国産クラブのライ角は身長180cmのプレイヤーに合わない!

最終更新日:2017/11/12

ゴルフクラブのライ角が合わないとナイススイングでも方向性の悪いショットになってしまいます。

身長180cmと160cmが同じライ角のクラブを使うとミート率が下がり、しかもスライスやフックの原因となるわけです。

そこでライ角不適合の原因と対策について紹介していきます。

身長160cmと180cmではライ角によってグリップの位置が異なる

ゴルフクラブには、いくつかの「角度」があります。
ライ角・ロフト角・フェース角・バンス角です。
その中でスイングに大きな影響を与える「ライ角」に注目します。

ライ角とはクラブヘッドを地面にソールしたとき、シャフトと地面の間にできる角度のことです。
ヘッドを固定してライ角が大きければシャフトは立った状態になり、ライ角が小さいとシャフトは寝た状態になります。

つまりクラブヘッドを正常な状態に置いてグリップを握ったとき、ライ角が大きいと上半身は起こした姿勢をとることになり、逆に小さいと前屈みの姿勢をとることになります。
ライ角の大小によってアドレスのときの姿勢が変わることから、スイングプレーンも変わりますし、インパクトのときのフェースにも影響を与えることになります。

一般的には、身長が160cmのゴルファーと、180cmのゴルファーが同じライ角のクラブを使うことはありません。
自分に適正なクラブを選択するとき、身長や腕の長さに合わせたグリップの位置にくる、ライ角の役割は重要になります。

身長180cmの適正ライ角はアドレスの基本姿勢で確認する

ライ角が大きいためにグリップ位置が高くなると、身体を起こすことになりますが、この姿勢を「アップライト」と言います。
逆にライ角が小さく、シャフトが寝た状態でグリップする姿勢を「フラット」と言います。
ライ角の大きなクラブを160cmの身長で構えるとアップライトすぎる、ライ角の小さなクラブを180cmの身長で構えるとフラットすぎるということです。

また同じクラブであっても、使う人の身長や腕の長さによって、アップライトになったりフラットの姿勢をとることになったりします。

実際にはクラブに合わせて構えることはありません。
アドレスで基本姿勢をとるとき、前傾姿勢は両腕を肩からダラリと下ろすことになります。
つまりグリップ位置は人それぞれ決まっているのです。

無理に体を起こしたり前かがみになったりすれば、当然スイングプレーンは崩れてしまいます。
アップライトであれば左肩の外転範囲が少なくなり、クラブはアウトサイドに引く可能性が高くなります。
対してフラットであれば、上半身が身体を支える両足(腰)よりも、前にせり出す不安定な姿勢になっています。
するとテークバックで上半身が右サイドに傾き、インパクトではダフリやトップになる可能性が高くなります。

つまり基本姿勢に合わせたライ角を選ぶことが、自分のスイングを崩さないことに繋がるわけです。

身長180cmでライ角を無視して構えるとヘッドが不安定になる

クラブのライ角が合わないと、グリップの位置が違うだけではありません。

仮に180cmの身長で、アドレスのときに基本姿勢で構えたとします。
まず前傾姿勢をとり、両腕を肩からダラリと下ろしたところでグリップを握ります。

本来であればこのときクラブヘッドのソールは、トゥ側に硬貨が1枚ほど入るのが理想です。
逆にライ角が合っていないとヘッドは落ち着きません。

ライ角の大きすぎるクラブを構えると、ヘッドのトゥ(ヘッドの先端)は理想以上に浮いた状態になります。
またライ角が小さいクラブを構えると、トゥが接地しヒール(シャフト側)が浮くことになります。

つまりグリップ位置は決まっているので、ライ角が合わなければクラブヘッドが不安定な状態でセットすることになってしまうのです。

そのままスイングをすると、インパクトでのフェースは前後が斜めに当たることになり、スイートスポットで捉える確率は低くなります。
また「スクエアなインパクト」で考えると、ダウンブローでシャフトを軸に不自然なフェースの向きになります。

