ハードヒッターはXシャフトを使ったほうが飛距離は伸びる?

最終更新日:2018/05/19

ヘッドスピードが速ければ、スイング中にクラブが曲がって、インパクトが安定しません。

ヘッドスピードに合わせてXシャフトに変えると、今よりも飛距離が伸びることもあります。

そこで、シャフトの性能を示す3つの条件をもとに、シャフト選びについて考えていきます。

飛距離のあるハードヒッターがXシャフトを使う?

多くのゴルファーは「Xシャフト」のドライバーを見た時、飛距離のあるハードヒッターにならないと使う機会は少ないと考えているかもしれません。

そのXシャフトの「X」とは、シャフトの硬さを表したものです。

硬さの順を大まかに分けるとX、S、Rの3つがあり、Xがもっとも硬いシャフトになります。

一般的にはクラブを選ぶ時の基準のひとつとして、この硬さの表示を参考にしているはずです。

しかし、この硬さ表示には統一基準はありません。

A社がXシャフトと表示しても、B社は同程度シャフトをSシャフトと表示することがあるのです。

さらに言えば、A社のCモデルとDモデルでも違います。

あくまで同一モデルの中での硬さの表示なので、まずは自分の中で硬さの基準を持たないと、表示を見ただけでは適合するシャフトの硬さを見つけることはできないわけです。

このシャフトの硬さを見つける前に、まずは自分のスイングを分析して、クラブ全体の重量やバランス、キックポイントなどの適正を知っておく必要があります。

Xシャフトでスイングスピードを気にせず飛距離アップできる

そもそもシャフトの「硬さ」とは何かを知らなければ、自分に適合したシャフトを見つけることができません。

まずはクラブを思いっきり振ってみましょう。

トップの位置から振り下ろすと、シャフトは弓なりに「しなり」ます。

しかし、このしなりはスイングの途中で逆しなりとなる「たわみ」へと変わります。

しなりが大きくなればヘッドは遅れていますが、たわみが大きくなるとヘッドはシャフトよりも先行してボールをインパクトします。

このしなりとたわみの反動は、ヘッドスピードに影響を与えることになるわけです。

つまりスイングのメカニズムを活かして飛距離を出すためには、単にクラブを強く振るだけではヘッドスピードは上がらず、シャフトの性能を活かさなければいけないということが分かります。

一方で「しなり」や「たわみ」が強いとヘッドが揺れて、意図しない向きでインパクトする可能性が高くなります。

そんな時Xシャフトのように硬ければ、強いスイングをしてもブレずにインパクトができるようになります。

Xシャフトで飛距離を生むキックポイントとは

スイングスピードが速いとシャフトがしなり、キックポイントで適正以上にたわむため、タイミングが合わないとフックの原因になります。

ヘッドスピード45以上であれば、S~Xのシャフトを選ぶと方向性が安定します。

ちなみにヘッドスピード45以上であれば、飛距離は260ヤード以上ということになります。

この飛距離を生むには、単にスイングが速いだけではなく、キックポイントを利用したスイングが必要になります。

実際のスイングではコックを利用します。

左腕を真っ直ぐ伸ばして、親指を突き立てた時の直角をコックと言います。

アドレスでの親指はほぼフラットですが、テークバックを始めると徐々にコックが作られ、トップの位置で形成されます。

この状態が「コックが固まる」です。

ダウンスイングでは、一気に右足太腿までグリップを下ろし時に、コックを解放していきます。

テークバックで徐々にコックを形作ってきましたが、ダウンスイングでインパクトゾーンに入ってからコックをアドレスの形に戻します。

この状態が「コックをほどく」です。

コックをほどくとキックポイントを活かせるので、ヘッドを走らせるスイングができることになります。

Xシャフトで飛距離を求めるなら3つのポイントで選択する

飛距離を求めるのであれば、ヘッドスピードの速さを知り、適正なシャフトを用意することが必要です。

ここでの適正なシャフトとは、Xシャフトのようなフレックス(硬さ)と、先調子、中調子、手元調子といったキックポイント(調子)と、トルク(ねじれ)の3点があります。

フレックスをXシャフトで選ぶ時、まずキックポイントは中調子で様子を見てください。

もしもそれでフックボールが出るようであれば手元調子に変えます。

逆にスライスボールが出るのであれば先調子に変えると、ストレートの球筋に近づくはずです。

基本的にキックポイントが先調子なら、ボールは上がりやすくつかまりが良いクラブです。

一方でキックポイントが手元調子なら、低い弾道で打ち出すことができるので、ヘッドスピードが速ければスピン量を抑えられる手元調子のほうが、飛距離を稼げると感じることが多いようです。

Xシャフトの飛距離を左右するトルクとは

問題はトルク(ねじれ)です。

キックポイントが先調子でトルクが大きいと、ヘッドの稼動域は大きくなります。

先調子のキックポイントであれば、シャフトの前方で曲がることが分かりますが、どのくらい曲がるかは分かりません。

それを表すのがトルクです。

Xシャフトであれば手元調子のほうが扱いやすいと思いますが、これも個人差があるので自分のスイングに合わせるしかありません。

ちなみにトルクが大きいと捉まりやすく、トルクが小さいと球離れが良くなります。

球離れが良いということは、インテンショナルドローやフェードを打ちやすいことになります。

またアウトサイドイン系のスイングか、インサイドアウト系のスイングかによって、球筋だけではなく飛距離にも影響を与えます。

シャフトを選ぶ場合には、キックポイントとトルクはセットで考えたほうが、良いものを探すことができるはずです。

Xシャフトで飛距離を狙うなら試打で確かめよう

ヘッドスピードが速くてもフレックスやキックポイントには個人差があります。

またバランスによっても違いがでるので、一概に「ヘッドスピード45以上=Xシャフト」とはなりません。

飛ばし屋で有名な池田勇太プロのバランスは「C5」です。

一般的にプロゴルファーのバランスは「D2」ですから、池田プロのバランスとは8段階違うことになります。

池田プロのシャフトは女性用クラブと同程度のものなので、普通に振ると極端にスライスするか、もしくはチーピンのようなフックの可能性があります。

ところがスイングでタイミングを合わせることができるのは、Xシャフトより1段階硬い「TX」を採用しているからでしょう。

しかもヘッドの重さは通常よりだいぶ軽いということなので、もはや数値で適正を分析することはできそうもありません。

1本ずつ試してみて探すことができ、しかもそのクラブの特性を活かす技術を持っていることで、このような通常では考えられない未知のセッティングが可能になったのだと思います。

表示によるフレックスやキックポイントに頼るよりも、試打用クラブでいくつも打ってみて、飛距離を確かめたほうが確実なのは間違いありません。

Xシャフトで飛距離を狙うよりもクラブに合わるほうが大事?

ヘッドスピードが速いのであれば、Xシャフトのクラブを使ったほうが、飛距離は伸びるはずです。

ただし、自分のスイングに合わせたクラブを選択するのか、クラブに合わせたスイングにするのか、マッチングを考えるとどこかで妥協する必要もあるということも心に留めておきましょう。