赤錆に犯されるかもしれないと言う場合には、塗装してみてはいかがでしょう。
すでにハイテク塗料として有名な「染めQエアゾール」がオススメです。
鉄だけではなく、曲げられる革製品や伸び縮みする布製品であっても剥がれることはありません。
超微粒子の塗料である「ナノ」を使っているので、アイアンのソールの傷の中でも心配はありません。
また、色は50種類あるので好みのものを選ぶか、もしくは「クリアー(透明)」を使えば違和感はないはずです。
傷消しができないほどであれば、マスキングテープで塗装部分だけを囲って再塗装すれば、簡単に補修することができます。
ソールを傷消しする前にアイアンの種類を確かめること!
アイアンのソールの傷消しをすることで、表面加工を削って地金を出すと、かえって状態を悪化させてしまうことがあります。
またステンレス製のアイアンなどは、色ボケになってしまい、見た目が悪くなることもあります。
傷消しをする前にアイアンの素材を確かめるようにしましょう。