ウェッジを選ぶ場合は、セットの中の1本として揃えるのか、使用目的に合わせて単品で揃えるのかは迷うところです。
個別のアプローチショットの場面を想定するのであれば単品で選んだほうが良さそうですし、アイアンの番手の延長線として揃えるのであればセットが良さそうです。
グリーン周りのアプローチショットの精度を上げるためには、自分の技量に見合ったウェッジを選ぶべきか、1ランク上のウェッジを使うことで技量を伸ばすべきか、見極めながら扱いやすいウェッジをみていきましょう。
- 憧れのボーケイの単品ウェッジをアイアンセットに加えよう
- 名品のウェッジは単品とセットに拘らずショット主体で揃える
- FOURTEENウェッジはアイアンセットに関係なく単品の性能で決める
- アイアンセットを変えてもPINGの単品のウェッジは使い続ける
- 1本で3つのショットを打ち分けるCallawayの単品ウェッジ
- 上級用アイアンセットで人気のテーラーメイドの単品ウェッジ
- ミズノはアイアンセット以外の単品に驚くべきウェッジがある
- アイアンショットが飛ぶことで有名な本間ゴルフのウェッジ群
- アイアンセットと違和感がない特殊な単品のウェッジDOLPHIN
- 単品のBRIDGESTONE 2018 XW-1ウェッジはショットの乱れを抑えることができる
- アイアンセット以外に単品のウェッジを選ぶときは使用場面を明確にする
憧れのボーケイの単品ウェッジをアイアンセットに加えよう
アイアンセットは、番手間の飛距離が等間隔になるように設定されています。
一般的に飛距離は10ヤード刻みで設定されているので、それに合わせてロフト角は等間隔に刻まれています。
この規則正しい間隔が、アイアンショットで迷わずにクラブ選択ができる理由です。
一方でアイアンセットとは別に、単品で購入するウェッジは、この等間隔が崩れてしまい、一貫性が損なわれる場合があります。
それでもセットではなく、あえて単品を選ぶのにはそれなりの意味があります。
単品のウェッジは等間隔で揃えられたウェッジよりも、個々の性能を重視していることが多いようです。
例えばロフト角の大きなロブウェッジを使ってロブショットをしたいとか、深いラフに負けないようにバウンスの大きなウェッジを使ったショットをしたいとか、それぞれに単品ウェッジには目的があります。
その目的のレベルが高いほど、ウェッジに求めるものは大きくなります。
そのためロフト角だけを見て選ぶのではなく、総合的なポテンシャルの高さを求めていくことになるため、トッププロが監修しているウェッジは人気の品となっているようです。
その1つに、ボーケイのウェッジがあります。
●【Titleist VOKEY DESIGN SM7 WEDGES(日本正規品)】
参考価格 15,735円 (税込)
ボーケイのウェッジの特徴は、ロフト角にごとに重心を変えて最適な距離感を得られることと、ロフト角ごとに溝の幅を変えたことで理想とするスピンコントロールができることです。
名品のウェッジは単品とセットに拘らずショット主体で揃える
有名選手が使用したモデルや、プロのテイストを詰め込んだアイアンは、単品・セットにかかわらず人気商品となっています。
人気プロが監修したアイアンセットやウェッジは、発売後も人気が衰えることはないようです。
特に単品のウェッジの場合は、最新の性能を兼ね備えたアイアンセットとは違って、一定の形状はすでに出来上がっています。
そのため製造された初年度から数年経っていても、フルモデルチェンジを繰り返す車のような古さはありません。
それよりも口コミで広がる扱いやすさや、ショットの精度による信頼感の高さ、また絶対的なシェアが重要な選択肢になっているようです。
日本を代表する松山英樹が監修したクリーブランドのウェッジは、まさにそんな息の長いヒット商品となっています。
●【クリーブランド 588 RTX 2.0 プレシジョン フォージド ウェッジ(松山英樹プロ監修・日本正規品)】2015年モデル
参考価格 8,618 円(税込)
初年度登録から年月が経っている単品のウェッジで、気をつけなければならないのが2010年のルール改正前の品かを確かめることです。
「なぜそんな古い話を」と思うかもしれませんが、トップツアーは2010年から適用、下部ツアーは2014年からの適用で、アマの倶楽部競技は2024年から適用となります。
つまり2024年まではウェッジの性能でスピンの効くショットは打てますが、数年もせずに使用不可になってしまいます。
