ドライバーの飛ぶ要素にロフト角があります。
フェースが立っているほうが飛ぶような気はしますが、場合によってはロフト角の大きなほうが飛距離はアップすることがあります。
そこでドライバーをスプーンのロフトに変える飛距離アップ法を紹介します。
ドライバーの飛距離がロフト角で決まるのはホント?
ドライバーの飛距離を伸ばそうと思うのであれば、グリップやスイングの見直しは重要ですが、その前にクラブの適正を確認することです。
自分に合っていないクラブを使用して、スイングの見直しをしても良くなることはありません。
それどころか、もしかするとスイング全体が悪い方向に進むことだってありえます。
そこでまずは自分に合っているドライバーなのかをチェックしてみましょう。
チェックポイントはたくさんありますが、その中の1つ「ロフト」について確認していきます。
ロフトとはフェースの角度です。
ドライバーのフェースはターゲットに正対しているように見えますが、実際にはわずかですが上空を向いています。
そんなロフトは角度で表されるので、ロフト角として表示されます。
ロフト角の数値が少ないと「ロフトが立っている」、ロフト角の数値が大きいと「フェースが寝ている」ことになります。
ボールの初速と打ち出し角が合っていれば、飛距離は伸びることになります。
ドライバーのロフト角は飛距離を伸ばすために本当に重要?
ドライバーの飛距離にロフト角は重要だと言われています。
まずスプーンよりもドライバーのほうが飛ぶと思うのは、ロフト角が立っているからという考え方があります。
確かにスプーンよりもドライバーのほうが飛びますが、それはロフト角だけが原因ではありません。
例えばヘッドスピードの遅い人のドライバーは、適正なロフト角が13度から15度と言われていて、まさにスプーンと同じロフト角のものを使っています。
スプーンと同じロフト角なのにドライバーのほうが飛ぶわけですから、ロフト角以外の要素もあるということです。
一般的にはドライバーのほうがシャフトは長く、スイングによる円周の外側はスピードがアップします。
つまりヘッドスピードの速さが関係しているわけです。
またドライバーの場合には、ティーアップしたボールを打つとき、最下点をボールの手前に設定します。
弧を描いたヘッドが最下点から上がるとき、ボールを下から打つことになります。
一方でスプーンでティーショットする場合には、ティーを低くしてボールの側面をダイレクトに打ち込みます。
つまり同じロフト角でも打ち方が違うことで、飛距離に差が出ることがあるのです。
ドライバーのロフト角が大きいほうが飛距離UPに繋がる
ドライバーのスイングで重要なのは、ボールの手前で最下点を迎えていることを認識することです。
このアッパーブローが飛距離を生む大事なポイントなのですが、頭で分かっていても身体がレベルブローでインパクトしてしまうことも良くあることです。
フェアウェイでショットするときは、ボールの側面を打つレベルブローでOKですが、このときの実際のスイングは打ち込むダウンブローの状態です。
一方でティーアップしたときは、ボールの下部を打つアッパーブローなので、ボールの手前で最下点を迎えてスイングが上昇するときにインパクトします。
この状態を再確認した上で、ドライバーとスプーンを同じように打ってみると答えは出るでしょう。
飛距離はほぼ変わらず、方向性はスプーンのほうが安定していることが分かるはずです。
つまり、アマチュアゴルファーの多くはロフト角の大きいほうが、打ち出し角が大きくなり飛距離UPに繋がるということになります。
ドライバーの飛距離を稼ぐための相反するロフト角の作用とは
ドライバーの飛距離はロフト角だけではなく、スピン量やヘッドスピードも重要な要素となってきます。
バックスピンの回転数は少ないほうが飛びます。
ダウンブローでボールの側面を叩くと、サイドブローになり、ロフト角によってバックスピンが増します。
この場合にはスイングの最下点を修正し、ロフト角の少ないドライバーに変えることでスピン量を修正することができます。
つまり、最下点を意識したスイングができれば、ロフト角の少ないドライバーのほうが飛ぶことになります。
またヘッドスピードは、速度が遅くても飛距離アップしているプロはたくさんいます。
ボールをスイートスポットの真芯で捉え、ミート率を上げることで初速を上げて飛距離をアップすることができるからです。
最下点を移動するスイングは、慣れとコツが分かれば、そんなに時間をかけずに習得できますが、問題はミート率を上げて初速をアップするスイングです。
ミート率を上げるためには、スイングプレーンを固めて、ブレの少ないインパクトを心がけることが必要です。
ただこのミート率を上げる練習は、一朝一夕にできるものではないので、高弾道で落下時間を遅くする飛距離アップのほうが早く結果を得ることができるでしょう。
そのためには、ロフト角の大きなドライバーを使ったほうが、飛距離アップに繋がるということになります。
ドライバーのロフト角と打ち出し角が合っていれば飛距離UP
アマチュアゴルファーの場合には最下点のとり方が難しく、ロフト角の立っているドライバーよりも、ロフト角の大きなドライバーのほうが飛ぶ可能性は高いということはお分かりいただけましたか。
ではボールが飛び出す角度は、何度が適正なのでしょう。
ゴルフスイングを考えることなく物理的に計算すると、ボールは45度で飛び出すと飛距離はアップします。
この45度の打ち出し角は、ボールの回転数がない砲弾のような状態です。
しかしゴルフボールの場合には、インパクトと同時にバックスピンの回転数が上がるので、ボールは上昇してしまいますから45度では飛ばないのです。
実際には打ち出し角が15度くらいだと、飛球が伸びると言われています。
つまりダウンブローでボールの側面を打つスイングのときには、フェース角が15度以上のほうが飛ぶ可能性が高いわけです。
この15度とはスプーンのロフト角なのです。
スプーンでティーショットをしたら、「ストレートボールで飛距離も満足」というのは、シャフトが短いからだけではなさそうです。
スイングに対する適正なロフト角によって、インパクトが安定したことから、飛距離アップの大きな要因という考え方ができます。
ドライバーのロフト角を3度変えるだけで飛距離は5ヤードUP
ロフト角の立ったフェースで、強いインパクトを与えたら飛距離はアップすると考えられていましたが、実際には飛距離を伸ばすためにロフト角の大きなドライバーを使うというのは、ゴルフの常識とは真逆の感じがするかもしれません。
確かにヘッドスピードが速ければ、この説で間違いはありませんが、それにはプロ並みのスイングが必要です。
一般ゴルファーのヘッドスピード40m/sが、急に50m/sに達する可能性は少ないでしょうから、ドライバーのロフト角を信じて打ち出すほうが飛距離は伸びるはずです。
例えば10度のロフト角のドライバーを使っているとして、スイングがダウンブローであれば、ロフト角を13度に変えるだけで5ヤードは飛距離アップできるはずです。
1つのデータとしてヘッドスピード40m/sのとき、同じドライバーでロフト角を変えて飛距離を計測すると、9度で206ヤード、13度で213ヤードという結果があります。
それでも13度に不安があれば、ドライバーのロフト角を13度に変える前に、スプーンでティーショットの練習をして確認してみてはいかがでしょう。
ドライバーのロフト角を13度にしたらティーを低くして飛距離をUP
ドライバーのロフト角は、「立っているほうが飛ぶ」と考えられていましたが、実際にはスプーンと同じくらいのロフト角のほうが飛ぶことが多いようです。
ただしスイングプレーンの最下点がボールの手前にあり、アッパーブローが習慣化しているようであれば、現在のドライバーでも飛距離アップの可能性があります。
確認方法はティーアップを低くしてショットしてみて、ドロップボールになるようならアッパーブローになっているはずです。