【ゴルフクラブの名器】フォーティーンMT-28V2ウェッジ

最終更新日:2017/09/23

フォーティーンMT-28の2代目として発売されたMT-28V2ウェッジ。
MT-28の初代も名器として人気がありましたが、その2代目となると期待度も高くなるのは当然です。

なんと言っても最大の魅力はボールが傷だらけになるほどのスピンの掛かり方です。
現在の溝規制には適合していないフォーティーンの代名詞とも言えた「MT-28」「MT-28V2」の魅力を伝えます。

中古で探して購入し、溝を掘り直してでも使いたくなるかもしれません。

フォーティーンMT-28とは

かれこれ15年前に一世風靡したフォーティーンMT-28初代モデルのスペックは、
ロフト:53度、58度、60度
長さ:35.25~35.0インチ
バランス:D2~D3
総重量:465g~470g
です。

素材はニッケルクロムモリブデン鋼で、ノーメッキのサテン仕上げでした。
シャフトはウェッジでは大事な重量感のあるダイナミックゴールドのS-400です。

このウェッジが作られたのは、原口鉄也プロが「使いやすいウェッジを」と作ったのが始まりです。
その後ツアープロでの使用率が1位になるほど大人気になりました。

『ツアープロ使用率が上がる=アマチュアゴルファーの使用率が上がる』
ですから、一時品薄状態になるほどでした。

ツアープロでの使用率が上がった要因は、使いやすさや構えやすさはもちろんですが、1本ずつウォールの削りや重量などフルオーダーのツアーサービス体制もあったので、自分にピタリとあった1本になっていたことも影響しています。

グリップはフォーティーンのロゴ入りのパーフェクトプロタイプです。
そしてこのウェッジは、日本の芝に合う日本人のためのウェッジとも言われていました。
その2代目となるMT-28V2は果たしてどのような進化を遂げたのでしょうか。

2代目フォーティーンMT-28V2とは

初代の評価を受けて満を持して発売された2代目フォーティーンMT-28V2には、メッキ仕様とノーメッキ仕様がありました。
初代と比較すると若干小ぶりになった印象を受けます。
またトゥ側も丸くなり、見栄えも良く、更に構えやすくなっています。

グリップはフォーティーンの全クラブに採用されているオリジナルラバーグリップです。握った感じが若干硬めです。

シャフトは初代がダイナミックゴールドS400でしたが、ローバンスモデルから硬さ表示がなくなりウェッジフレックスとだけ表示されるようになりました。

MT-28V2は初代と比べ振った時にシャフトが動いてくれます。
ヘッドが小ぶりになった影響か、シャフトが気持ちよくしなり、ヘッドの抜けも良くなりました。
ボールの上がりも若干良くなり、操作性も高くなっているので、ボールの高低が調節しやすいです。

スピン性能は、初代が掛かりすぎな印象を受けましたが、V2ではどちらかと言うと安定したスピン量になったと言って良いでしょう。

MT-28V2の試打した評価

フォーティーンMT-28V2を実際に試打した人の評価を見てみましょう。

試打クラブのスペックは、ロフト56度、シャフトNS950スチール、硬さS、長さ35.25インチ、バランスD2、重量469gです。

トゥ側が少し間丸くなっているので、構えやすく初代モデルよりも好印象です。

ローバウンスと比べると若干抜け感が劣り、トレーリングエッジに抵抗を感じます。

スピンに関しては、さすがMT-28シリーズです。
スピンが掛かりすぎるくらいに掛かります。
このスピン威力に勝てるウェッジは他にないと言っても良いくらいです。
ですからウェッジで転がしメインの人には絶対に向いていないウェッジでしょう。

シャフトがスチールで重量感があるので、非力な方が使うのはちょっと難しいかもしれません。

しかし日本女子シニアで優勝をした方は、シャフトを軽いカーボンにリシャフトして使っているようです。
このように自分使用に変えて使っても良いでしょう。

MT-28V2は新溝規制に適合してる?

