ゴルフ規則にあるワンペナとツーペナを分ける重大な違反とは

最終更新日:2017/08/30

ゴルフのルールはかなり難しいものです。

そもそも審判がいない競技なのでルールが複雑になっています。
特にプレーの反則に対してワンペナとかツーペナとか、さらには競技失格なんてこともあり余計に複雑になっています。

そこでワンペナを基準にゴルフ規則について確認していきます。

ゴルフのルールであるワンペナとツーペナの違いとは?

プライベートゴルフのルールで、「ワンペナ」という言葉をよく使うと思いますが、これが正式名称ではないことはご存じだと思います。

「ワン=1」「ペナ=ペナルティ」ということで、1打のペナルティがワンペナですから、2打のペナルティはツーペナということになります。
ちなみにルールの正式名称は、規則に書かれている「罰打」です。
ちょっと紛らわしいですが、「1打罰」ではなく「1罰打」です。

2罰打は「ツーペナ」と言うと思いますが、ワンペナとツーペナの違いはご存じでしょうか。

ワンペナの基本的な考え方は「救済」です。
池に落ちたときやボールを紛失したときなど、「あるがままの状態」でプレーすることができないときにワンペナをつけて救済を受けます。

ただし規則に違反したときにもワンペナを科せられるので、すべてが救済というわけではありません。
1罰打の中には、バンカーでクラブソールを砂につけてしまったときなどのペナルティもあります。
違反ではありますが「重大な違反」というほどではないものはワンペナ、重大な違反はツーペナとなります。

重大な違反とは、我々が普段行うストロークプレーが2罰打のとき、マッチプレーでは「そのホール負け」となるほどの重大な違反にあたるものです。

ゴルフボールが池に!ティーショットのワンペナは何打目?

ワンペナの事例として「ウォーターハザード」について確認してみましょう。

これはいわゆる池にボールが入った時の処置ですが、原則は入ったところを見て(確認)いなければいけません。
もしも「かもしれない」程度であれば、紛失球の扱いになります。
紛失球の措置は、1罰打(ワンペナ)で元の位置から打ち直します。

ちなみに「推認」という処置が認められていて、周囲にロストボールするような箇所はなく、その辺りにボールがなければ、誰もが池に入ったであろうと考えるような場合は池に入ったことにできます。

ただし池に入ったとした場合には境界線を横切った箇所、つまり侵入口から処置ができないので、紛失球と同じく打ち戻るしか選択肢はなく、結果的には紛失球と同じ処置になります。

そんな池にはウォーターハザードとラテラルウォーターハザードがあります。
ウォーターハザードは黄色の杭、もしくは黄線で境界を示しています。
処置は侵入口とピンを結んだ後方線上、もしくは元の場所から打つことができます。

一方でラテラルウォーターハザードは赤色の杭、もしくは赤線で境界を示しています。
処置は侵入口からピンに近寄らず2クラブレングス以内にドロップするか、侵入口とピンを結んだ後方線上、もしくは打ち戻りの3つの中から選ぶことができます。

ワンペナで気をつけることはスコアのカウントの仕方です。
池に入って打ち戻ったとき、そのボールは3打目ということを初心者ゴルファーの方は覚えておきましょう。

ワンペナで脱出!アンプレアブルは宣言することが大切

もうひとつワンペナの事例としてアンプレアブルについて確認してみましょう。
現にあるボールがどうしても打てないとき、別の場所にドロップできる救済法です。

このアンプレアブルは「宣言」することが大切です。
無言でボールをつかみ別な場所にドロップした場合は、マークをしなかったことでワンペナです。

例えマークしていても球を動かした罰としてワンペナです。
しかも、そのまま打ってプレーを続けると誤所からのプレーとしてツーペナ(2罰打)となります。

基本的に打てない場所にボールがあるとき、ワンペナを科して違う場所にドロップすることができます。
処置は3つ、1つ目は打ち戻ります。
元の位置(元の位置と思われる場所)から、最初の1打+ワンペナの1打+打ち直しの1打で同じ場所から3打目として打つことになります。

2つ目はピンとボールを結んだ後方線上です。
後方であればいくら離れても問題ないので、例えば隣のホールのフェアウェイでも一応はOKです。
今年の全米プロゴルフ選手権の最終日、ジョーダン・スピース選手の処置がいい例です。
3つ目はピンに近づかず2クラブレングスです。
簡単に言うと横に出すわけですが、現に使用するクラブの2クラブ以内となっていますが、ドライバーで打とうと思って2クラブを計り、あとからピッチングウェッジで打っても問題はありません。

またバンカー内のアンプレアブルは、同一バンカー内にドロップすることを覚えておくといいでしょう。

ゴルフ規則で「不可分」とされるOB杭を抜いた時はワンペナ?

