アイアンのシャフト交換を自分で行うときのちょっとしたコツ

最終更新日:2017/11/20

アイアンのシャフト交換をするのであれば、自分で作業してみてはいかがでしょう。

ハードルが高そうなシャフト交換ですが、意外に簡単です。
最初に道具を揃えてしまえば、シャフト交換だけでなくグリップ交換もできるようになります。

必要な道具と交換方法、ちょっとしたコツについて紹介します。
すべては自己責任の元の作業になりますので、注意深く進めることは大切です。

シャフト交換をする前に自分に適合するアイアンをチェック!

技量がアップするとスイングが速くなり、ヘッドの振り抜きが良くなるものです。
ドライバーは一定期間で買い替えることが多いですが、アイアンは「慣れ」があって簡単に買い替えることは少ないですよね。

もしもアイアンのヘッドの形状が気に入っているのであれば、シャフト交換だけでもしてみたらいかがでしょう。
通常、シャフト交換はショップなどの工房に依頼しますが、自分でも交換することができます。

交換する前に、まずはシャフト選びをしなくてはいけません。
初めてのシャフト交換の場合、新しいシャフトの性能や自分の技量に合っているのかが分かりにくいものです。

確認方法は2つです。
1つ目は、自分のスイングを測定して、数値を元に適合シャフトを割り出します。
量販のゴルフショップに、スイングデータを計測できる機器があるので、ヘッドスピードやミート率などから確認します。

2つ目は、実際に試打クラブでボールを打って、使いやすさで判断します。
量販のゴルフショップで、同じモデルでシャフトの違うアイアンを使い、実際のボールを打つことで交換するシャフトを決めます。

その後、計測や試打をしたショップまたは信用できる通販サイトなどでシャフトを注文すればOKです。

自分でアイアンのシャフト交換する前に用意するもの

ショップでアイアンのシャフトを注文するときに、自分でシャフト交換をやってみたいと伝えると、交換の手順を教えてくれる場合があります。
ただし工房の場合には専門工具を使ってシャフト交換をするので、代用工具を使った交換方法は教えてくれないかもしれません。

そこで自宅にあるものや簡単に手に入るもので、シャフト交換する方法を紹介します。

まずアイアンをバラバラにすると、ヘッド、シャフト、グリップ、シャフトの先ついているカバー(ソケット)の4つに分かれます。
この内、シャフト交換で用意しなくてはいけないのが、シャフト、グリップ、ソケットの3つです。
つまりアイアンのヘッド以外は、すべて新しいものと交換します。

ちなみに軽量スチールシャフトのNS.PRO950GHで1500円から2000円、グリップ1000円前後、ソケット200円から300円程度です。
もしもロープライスのものがあれば、すべて合わせて1本2000円程度でシャフト交換に必要なものを用意することができます。
ソケットはネック外径より少し大きめを選択したほうが安心できます。

ただしグリップ装着には別途両面テープや溶剤などが必要なので、もう少し初期費用は掛かります。

自分でアイアンのシャフト交換をするときに必要な道具とは

アイアンのシャフト交換に必要なパーツ3点を揃え、同時に自分で交換作業をするための工具、器具などを用意します。

ハードルの高いものとしてはガスバーナーが必要です。
ヘッドとシャフトの接着部分を熱して、接着剤を溶かしてシャフトを抜くためのものです。
ショップの工房では変色を防ぐためにヒートガンを使用しますが、ガスバーナーのほうが安価に揃えることができます。
卓上コンロのガスボンベに装着できるタイプがあるので、ホームセンターやネットショップで入手します。
ちなみにネットショップですと、1000円以下で販売されているものもあります。

そしてソケットを切るためのカッターは自宅にあるもので十分、またシャフトの先がどこまで挿すことができるかの印のためのマスキングテープも代用テープでも十分です。
もしなければ100円ショップなどで入手しましょう。
シャフトカットはカーボンの場合は糸鋸でも良いですが、スチールの場合はショップで売られているシャフトカッターがあると便利です。

それから接着に関しては、シャフトの接着部分をこする荒目(80番くらい)の紙ヤスリが必要です。
また接着剤は速乾性でない2液混合タイプを使います。
瞬間接着剤は衝撃に弱いので不可です。

あとはグリップ装着に必要な両面テープと白ガソリン(ジッポライターオイル)、どちらも100円ショップで入手できます。

自分のアイアンをスムーズにシャフト交換をするコツとは

ここまでお話したところで、自分でシャフト交換をするのに必要なものはすべて揃いました。
あとはアイアンのシャフトを外して新しいシャフトを挿し、グリップを装着するだけです。

