ゴルフ場でカートを利用する時のルールとエチケット

最終更新日:2018/04/20

セルフ・キャディ付きを問わず、今ではゴルフ場で乗用カートを利用する機会が増えてきています。

多少の走行技術も必要ですが、ゴルフ場が定めたルールや、ゴルファーとしてのエチケット、また法律上のルールなども含めて、利用する時には気をつけたいものです。

そこで改めてカート利用の心得についてお話します。

事故防止のためにもルールを守ってゴルフカートを利用しよう

最近はゴルフカートを用意しているゴルフ場が増えてきているので、誰もが1度は乗車してプレーをした経験はあるはずです。

今では全国のゴルフ場の約9割が、乗用カートを用意しているそうです。

キャディ付きのコースでも移動手段として使っている場合や、コース内は使わずともホール間のインターバルで乗車することもあります。

以前と比べるとキャディの数も減ってきているご時世です。

全国2400コースでは、恒常的な人手不足状態なこともあって、一部セルフ化や全面セルフ化に踏み切るコースが増えてきて、今後もカート利用率は高くなっていくことでしょう。

一方でカート利用に関しては、さまざまな問題も生じています。

広いコース内を自由に走れるカートだからこそ、一定のルールの元で使用しないと、運転する本人はもちろんのこと、同伴者や他のプレイヤーにも迷惑を掛けてしまいます。

運転技術は別にして、ゴルフ場におけるカート利用のルールについて再確認してみましょう。

ゴルフカートには資格者だけが運転できるルールがある

まずは、ゴルフカートの運転者についてです。

当初は自由に運転していましたが、現在はゴルフ場側がルールを設けていて、運転者を指定することもあるようです。

運転者以外はカートを運転することはできず、仮に指定した運転者以外が事故等を起こしても、ゴルフ場はその責を負わないことになっています。

もちろん、同伴者全員が運転者としてエントリーすることはできます。

ただこの運転者を同乗者が認知していることを、あらかじめ署名で求められます。

危険運転や飲酒運転をした場合の賠償責任は運転者が負い、またその解決法は同乗者も了解しているというのが主旨です。

スタート室に提出する組合せ票に、その文面が記載されている場合は、全員の署名が必要です。

また受付時に署名するところもあるので、カートを利用する場合には、誰が運転者になるのか事前に決めておく必要があるでしょう。

もちろん事故を起こした時の賠償責任がつくからと、安易な署名はやめておきましょう。

また自動車運転免許証の保持が義務付けられているところが多いので、免許取得者の中から選ぶようにしましょう。

後続組はゴルフカートの移動を目安に打つのがルール

ゴルフコースは広いので、同伴者がとんでもない場所に打ち込んだ時など、乗用カートでボールを探索すると便利です。

しかし後続組がついている場合には、コース外にカートを移動してはいけません。

後続組はカートが見えなければ、すでにセカンド地点にいないものとして、打ってくるかもしれないからです。

ルール的には、カートは最後尾のプレイヤーのボール位置で停めることです。

後続組が待機するティーグラウンドから見える位置に停めて、そこからボール探しにいくようにしましょう。

またカートでクルクル回っている場合があります。

前方のグリーンが空くのを確認するために、ブラインドの切れ目まで走行して、打てるようになってから戻り、ショットが終わるとプレイヤーが乗車して移動するというパターンです。

後続組はプレイヤーが居たとしても、カートが移動するとアドレスの準備に入ります。

準備ができてから待たされると、イライラするのは当然のことです。

逆の立場で考えれば当然の感覚でしょう。

ですから最後尾のプレイヤーにカートを預けて、コース確認は徒歩でいくようにしましょう。

ルールがなくとも守りたいゴルフカートの走行法

ゴルフ場の中には、フェアウェイのカート乗り入れを禁止または抑制しているところがあります。

明確なルールが設定されていなくても、極力フェアウェイの真ん中は走らないようにしたいものです。

1台あたりの填圧量はわずかでも、1組2台であれば1日80台が走行するので、すべてのカートが真ん中を走ると地盤は固くなってしまうものです。

するとナイスショットのはずが、地盤が固くて跳ね返されて、結果トップになるようでは悲しいものです。

また朝露や雨水を含んだ芝の場合、急ブレーキは芝を削ってしまいます。

ブレーキ痕やカートの旋回で痕がつくと、芝が元に戻るまでには期間が必要になります。

後続者のためには、無用にコースを荒らさないようにすることは大切なことです。

さらにカートの屋根やキャディバッグなどで重心が高くなっているので、コースの端の斜面を1人で走行すると、運転手側が谷側の時は傾くことがあります。

一定の斜度を超えると危険ですから、フェアウェイの境目付近のラフを走行するのがオススメです。

ルールブックによるゴルフカートが故障した時の対応法

あまりないことですが、ゴルフカートも機械なので、ラウンド中に故障することはあり得ます。

そうなった場合、現在ですと同伴者に1人以上は携帯電話を持っているでしょうから、ハウスに連絡をして代わりのカートを用意してもらうように手配すると思います。

しかし、もしも連絡手段がなければ、後続組の到着を待って連絡してもらうようにしなければなりません。

ここで大事なことは、動かないカートを除けることです。

自組がプレーできないのであれば、後続組にパスするのはプレイヤーとしての当然のことです。

ルールブックの第1章『エチケット』に記載されている「プレーのペース」や「コースの先行権」からも、後続組にプレー権を譲りましょう。

ただコース上のカートがあると、後続組の邪魔になります。

そこでカートを邪魔にならないところ、少なくともフェアウェイから除けること、できれば1打地点ではないところに移動します。

その上で、自分たちはティーグラウンドに戻り、代替車が来るのを待ちます。

車上に留まる場合は、シールドで飛来するボールを防御できるように、ティーグラウンドに対して正面を向けて停めるようにしてください。

ゴルフカートを乗り入れしない暗黙のルールとは

セルフコースの中には、グリーンの手前にゴルフカートの乗り入れを禁止している場合があります。

ルール化して「カート進入禁止」と表示しているところもありますし、紐などで明示しているところもあります。

グリーン周りはアプローチのランディングとなる箇所であること、カートのタイヤで押しつぶされた芝が逆目になる場合もあるので、極力ダメージを与えないようにしなければいけません。

もしもゴルフ場で進入禁止をルール化していなくても、マナーとしてグリーンエッジまで乗り入れないようにしましょう。

ゴルフルールの冒頭には「コース上にいる他の人に対しても常に心を配るべき」と記されています。

基本的には20~30ヤード手前から、次のホールへ進む方向にカートを停車します。

カートをピンよりも手前に停めると、プレー終了後にボールが打ち込まれる可能性があります。

そのためグリーンから少し離れても、ピンと平行になる箇所まで移動しておくと、安心して乗車することができるでしょう。

カートは便利な乗り物ですが、本来の目的は「クラブを運ぶ道具」であって、プレーを補助するためのものではありません。

安全に適切な使い方を心がけ、事故のないよう楽しいゴルフをしましょう。

ゴルフカートにボールがぶつかった時のルールとは?

ゴルフカートについて日本国内のルールでは、クラブを運ぶ道具として「携帯品」となっています。

本場(英語表記)では「道具」となっているので、本来はルール上の扱いが少し変わるわけですが、携行品という名の道具という位置づけです。

問題はそのカートにボールがぶつかった場合、停める直前でだれが動かしたか、それによって1罰打の科せられる人は変わります。

グリーン周りで当たるケースが多いので、離れた所に停めましょう。