スライスする原因はインパクトでゴルフボールを擦るから?

最終更新日:2018/05/07

まともにスイングしたはずなのに、なぜかスライスになってしまうことがあります。

自分では正しいスイングをしていると思っているのに、ゴルフボールは左方向に飛び出し、そこから右回転で曲がってしまいます。

そんなゴルファーの7割が悩みを抱えるスライスの原因と対策についてお話します。

ゴルフボールがスライスするのはスイングが原因?

打ち出したゴルフボールがスライスするのは、スイングに問題があるからです。

ゴルファーの約7割がスライスに悩んでいると言われていますから、ゴルファーであれば誰もが1度は通る道とも考えられます。

特に初心者にその症状は多く見られますが、突発性のスライスと恒常的な持ち球としてのスライスに分かれます。

初心者のスライスは、最初に左方向に打ち出して、その後弧を描いて右方向へと曲がっていく突発性のスライスです。

いわゆるプルスライスと呼ばれるもので、スイングプレーンに問題があります。

自分ではヘッドを真っ直ぐに引いて、ターゲットにフェース面を合わせてインパクトしているつもりでいますが、実際にはアウトサイドインのスイングになっています。

こうしてアウトサイドインでスイングをするとカット打ちになり、スイングを上から見ると「右上から左下」へと流れていきます。

この現象は、ヘッドを真っ直ぐに引くことが、インパクトでスクエアなフェースを作れると考えているからこのようなヘッドの動きをしてしまいます。

スイングプレーンでは、頭の後ろからヘッドが始動し、身体の側面を通って正面でボールを捉える円の動きをします。

それなのにヘッドを縦の直線運動と考えたことで、結果的にゴルフボールを擦ることになるわけです。

ゴルフボールがスライスするのは真っ直ぐに引くことが原因

ヘッドが飛球線に対して直線で動こうとすると、インパクトするゴルフボールはスライスします。

クラブヘッドが、飛球線の後方から前方に向けて真っ直ぐに移動すれば、フェース面の角度に歪みがないので、真っ直ぐに飛び出すような気はします。

これはパッティングの時のストロークをイメージすると、確かにフェース面を合わせることはできそうです。

しかし実際にヘッドが、そのような動きをすることはありません。

ボールの後ろにクラブヘッドをセットして、テークバックを開始します。

この時、クラブヘッドは飛球線にスクエアにセットされ、その後インサイド側に引くことになります。

次にトップの位置からダウンスイングが始まり、インパクトの直前でヘッドは飛球線に対してスクエアになるのです。

つまりクラブヘッドをセットした時とインパクトの時の2回だけ、飛球線上に表れて、あとはインサイドで移動しているのが正解です。

この動きの中で、ヘッドが後方からボールに向かっていくことはありません。

ゴルフボールがスライスするのは捻転不足が原因!

スイングプレーンは円の動きなので、基本的にはヘッドが飛球線上を移動することはありません。

例えあったとしても、それはダフリ気味にゴルフボールの手前でスイングの最下点を迎え、そのまま芝面を滑っていく時です。

つまり、インサイドインのスイングをするのであれば、ミスショットしない限りヘッドは弧を描いてインパクトを迎えることになります。

できないはずの後方からの直線移動のスイングを求めると、スイングプレーンに歪みが出てスライスすることになるのです。

ヘッドを後方から前方に移動させるためには、上半身を右に傾けたテークバックと、左に傾けたフォロースルーをすることになり、正しいスイングフォームはできなくなります。

アドレスの状態から、グリップを飛球線に沿って後方に引きます。

目一杯、後方に引くと左肩は身体の中央にきています。

通常はこの状態で「左肩が回っている」と思いますが、実際には右側に移動しただけです。

これでは捻転不足になって、弧を描いたスイングは難しくなります。

直線のスイング軌道によってゴルフボールはスライスする

テークバックが捻転不足になると、ダウンスイングのグリップは右上から左下への直線の動きになり、打ち出すゴルフボールはスライスします。

本来のスイングでは、左肩が回るのと同じだけ、右肩も回る必要があります。

左肩が身体の中心まで回っているのであれば、右肩も同軸上の反対側で90度回転していなければなりません。

ところが直線のテークバックでは、左肩は身体の中心にあるのに、右肩はほんの少しだけ引いただけで、両肩の間隔が狭くなっただけです。

これは、左腕を飛球線側に移動するための動作であって、とても「捻転」するスイングとは言えません。

スイングが捻転不足のため、弧を描いたヘッドの動きはできず、直線的に動くことになりますが、問題はこの直線の動く方向です。

ゴルファーは飛球線に対して真っ直ぐに、まるでパッティングのように動かしているつもりですが、無理なテークバックでヘッドを後方に引いたために、前傾して左肩だけが前に出る姿勢になっています。

いわゆる左肩が沈んだ姿勢です。

スイング中の肩の上下運動でゴルフボールを擦ってスライス

テークバックで左肩が沈むと、ダウンスイングではその沈んだ肩を元に戻すための動きをします。

この左肩の反動で、今度は右肩が沈むことになります。

そのままの姿勢でインパクトを迎えると、右腕は伸びきらずにフェースが開いてしまいます。

しかもインパクトの時のヘッドの動きはアウトサイドイン、すなわちカット打ちになっているでしょう。

こうしたクラブヘッドの動きからゴルフボールは左方向に打ち出し、その後開いたフェースによって擦られたゴルフボールには右回転がかかりスライスしていきます。

このアウトサイドインのスイングは、3つのことを実践すれば簡単に修正することができるのです。

1つ目は、グリップエンドを指に2本分空けて、短く握ること。

2つ目は、アーリーコックで、テークバックの前にシャフトを地面と平行にすること。

3つ目は、右腰を回すイメージを持つことです。

もちろん練習のためのものなので、正しいスイングが身についたら、いつも通りの長さで握って大丈夫です。

インサイドインでゴルフボールのスライスを止める

スライスするスイングを修正するために、グリップを短く握ってインパクトでベルトのバックルにグリップエンドを向けるようにイメージします。

これだけでヘッドの遅れが解消されるはずです。

またゴルフボールの後ろにクラブヘッドを置いてアドレスが完了したら、最初に左手甲を飛球線と平行にして、シャフトを地面と平行になるまでヘッドを持ち上げます。

このアーリーコックによって、ヘッドを真っ直ぐに引くことはできなくなるので、後は捻転をすれば良いだけです。

捻転は身体をねじることでパワーを溜め、ダウンスイングで一気に開放することでスイングスピードを上げるためのものです。

効果的な捻転をするには、左右の肩が正対して動くことが必要です。

そのためには、右腰の回転からテークバックを開始しましょう。

実際の動きは、右腰を後ろ側に引きながら、右ポケットにシワができるようにすることです。

その動きと同時に右肩を後ろに引けば、両肩のレベルを崩さずにトップの位置までグリップを引くことができます。

これでインサイドインのスイングができるはずなので、ゴルフボールを擦ってスライスすることはなくなるはずです。

アドレスの間違いがゴルフボールをスライスさせている

スライスするのは、単にゴルフボールを擦っただけではありません。

すでにアドレスの時点で、スライスするスイングになることは決まっていて、後はその通り実行しているだけです。

正しいスイングに変えるだけで、修正することはできるはずです。