ショートホールの1打目でカップイン!
ゴルファーであれば、誰しも一度は夢見るホールインワン。
一度で良いからスコアカードに「1」と書き込みたいですよね。
しかし夢であるホールインワンも手放しでは喜べないのです。
今回は、独特な文化を持つ日本のホールインワン事情について考えましょう。
ゴルファーの夢、ホールインワン
ホールインワンとは、ゴルフ競技において1打目でカップインすることです。
「エース」とも呼ばれますよね。
主にパー3のホールで達成されることが多いです。
パー4でのホールインワンはアルバトロス、パー5でのホールインワンはコンドルと言い、ホール形態や風向き、選手の打力、運など特殊な条件が重なった時にまれに出ます。
運よくカップにボールが入っても、カップ内で静止せずに跳ねてカップから飛び出してしまった場合は、ホールインワンとはなりません。
またカップにボールが入っていても、カップとピンの間にボールが挟まっていて、カップの縁よりもボールの上面が上にある状態だと、正規のカップインとして認められません。そのため一度ピンを抜いてボールをカップの中に落とす必要があるのですが、ピンを抜いた時にボールがカップから飛び出してしまったら、カップインが認められないので、ホールインワンも無効となります。
ですから、かなり集中してピンを抜くように気をつけなければなりません。
ゴルファーが素直に喜べないホールインワン
アマチュアゴルファーにとって、ホールインワンの出る確率は、数万分の一と言われています。
何十年ゴルフをやっていても、なかなか達成できることではありません。
しかし、夢にまで見るホールインワンを素直に喜べない事情があります。
それは、日本独特の”お祝い”の文化(習慣)です。
ホールインワンを達成したゴルファー本人が、同伴競技者や仲間、ホールインワンをしたのがコンペであった場合は、そのコンペ参加者に対してお祝いを振る舞うというのが、長年の習わしだからです。
祝賀パーティーを開催したり、記念品を作ったり、コースに記念植樹をしたりなど、イベントを企画する必要があるのです。
ゴルフ場のショートホール付近に、「○○年○月□□ □□ホールインワン達成記念」と札の付いた木や立札を見たことありませんか?
もちろん中には木ではなく、ゴルフ場の備品などを記念品をして送ったりする人もいます。
またキャディへのご祝儀もあります。
その額は何十万円になってしまうケースもあるのです。
ホールインワンの喜びと同時にお財布事情を考えて青くなってしまいますよね。
なぜホールインワンのお祝いをするの?
実は、ホールインワンを達成した時に、達成したゴルファー本人自ら祝賀会をしたり、記念品を配ったりする慣習は、他の国ではないのです。
ホールインワン話を肴に祝杯を挙げる程度なようです。
世界で見ても日本ほどホールインワンに対して「特別な出来事・生涯に一度の奇跡」と言った大掛かりなイメージを持つ国はないのです。
それは一体何故なのでしょう。
昔、日本人が持つゴルフのイメージは、金持ちの道楽でした。
ですから太っ腹なゴルファー達には、ホールインワンという嬉しい出来事に気分を良くして大盤振る舞いしていたのでしょう。
そして一説になりますが、滅多に起きないような事態が発生したことで、それ以上の不測の事態が発生しないようにとの願いを込めた、厄除け的考えがあったとも言われています。
ホールインワンに対して特別な意識を持っているからこそ、「何かをしなければ」という思いに駆られるのです。
自分のプレーに対して自分でお祝いをするというのは、冷静に考えるとちょっぴり恥ずかしいような気もしますが、日本のゴルフ文化としては、それが当然の計らいだったのです。
ホールインワンの救世主はゴルフ保険
喜ばしいホールインワンの後に出費で青ざめるゴルファーたちの強い見方が登場しました。
それが「ホールインワン保険」です。
ホールインワンが証明できる第三者の証言(キャディさんや前後の組の人等)があれば、ホールインワンにかかる費用が補償されるというものです。
これはホールインワン単独の保険というより、「ゴルファー保険」というゴルフ場内の様々な不測の事態に対処する保険の一項目になっています。
契約内容は保険会社によって多少異なりますが、その保険料は年間数千円から高くても一万円程度のものがほとんどなので、頻繁にゴルフをプレーするのなら、加入しておくべきでしょう。
特にホールインワンだけを意識することなくゴルファー保険に加入しておけば、いざホールインワンを達成した時に役立つという保険です。
実際、ゴルファー保険の中で最も使われるのは、ホールインワンではなくクラブの破損の補償です。
練習やラウンド中にクラブが折れたり破損してしまったりした場合に、その修理費用を負担してくれるものです。
ゴルファー失格!ホールインワン詐欺!