最初にヘッドのソケット部分をカッターで取り除きます。
柔らかい素材だとそのままでも切れますが、硬くて切れなければ湯煎してから切ってください。

次にガストーチでシャフトが入っているホーゼルを熱します。
1分間くらい熱すると接着材が溶けてヘッドが膨張するので、壁にフェース面を合わせてグリップを捻じるとホーゼルからシャフトが外れます。

ここで気をつけることは、熱したヘッドがかなり熱いことです。
壁面など接触部分に焦げ痕がつく心配があるので、コンクリート壁などを使うと良いでしょう
もしくはヘッドを濡れタオルで包むと、より安全です。

抜いたヘッドを少し放置し熱がとれたらホーゼルの内側を綺麗にして、白ガソリンを少量入れて余分な接着剤を溶かしてティッシュなどでふき取ります。

そしてシャフト装着をスムーズにするためのコツです。
抜いたシャフトには挿していた痕が残っています。
新しいシャフトにも挿した部分が分かるように、境界箇所にマスキングテープを貼っておきます。

自分でアイアンのシャフト交換をしてグリップをつけるまで

新しいシャフトの先(チップ)を紙ヤスリで擦って、接着剤が全面に絡むようにします。もちろんマスキングテープよりも先の部分です。

次に紙ヤスリでしっかり傷をつけたシャフトにソケットを差し込みます。
そしたら接着剤を混合して、アイアンのネック内部とシャフトの先の両方に塗ります。
速乾性だと塗りが雑になるので、固まりの遅い接着剤のほうが安心して作業ができます。
シャフトを立てて上からヘッドを挿し込み、もしもマスキングテープまで入っていなければ、しっかりねじ込みましょう。
もしもどうしても入らない場合は、一度抜き接着剤を綺麗に拭き取り、もう一度ネック内をくまなく確認してください。
底に固まったままの古い接着剤があると、最後まで入らないことがあります。

差し込んだ後、はみ出た接着剤はすぐに拭き取っておきましょう。
固まってしまったら、除去が大変です。

後は、接着剤が硬化するのを気長に待ちます。
接着剤の容器に書かれた時間以上置くようにしてください。

これで自分で行うシャフト交換は終了です。
硬化後もしもソケットが大きいようなら、カッターで削るかもしくは紙ヤスリで擦って、ホーゼルとの段差を無くすと見栄えも良くなります。
あとは新しいグリップを装着するだけです。

シャフト交換したアイアンの微調整にはタイムリミットがある

次の工程はシャフトカットです。
各番手、自分が振りやすい長さにするため、バラツキが出ないようにソケット基準に並べて、カットする長さに線を書きます。
そのラインに沿ってカットし、バリが出たらやすりで落とします。
アイアンは通常0.5インチ刻みで並びます。

次にシャフトカットしたエンド部分にグリップを並べて先端から2センチ程度余したところに印をつけて、そこから両面テープを巻きます。
らせん巻き・縦巻きを選択(併用でも可)して、両面テープをシャフトに巻きつけたら、グリップの中に白ガソリンを入れます。

グリップエンドに空気穴があるのでティを挿してふさぎ、グリップ内に1/3ほど注ぎます。
テープにもガソリンを垂らし湿らせられると入れやすいでしょう。

しっかりシェイクして、グリップの内の全面に白ガソリンを付着させ、液を戻してティを抜きます。
そしてガソリンが揮発する前に、すばやく両面テープの巻いてあるシャフトに差し込みます。
グリップには頂上部が分かるように、三角の印や文字が入っていますので、真上に来るようにセットしてください。

簡単に頭頂部を合わせる方法は敷居を使います。
敷居の溝にヘッドを置き、リーディングエッジ(刃)を溝に合わせて、ヘッドの先(トゥ)を壁に当てます。
敷居の溝とシャフトが一致していて、グリップの真上に印があればOKです。

シャフト交換と同じく接着時間が限られているので、一連の動作はスムーズに行うことが肝心です。

自分でシャフト交換する作業時間は、最初の1本目が1時間、あとは1本30分も掛からずにアイアンの抜き挿し・グリップ挿入ができるはずです。

シャフト交換で道具を揃えてアイアンは自分でメンテしよう!

アイアンのシャフト交換は、頻繁にするものではありません。

スイングスピードが変わったときなどで、しかもヘッドを使い続けたいときですから、かなり限定されるはずです。

一方でグリップは1年に1度交換したほうが良いとされていますから、自分で交換できるようにシャフト交換のタイミングで道具を集めておくと良いかもしれませんね。