トゥルーテンパーのs300とx100の違いは硬さだけではない!

最終更新日:2017/08/07

ダイナイックゴールドs300とx100シャフト、どちらも一般的なシャフトですね。
ハードヒッターならx100、腕に自信があるがそれ程スイングスピードは速くないゴルファーならs300がオススメです。

どちらもシャフトの先端が硬く、中心付近を柔らかく仕上げてある為、ボールを打った時に独特の粘りが感じられるシャフトです。

それぞれのシャフトの違いについては、実際振ってみれば一目瞭然なのですが、その違いについて数値的な観点からも見てみる事にしましょう。

s300とx100の違いを振動数から見てみる

シャフトの硬さを表すsやxですが、メーカーによって数値が統一されている訳では無い為、硬さの目安となる振動数からs300とx100の違いを見てみましょう。

ちなみに振動数とはシャフトの手元側を固定して、先端側にヘッド重量相当の重りをつけシャフトを弾き、1分間にどれだけ振れたのかを表す数字です。
シャフトが硬ければ細かく多く振れる為、数字が大きい方がシャフトが硬いと言えます。
ダイナミックゴールドというシャフトを参考にすると、それぞれ7番アイアンで見た時、s300は331cpm、x100で345cpmとなっていますので、数値から見てもx100の方が硬いシャフトだという事が分かります。
※cpm(cycles per minute)

一般的にシャフトの硬さを見る際、sやxという表示だけで判断する事がほとんどだと思いますが、メーカーが開示しているシャフトのスペックで振動数を判断材料にする方がより客観的と言えます。
単にxだから硬い、sだから柔らかめという事は言えないのです。

異なるメーカー間のシャフトだと、振動数を見るとxとsの数字が近い物も結構あるのです。

s300とx100のシャフト重量に違いはない

シャフトの特性として硬さの目安になる振動数の他重量も大きな意味合いを持ちます。

ただ、ダイナミックゴールドシャフトで比較した場合、s300とx100の重量差は無い事が仕様表示から分かります。
とすると、s300とx100シャフトの違いは純粋にシャフトの硬さだけと言う事ができます。
シャフトの硬さの他、重量が違うと振った時に感じる感覚が重量が重い方が幾分硬く感じる様です。
しかし、s300とx100に重量の違いはなく、振動数からx100シャフトの方が硬く感じ、その分強く振れるシャフトであるでしょう。
もちろんs300シャフトの仕様もしっかりしたものであり、強く振ってもヘッドが暴れる様な事は少ないと思います。

ただし、パワーヒッターについては、ドライバーのヘッドスピードが50m/sを超える様なスピードで振れるなら、s300は物足りなく感じるでしょうし、強く振るとヘッドが暴れる可能性がでてきます。

ちなみに振った時にヘッドが暴れるとは、シャフトのしなりが大きくなり過ぎて、しなり戻りの幅とタイミングをつかむのが難しくなり、結果ボールがどこへ飛んでいくのか分からない状態の事を差します。
普通のゴルファーでもレディースシャフトの様に柔らかいシャフトのクラブを思いっきり振ってみるとこの感覚が分かるでしょう。

x100は市販品で一番硬いシャフトだがs300装着のクラブはあまり見かけない

普通、一般的なゴルフ量販店でクラブを見た時、x100が装着されたクラブは見かける事があると思いますが、s300が装着されたクラブを見る事はあまり無いのではないでしょうか。

ご存じの通り、x100は市販品クラブで一番硬いとされているシャフトですね。
ヘッドスピードが50m/s位のゴルファーなら、特にカスタマイズせず市販品を使う場合、このシャフトの物を選択されると思います。

ただ、それよりも柔らかいスチールシャフトを選ぶ場合、s300というのはあまり見かけません。
sの硬さのシャフトだとs200という物が最も一般的です。
ですのでダイナミックゴールド装着のクラブでsを選択する場合はほとんどがこのs200になると思われます。