松山選手のこだわりが反映され、フェースを開いたショットが打ちやすくなっているクリーブランド588 RTX 2.0は、ルール適用品ですから心配はいりません。
FOURTEENウェッジはアイアンセットに関係なく単品の性能で決める
ゴルフのスコアアップを狙うのであれば、パッティングの回数を少なくすることが、もっとも早くて確実な方法です。
パー72のコースは規定のパター数が36打で設定されているので、残りの36打をドライバーやアイアンのショット回数で減らす努力をするよりも、パット数を減らす努力をしたほうが確実な結果が得られます。
パターの回数を減らす確実な方法は、ウェッジを使ってピンそばに寄せるアプローチショットの精度アップです。
ウェッジでワンパット圏内に寄せることができれば、最悪でもパターの規定打数の2打でカップにねじ込むことができます。
もし運が良ければウェッジを使ったアプローチショットが、直接カップインの可能性すらありえます。
そのためにはセカンド地点で使うアイアンの精度が必要です。
アイアンセットは番手間が、およそ10ヤード刻みの飛距離で設定されています。
もちろんセカンドでグリーンオンできれば最高ですが、乗らなかったとき確実にリカバリーができる単品のウェッジは準備しておきたいものです。
アイアンセットにウェッジは含まれていますが、セット以外でストレートネックとグースネックを選べる単品に人気が集まっています。
●【FOURTEEN D-036 ウェッジ(シャフト NS950GH HT)】
参考価格 16,632円(税込)
フォーティーンD-036のウェッジは、AW(51度)、SW(56度)、TS(60度)、HW(61度)から単品で選ぶことができ、好みのネックを選べることから構えやすさに特徴があります。
キャッチコピーである「苦手なアプローチ・バンカーが好きになる」が実感できる軟鉄鋳造アイアンです。
アイアンセットを変えてもPINGの単品のウェッジは使い続ける
アイアンは数年経つと性能の良いものができてくるので、愛着があるなしにかかわらず、買い替えていくのが一般的です。
ただアイアンはセットで購入しますから、それなりの経済的負担も大きく、「とりあえず使ってみようか」というわけにはいきません。
一方ウェッジは単品で揃えることが多いので、アイアンセットを買い替えたとしても、使い続けることが多いようです。
アプローチショットは、ウェッジのポテンシャルもさることながら、技量や経験が大きなウエイトを占めています。
細かな部分ではショットの打感や距離感、またスピンコントロールのしやすさなどがありますが、これらはゴルファーによって感覚が違うものです。
実際に試打ができれば確かめることはできますが、そうでない場合はメーカー名や人気プロの監修モデルを選ぶことが多くなります。
セットや単品にかかわらず信頼がおけるのは、やはり老舗メーカーかもしれません。
そもそも単品としてのウェッジでもPING(ピン)の評価が高いのは、2010年の溝をめぐるルールー改正の主役だったからです。
ショットしたボールにスピンがかかりすぎるとして、新たなルールが作られた大元がPINGだったわけです。
その流れを受け継ぐ単品モデルがあります。
●【PING GLIDE FORGED WEDGE (日本正規品・受注生産)】
参考価格 24,192円(税込)
このモデルが受注生産なのは、オプション(追加4,000円)でバックフェースに4種類の柄(彫刻)や刻印される文字やその色を選ぶことができ、オリジナル感のあるカスタム依頼ができるからです。
1本で3つのショットを打ち分けるCallawayの単品ウェッジ
海外のトップツアーで、もっとも人気のある選手の1人である、フィル・ミケルソンが監修した単品のウェッジがあります。
なんと単品のウェッジ1本で、アプローチ用の3本セットと同じだけの球筋を打ち分けることができるというキャロウェイの優れものです。
●【Callaway PM GRIND19(US仕様)】
参考価格 17,800円 (税込)
1つ目は「ザ・ノックダウン」と名付けられた、低い対球筋でピンをデットに攻めるショットが打てます。
2つ目は「ザ・ヒットアンドチェック」と名付けれた、短めのピッチショットのことで、2回のバウンドでピタっと止めるように打てます。
3つ目は「ザ・フロップ」と名付けれた、ミケルソンの代名詞的なロブショットのことで、これもまた打つことができます。
元々ウェッジができる前は、ニブリック(9番アイアン)のフェースを開いて使っていたわけですから、ウェッジの単品1本で3本セットと同じ役割を担っても不思議ではないわけです。