2010年1月1日より、ラフからのプレーをよりプレーヤーの能力が試されるものにすることによって、正確性の恩恵を高めることを目的とする用具規則の改正が行われました。

それはクラブフェースの溝に関する規制(新溝規制)です。

溝の体積と溝の縁の鋭さを制限することで、フェアウェイからのショットとラフからのショットのスピンの差を著しくするのが目的でした。
この溝の体積を制限する規則はドライバーとパターを除いた全てのクラブに適用されます。

アマチュアゴルファーの場合は2009年までに発売されたモデルで、旧ルール仕様のクラブを2024年までは使用することができます。

そのルール改正に合わせて、フォーティーンでは2010年以降に発売したモデルがすべて新ルール適合となりました。
故に、2005年発売のMT-28V2は新溝規制に適合していないと言うことになります。

プライベートなゴルフを楽しむだけの方なら問題はありませんが、ゴルフ競技等に参加される方は気をつけてください。
フォーティーンのMT-28シリーズで適合しているのは、2010年に発売したMT-28V5とJスペックの2種類のみです。

フォーティーンの新溝規制適合ウェッジ

初代MT-28からV2、V3…V5、Jスペックまで出た人気のMT-28シリーズですが、スコアラインの溝の形状や断面積などを規制した新溝規制に対応するため好評だったMT-28を改良していくのを止めました。

そしてゼロからウェッジを見直す気持ちも込め、新たなウェッジモデルとして「RM」シリーズを発売しました。
ネーミングの由来は、フォーティーン独自のバックフェース上部に厚みを持たせたブレード形状である「リバースマッスル」設計の頭文字と、スピン数を測定する時に使われる回転数の単位「R・P・M」にあります。

つまり高スピン性能ウェッジとしての高い総合力への自信から付けたネーミングになっているのです。

新溝規制ができてからも高スピン性能にこだわるところが、さすがフォーティーンですよね。

またフォーティーンがこだわっているのは、強烈なバックスピンを掛けるだけのスピン性能ではなく、シチュエーションに応じたショットを打てるように安定したスピンをかけられることです。
これらを両立した優れたスピン性能を実現しているのが新シリーズの”RM”です。

多くのツアープロが愛用するRM-22JSPEC

MT-28V2も新溝規制が採用されるまでは、多くのツアープロが愛用するウェッジとして人気を誇っていました。

現在は新溝規制の中で最高の結果を導き出す最新ウェッジ「RM-22JSPEC」が多くのツアープロに愛用されるようになっています。

この大きな特徴はグースネック仕様であることです。
グースネックとは、ガチョウの首のように湾曲したものを言います。
ストレートに慣れているゴルファーには、最初違和感があるかもしれませんが、慣れてくるとグースネックでないものに違和感を覚えるようになります。

グースネックは構えた時にシャフトの延長線上よりも後ろにフェースがきます。
そうなることでボールの掴まりが良くなるのです。

繊細なタッチを要求されるウェッジにボールの掴まりはかなり重要なポイントです。

ただメリットばかりではありません。
デメリットは、フェースが開きにくくなることで、操作性が落ちてしまうことです。

それでもRM-22JSPECは、ヘッド形状やグース度合いがギリギリのところで設計されていて、フェースを開いて使うのにもギリギリセーフな度合いになっています。
ですからターゲットにストレートに打ちたい人にはもってこいのウェッジです。

ルール不適合のクラブを使ったら

ゴルフの規制はちょくちょく変わります。

そういったことに敏感な人であればすぐに反応できるでしょうが、あまり気にしない人は変わったことを知らないまま何年も経つことだってあります。

もちろんアマチュアゴルファーがルール不適合のクラブを使ったとしてもペナルティを科せられたり、ゴルフ場出入り禁止!とかになるわけではありません。

現在公式ゴルフ競技に出る場合も、大会のレベルにもよりますが、特にクラブのチェック等が厳しくあるわけではないようですが、あまりにもスピンが利きすぎて同伴競技者から指摘されたら競技中止になる可能性があるので気をつけましょう。