結果的にソールに合わせたスイングをしようとしてグリップの角度が歪み、正しいインパクトをすることができなくなってしまいます。

身長180cmの5番アイアンを比較して適正なライ角を確認する

実際に身長180cmのプレイヤーに適正なライ角を考えてみましょう。

グリップの位置を基準にして、ライ角とシャフトの長さの関係を確認します。
身長180cmで5番アイアンが37.5インチであれば、適正なライ角は62.6度と言われています。
同じ条件でユーティリティが39.5インチのときのライ角は60.0度に変わります。
つまりシャフトの長さ2インチに対してライ角は2.6度の差ができたわけです。

もちろん腕の長さの違いでグリップ位置は変わりますが、平均的な体型であれば2.6度の差は大きなものです。
180cmのプレイヤーであっても、シャフトの長さが違えばライ角は変わることになります。
つまり同じ身長であっても、クラブの長さによって適正なライ角は変わるわけです。

ライ角の歪みはソールの歪みになり、結果的にフェース向きが変わることから打ち出し角も変わってしまいます。

もし自分にとっての適正なグリップ位置でライ角が合わなければ、ライ角調整をして合わせるか、シャフトの長さ調整をして合わせるかの選択肢を取らなければなりません。

身長180cmに合わせたライ角調整は専用工房で

基本的に市販されているクラブのライ角と、自分の体型がピッタリ合っていることはありません。
ライ角のズレが大きければ、ライ角調整が必要になります。

180cmと平均より高い身長であれば、アドレスのときのグリップの位置は160cmの人よりも高くなります。
つまりアドレス時の必要ライ角は大きくなります。

そのまま調整せずに使うと、ヘッドはトゥ側が接地しヒール側は浮くことになります。
インパクトで先にトゥが地面に入るため抵抗が加わり、クラブフェースは開きスライスの原因となります。
また方向性だけではなく、余分な抵抗を受けたことでパワーロスにもなって、距離感にも影響を及ぼすことになります。

ライ角の調整は自分でもできないことはありませんが、かなり高度な知識が必要なので、カスタマイズできる工房に持ち込んだほうがよいでしょう。

何度もライ角を曲げると亀裂が入り、クラブ自体が使い物にならなくなってしまいます。ところがアイアンの材質は、一度曲げてもわずかに戻る性質があるため、戻りを予測してライ角をコンマ単位で調整しなければいけません。

それには、ライ角調整のための専用器具のある工房が間違いありません。

身長180cmであれば海外モデルはライ角調整の必要なし

規定のアイアンのライ角がなぜ合わないのでしょうか?

日本人の平均身長を見ると180cmは高身長です。
いわゆる規格外になっているため、ライ角が合わないのです。

ただし、外国人仕様のクラブであれば、180cmは基準になっている場合があります。
いわゆるUS仕様のクラブの多くは、身長180cmを基準にしているのでライ角調整は必要なくなります。
ただ日本製ほど厳密にライ角をセットしていないこともあるので、実際に品物を見て確認してみると良いでしょう。

またゴルフクラブを扱うショップでは、新しいモデルを購入したときには「ライ角調整無料」になっていることが多いので、購入時に確認してみると良いかもしれませんね。

いずれにしても、「真っ直ぐ飛ばない」「スイートスポットに当たらない」ときには、ライ角の確認が必要です。
特にシャンクやフェースの先端にボールが当たる場合には、スイング改造よりも前にライ角を調整したいものです。

ちなみにアイアンのライ角は番手1つで0.5度変わることになっているので、すべてのクラブを確認することをオススメします。

身長180cmで国産モデルを使うならライ角調整しよう!

身長180cmのプレイヤーの中で、上手くボールを捉えることができないと悩んでいるとしたら、それは国産モデルをそのまま使っているからかもしれません。

ショップでライ角調整してもらうだけで「あれ?」と思うくらい改善して、悩みが解消することができるはずです。