昔はゴルフと言えば、キャディ付きがメインでした。
しかし最近はセルフプレーが主流となり、キャディが帯同しないゴルファーが増えています。
ですから、ホールインワンの証明は以前に比べて非常に難しくなったのです。
そうしたセルフプレーの場合の補償の条件として、コース管理スタッフの目撃や、仲間ではないゴルフプレーヤーの証言があれば認められますが、なかなかクリアできる条件ではありません。
と言うのも残念なことなのですが、条件を緩めてしまうと「ホールインワン詐欺」を働く不届きゴルファーがいるからです。
しかしそういったゴルファーの風上にも置けない人たちのせいで、本当にホールインワンしても証明が出来ず、保険を巡ってトラブルが起こるケースも発生しているのも事実です。
せっかくのご祝儀保険ではありますが、ゴルフ場の現状と相違が生じてきているのが悲しい気持ちにさせます。
初心者ゴルファーや月一ゴルファーは、ゴルファー保険に加入していないことが多いですが、当然そう言った方はホールインワンを達成しても補償は受けられません。
でもプレーする当日に限定した1日ゴルフ保険と言うのもあるので、ホールインワンだけでなく、破損や負傷の心配も含めて、入っておくほうが安心でしょう。
ホールインワンの記念品について
ホールインワンの出る確率は、数万分の一と言われていますが、絶対に起きないとは限りません。
ゴルフを始めて数か月で達成!なんてこともあり得ます。
そんな万が一ホールインワンをしたときのために、代表的なホールインワン記念の贈呈品を知っておきましょう。
昔からプレーヤーの名前、達成年月日、ゴルフ場名を印刷したボールやタオル、グリーンフォークなどゴルフで使用できるものが多いですね。
でも最近は、プレーヤーの名前が書いてある商品を使いづらいと言う理由で抵抗がある人が増えてきたので、お菓子やお酒などの消耗品やプリペイドカードなどの実用品にしている人が増えつつあります。
せっかくホールインワンをしたのに気を遣ってばかりなのは、ちょっと大変ですが、”ホールインワンをみんなで一緒に喜ぶ”と思って、それをも楽しむようにしましょう。
先ほど説明したように最近はホールインワンを証明する条件が厳しくなったことや、ゴルフ保険に加入していない人が増えていることもあって、ゴルファーの負担になるようなお祝いは、少しずつ規模が縮小されつつあります。
逆に最近増えているのが、ホールインワンを達成した際に、プレーヤー本人が記念に、名前や達成年月日、ゴルフ場名が刻印されたプレートやボールスタンドを作成することです。
自分のための物だったら、気前よく作りたいものですね。
みんなで一緒に喜ぶことが大事
日本独特の文化であるホールインワンのお祝いごと。
中には当然のようにお祝いに持っていく人もいますが、それは絶対にしないようにしましょう。
コンペ等でホールインワンした際は、贈呈品の数を増えます。
そんな時は、コンペに参加した人たちでお金を集めて、お祝いとお返しを兼ねて、何かプレゼントをすると良いでしょう。
そういった気遣いが、スマートなゴルファーの振る舞いではないでしょうか。