特徴的なのはバーチカルラインがないことです。
アイアンのフェースには、トゥ側とヒール側に縦のラインが入っていて、その間で溝が彫られているのが一般的です。
ところがキャロウェイのPMグラインド19は、その縦のラインがなく全面に溝が彫られています。
そのためフェースを開いてソールをセットしても、バーチカルラインの外側を意識しなくても良くなり、違和感なく構えることができます。
上級用アイアンセットで人気のテーラーメイドの単品ウェッジ
タイガー・ウッズ、ダスティン・ジョンソン、ローリー・マキロイ、ゴルフファンには垂涎のプロたちばかりですが、彼らが信頼をおいているのはテーラーメイドです。
プロの名前を見ただけで、1度は使ってみたいアイアンセットだと思わせられます。
こうした面々を揃っていることから、高度なセッティングができる製造技術の高さがあることは証明済みのようなものです。
一方でアベレージゴルファーからは「アマチュアには難しすぎる」と、アプローチショットに手こずる厳しい声も聞こえるようですが、技量があればぜひとも使ってみたいのが、テーラーメイドのカスタムモデルの単品ウェッジです。
●【TaylorMade Milled Grind Wedge】
参考価格 19,800円 (税込)
単品のカスタムモデルと言っても、ロフト角やライ角などセットされた角度を修正するわけではありません。
自分に合ったシャフトに付け替えることで、確実なナイスショットが可能になります。
自分のスイングスピードやスイング技術に、ウェッジのシャフトを合わせることだけを考えると良いマッチングができるはずです。
アイアンも含めてヘッドは一流選手が認める性能を有していますので、それをカスタマイズする必要はありません。
心配なようであればテーラーメイドの人気モデルM2アイアンをセットに、単品のウェッジを揃えることができれば一貫性が生まれて、扱いやすいアイアンのラインアップになるはずです。
ミズノはアイアンセット以外の単品に驚くべきウェッジがある
カスタマズできるアイアンセットや単品のウェッジは、組み合わせによっては限定品のような性質があるので高額になりがちです。
ただし高額とは言ってもウェッジはドライバーのような価格ではないため、単品のウェッジであれば迷わず購入することができるはずです。
ただ予算をオーバーしていれば躊躇するのは誰しも同じこと、なるべく安価なものがあればそれに越したことはありません。
国内の老舗メーカーのミズノは、プロトタイプのアイアンセットが有名で、上級者からの信頼も厚いところですが、当然価格は高めの設定になっています。
ただアイアンセットと違い単品のウェッジであれば、お手ごろな価格のものがあります。
●【MIZUNO TRIPLE ACTION WEDGE 2 (国内正規品)】
参考価格 5,990円 (税込)
さすがミズノと思えるのが、ロフト角のラインナップです。
アプローチショット用には52度58度があり、バンカーショット用は58度ですがバンス角を14度にしてフェース面の大きなタイプと用途によって違いを出しています。
さらにロブショット用の62度と、ほぼ見かけることもないスーパーロブと命名されている70度が用意されています。
ロフト角62度は、それなりの技量がないと扱うことが難しいのに、70度を実践で使える機会があるのか想像できませんが、それを市販品としてラインナップに加えているところがミズノらしさかもしれません。
アイアンショットが飛ぶことで有名な本間ゴルフのウェッジ群
日本国内では高級品のイメージが強い本間ゴルフですが、アイアンのヘッドは見るからに操作性の良さを感じるコンパクトな作りです。
単品のウェッジもアイアンアンセットを考慮したロフト角が用意されていますから、他のメーカーのアイアンセットでも、単品のウェッジとして揃いやすいはずです。
本間ゴルフのクラブは伝統的にストロングタイプで設定されているので、アイアンが飛ぶことで有名です。
そのアイアンセットに続くウェッジですから、単品のバリエーションは豊富に揃えられています。
例えばツアーワールドTW-W IIIは、ロフト角48度、50度、52度、56度(バンス角8度)、56度(バンス角12度)、58度(同8度)、58度(同12度)、58度(同8度)、58度(同12度)、60度と、全部で8種類、それにシャフトが3種類あるので、全部で24種類のウェッジが用意されています。