3つ目のワンペナの事例「アウトオブ・バウンズ」について確認してみましょう。

いわゆるOBです。
一般的にはOBはツーペナでカウントしますが、実際の罰打は1打です。
最初のショットで1打+罰打で1打=2打となるので、数えやすいようにツーペナとしているようですが、ゴルフルールとしてはワンペナと覚えておくといいでしょう。

OBの杭はコースに不可分とされていて、例えスイングに支障があっても抜くことはできません。
もちろん区域外(OB)であれば打ち直すことになりますが、区域内(セーフ)で杭のそばにあるときは、アンプレアブルで救済を受けることになると思います。
もしもOB杭を抜いたら重大な違反としてツーペナとなります。

「OBかもしれない」場合は、打ち戻る時間を短縮するために2個目のボールを打ちます。
弾着点近くにいってOBが確認されれば、その2個目のボールを「正球」としてプレーします。
最初の球がティーショットであれば、ティーショット1打+OBの罰打1打+2個目のボール1打なので、次のショットは4打目ということになります。
もしも最初の球がOBでなかったら、2個目のボールは無罰で拾い上げて、最初の球でプレーを続行します。

ちなみに2個目のボールを打つときには「暫定球宣言」が必要です。
打ち直すときに暫定球宣言しないと、2個目のボールが正球となってしまいます。
また暫定球のときは最初のボールとの違いを明確にするため、ボール番号を宣言するか、もしくは油性ペンで印をつけて、それをマーカーに分かるように宣言することが大切です。

ゴルフ規則が複雑!バンカーにはワンペナとツーペナがある

4つ目のワンペナの事例「バンカー」について確認してみましょう。

そもそも砂が入っている窪みを「バンカー」といいますが、ルール上は「ハザード」です。
原則としては池の同じようなルールが適用されることを知っておきましょう。

構えるとき、池と同じようにゴルフクラブのヘッドをソールしてはいけません。
池から伸びている草や木にはヘッドが触れてもいけないのと同じように、バンカーもクラブで砂に触れるような行為はワンペナになります。

ここで大事なことは1回のスイングで脱出できればよいのですが、アゴが高いバンカーの場合には跳ね返って戻ってくることがあります。
その動いているボールを止めるとワンペナです。
ちなみに止めたボールが足元にあり、足を動かすとボールが足跡に入った場合にはリプレース(止まっていた場所に戻す)しなければいけません。

転がったことに対するペナルティは追加されませんが、そのままリプレースせずに次のショットを打つと重大な違反としてツーペナになります。

ゴルフで大事なことはワンペナよりも重大な違反をしないこと

最後のワンペナは「怪しい事例」について確認してみましょう。

ワンペナは「救済」だと覚えると分かりやすいと思いますが、バンカーのソールなどペナルティの要素もあります。

そこで重大な違反というのがキーワードになりますが、ゴルフの規則では重大な違反には2種類あって、1つは2罰打ですが、もう1つは競技失格です。

そこで競技失格について確認してみましょう。
それはスタート時間に現れない、規則を守らず指示にも従わない、スコアを提出しない、スコアを少なく申告するといったように、ゴルフのルールというよりも「人としてどうなんだ」というレベルだと競技失格になります。

ただこれ以外にも、プレーの遅延やグリーンマークを拒否といったプレーそのものの行為や、誤所からのプレーを訂正していないといったうっかりミスのようなものもあるので注意が必要です。

ゴルファーとしてはマナーやエチケットについて疑いをもたれるような行為は慎むべきで、単なるペナルティや競技失格といった裁定以上に、個人としての信用を貶めることになってしまいます。

原点となる「紳士淑女のスポーツ」を呼び起こして、尊敬されるプレイヤーを目指せば、おのずと重大な違反をすることはなくなると思います。

ゴルフ規則はその場で調べることが大事

昔は「ゴルフ規則をキャディバックに入れておくように」と言われてものですが、今はスマホがあるので、敢えて本を持たなくても規則を確認することはできます。

ただ大事なことは、そのとき「調べる」ことです。
確認することで徐々に知識が付き、やがてルール通りにプレーができるはずです。
裏を返すと大半のゴルファーはルール通りにプレーしていないということになるのかもしれませんね。