たまにメーカーサイドからs300設定のクラブが出される事がありますが、ほとんどと言って良いほど設定されません。

しかし、s200とs300を比較した場合、その差の違いに気づく様なゴルファーは少ないと思われるので、どちらのシャフトでも機能的には変わらないと言えます。

s300シャフトが振れるならx100シャフトも振れる可能性が高い

ヘッドスピードから見た場合、s300シャフトが40m/sから48m/s、x100が48m/s以上でシャフトの特性を生かしたボールが打てると思われます。

しかし、s300が打ちこなせるならx100も打てるでしょう。
スイングはヘッドスピードの他、その人のタイミングも関係してくる為、x100程ではないヘッドスピードであっても使いこなせる可能性は十分にあります。

ただし、飛距離は幾分落ちるかもしれません。
逆にx100シャフトユーザーがs300シャフトに替えると、今のスイングよりもゆっくり振る事ができる様になると思います。

これは、x100の様に硬いシャフトの場合強く速く振って飛ばす為、そのままのタイミングでs300シャフトに替えると柔らかくなった分方向性が定まらなくなる為です。

s300とx100の違いは振動数ですが、柔から硬は飛距離が落ちる、硬から柔は飛距離は上がるが方向性が定まらなくなるというシャフトの持つ特性があるからです。

もしかしたら、s300で十分と思っているゴルファーの中にはx100の方が合っている可能性がある方がいるかもしれません。

スイングタイプから見たs300とx100の感覚の違い

スイングタイプを大きく2つに分けてみた時、s300とx100ではどの様な違いがあるのか見てみましょう。

まず、手元を走らせないスイングタイプの場合、こちらは体幹を使って振るイメージが強く、小手先をあまり使わないスイングタイプと言えます。
そのためこのスイングには遊びの少ないx100の方がオススメです。
理由は手元を走らせてボールを飛ばすタイプではない為、シャフトのしなり戻りによる加速の力を使わないからです。
こちらは、スイング中インパクトのタイミングも取りやすいスイングと言えます。

次にインパクトゾーンで手元をビュンと走らせるタイプのスイングであればs300がオススメになります。
こちらはインパクトゾーンで手の返りを利用してヘッドを走らせる為、x100に比べて遊びのあるs300の方がシャフトのしなりの力を使いやすいと言えるからです。
前のスイングに比べて手元の運動量が大きい為、シャフトがしなりやすく、しなり戻りの力をスピードに生かす事ができるスイングです。

実際両方のシャフトを振ってみてどちらが振りやすいか感触を見てみましょう。

s300とx100の違いイコール腕前の違いではない

一般的にx100の硬いシャフトを振れるゴルファーの方が上手いと思われがちですが、決してそんな事はありません。
s300でも十分上手いゴルファーも沢山いますし、極論するとカーボンシャフトを使うゴルファーでも上手い人は普通にいます。

ただ、x100シャフトは硬いというだけでなく、シャフト先端の硬さと中心の硬さの差が大きい為、ボールを打った時の打感が凄く良いのです。
ボールを包み込むようなイメージで打てて、球離れと言われるインパクト時のフェースとボールの接する時間が長く感じられる為、現在でも多くのツアープレーヤーが使うシャフトとなっています。

現在のs300やx100スチールシャフトが登場して40年近く経ちますが、未だに多くのトッププロが使用するシャフトという事を見ると、このシャフトがいかに感覚的に優れたものなのかが分かるはずです。

スチールシャフトは日本オリジナルの物も発売されていますが、プロに限って見るとアメリカ製のダイナミックゴールドシャフトの方が利用者が多いのです。

s300とx100に違いはありますが、ボールを包み込むように打てる事は両方のシャフトに共通した事です。

s300とx100は両方とも結構ハードな仕様ではある

スチールシャフトであるs300とx100はどちらも基本的にハードな仕様です。

シャフト重量は変わりませんが、かなりの重量があります。
しかし、重さがある分手でスイングする事が難しいと言えるので、自然と体の大きな筋肉を使ってスイングするボディーターンを身につけやすいというメリットもあります。

s300かx100どちらが良いという事は個人差があるので、実際に打ってみて感触を確かめてみてください。