●【HONMA TOUR WORLD TW-W III FORGED】
参考価格 8,800円 (税込)
アプローチショットでしっかりボールをつかまえるために、グースネックが採用されています。
ただしグースネックがシャープな作りになっているので、リーディングエッジが下がっているオフセットを感じないようにしています。
つまり、アプローチショットでの引っかけの不安を取り除き、ターゲットに向けてヘッドを走らせることができるということです。
アイアンセットと違和感がない特殊な単品のウェッジDOLPHIN
アイアンショットやアプローチショットが苦手なゴルファーにとっては、どんなに高額なセットや高性能の単品モデルでも、良さを感じることができない場合があります。
練習場の人工芝でアイアンセットを順に練習していると、ダフリ気味に入ってもクリーンなショットになってしまいます。
この状態でコースに出てアイアンやウェッジを使うと、ザックリを繰り返してゴルフにならないことがあるものです。
ザックリになるのはアイアンやウェッジだからで、ソールの広いフェアウェイウッドなら芝の上を滑ってクリーンなショットを打つことができます。
そんなミスが出るゴルファーは、キャスコから単品でているドルフィンウェッジを使えば、フェアウェイウッドと同じ感覚でアプローチを打つことができるかもしれません。
●【Kasco DOLPHIN WEDGE DRW-119】
参考価格 13,608円 (税込)
ソール幅が広く作られているので、ダフリ気味に入っても芝面を滑って進み、さらに低重心なので打ち出すボールは無理をしなくても上がりやすくなっています。
イメージはキャリー1に対してランが3、昔のジガーのようなクラブを想像すると良いかもしれません。
一般的には「お助けクラブ」「秘密兵器」とも言われる単品もので、通常のアイアンセットにはないタイプです。
ただ、ジガーのような特殊な形状はしていないので、お洒落なウェッジとしか見えないところが人気となっているようです。
単品のBRIDGESTONE 2018 XW-1ウェッジはショットの乱れを抑えることができる
アイアンセットには正確な距離を刻むため、ロフト角に対してこだわりを持っているのに、方向性に影響を与えるライ角は仕方ないとあきらめているゴルファーが多いようです。
アイアンのソールをセットしたとき、シャフトと地面の内角をライ角と呼びます。
一般的にライ角は日本人の平均身長を基準にしていると言われていますから、170センチ前後のゴルファーはノーマルで問題はありません。
対して180センチのゴルファーはアイアンやウェッジのグリップを持ち上げることになるため、ショットでトゥ側だけが芝面の抵抗を受けてスライスします。
逆に160センチのゴルファーは、ショットでヒール側が抵抗を受けるのでフックします。
つまりショットがスライスやフックするのは、アドレスやスイングが悪いのではなく、アイアンやウェッジのライ角が合っていないことに問題があるのだと考えられます。
専門の工房でライ角調整をすれば、正しいグリップの位置で握ることができますが、調整によってアイアンやウェッジのヘッドが歪む恐れがあります。
また構造や材質によってはライ角調整をすると、亀裂が入ったり割れたりすることもあるので、「できない」と断られることもあります。
幅広いユーザーを持つ国内大手のブリヂストンでは、そんな調整を含めたカスタムメイドの単品ウェッジを出しています。
●【BRIDGESTONE 2018 XW-1 WEDGE(日本正規品)】
参考価格 17,280円 (税込)
単品のウェッジを注文するときは、「ロフト角・バンス角(セット)」「シャフト(フレックス)」「ロフト角調整」「ライ角調整」「シャフトの長さ調整」「グリップ」等を、リクエストすることができます。
自分の体に合わせた単品のウェッジを使えば、信頼感と安心感が生まれて、きっと良い結果になるはずです。
アイアンセット以外に単品のウェッジを選ぶときは使用場面を明確にする
アイアンセット以外の単品のウェッジを入れる場合は、その役割をはっきりと決めておくことが重要です。
どんなショットを打つとか、どのシチュエーションで使うかを明確にイメージして、それを扱える技量があるかを再確認してから、キャディバッグに入れるようにしましょう。
またアイアンセットとの関連性が気になるようであれば、同一メーカーのウェッジにするか、ロフト角を参考にして揃えるか、さらには自分の体型やスイングフォームにピッタリのカスタムメイドを選ぶと良いでしょう。