ドライバーのライ角がフラットでも気にならないのはなぜ?

最終更新日:2021/04/09

ドライバーは構造上、ライ角を調整することができません。

仮にフラットなシャフトであれば、その傾きに合わせてアドレスするか、自分のスイングに合わせてライ角を無視することになります。

そこで実際のスイングを元に、ライ角調整についてご紹介していきます。

ドライバーのフラットなライ角が気になるタイミング

「例」のカチャカチャができてから、一般のゴルファーもライ角について感心を持つようになってきています。

以前であればライ角調整をするのは、上級者の中でも限られた人くらいのもので、大半のゴルファーはクラブに合わせてスイングを作ったものです。

ライ角は地面とシャフトの内角を表したシャフトの傾きのことです。

シャフトの傾きを角度で示すことによって、それまで感覚でとらえていた「しっくり」「ピタッとくる」といった感想が数値で示されるようになったわけです。

一度でも数値を見てしまうと、それ以外の角度には不安が起こるものです。

特にライ角が違うと、理想の傾きよりもシャフトをフラットに構えなくてはいけなかったり、アップライトで縦振りにしなければならなかったりと、ドライバーショットの乱れに通じていきます。

もちろんライ角を知らなかったときは、自分のグリップ位置で構えることで、ヘッドを傾けてアドレスをしていたはずです。

フラットのときは、グリップを引き上げるのでヒール側が浮き、アップライトのときはグリップを下げて構えるのでトゥ側が浮いた状態で構えていたことでしょう。

ドライバーのライ角は弾道調整機能でフラットにできる!

ドライバーの場合には、ライ角調整ができません。

アイアンの場合には、シャフトをヘッドに挿している部分を曲げることはできますが、ドライバーは直接ヘッドに挿しているので曲げるとヘッドが歪んでしまうからです。

それなら「ライ角が合わないときはどうすれば良いの?」という声が聞こえてきそうですが、それが冒頭のカチャカチャで解決ができます。

カチャカチャの正式名称は「弾道調節機能」と呼ばれていて、ライ角とロフト角を簡単に変えることができます。

メーカーによって形式は異なりますが、概ねヘッドに挿し込むシャフトの接続部分にカチャカチャを装着して、そのカチャカチャで角度を調節することになります。

もちろん際限なく角度調節ができるわけではなく、一定の範囲内でライ角を調節することになります。

国内用の製品の多くは、日本人の平均身長にライ角を合わせているといわれていますから、170センチを基準に身長が高ければライ角はフラットに感じますし、身長が低ければアップライトに感じるはずです。

ドライバーのライ角を変えてアップライトをフラットにできる

すべてのドライバーにカチャカチャがついていれば問題はないのですが、実際に装着されてるのは限定された製品だけです。

たしかにライ角によって方向性が左右されますから、気になるのは当然なことではあります。

しかしながら多くは平均身長の範囲内なので、ゴルファーの大勢はドライバーのライ角を意識することはないとも言えるのです。

一般的には、自分にとってライ角がフラットだとスライスしやすく、アップライトだとフックしやすいと言われています。

これはシャフトの角度に、スイング軌道を合わせたときの結果です。

つまり本来の自分のグリップ位置ではなく、ドライバーの設定したライ角に合わせてドライバーをスイングしたわけです。

でもライ角について知識を得ると、正しいグリップの位置でドライバーを構えるので、スライスとフックが逆の結果になります。

ライ角がフラットのドライバーはシャフトが寝ているのでグリップの位置が低いため、グリップを持ち上げなくてはいけません。

このときヘッドはヒール側が浮いてトゥ側だけが接地します。

このままスイングをすると、トゥ側の抵抗が大きくなりフェースが開いてスライスするのです。

ドライバーのフラットなライ角を修正する唯一の方法

ドライバーのライ角がフラットであれば、グリップを持ち上げるので、ヒール側が浮いた状態でアドレスの姿勢をとります。

不安定なヘッドのバランスを解消するためには、シャフトの長さを伸ばす方法があります。

ライ角が小さくフラットなシャフトは、グリップの位置が低いのですが、シャフトを伸ばせばグリップの位置は高くなります。

シャフトが長くなることで、ヘッドコントロールが難しくなる可能性はありますが、ライ角を調整するためにスイングの姿勢を変えるよりは簡単なはずです。

さらにライ角の合わないドライバーには、唯一の対処法とも言えます。

ちなみにライ角が大きくアップライトなシャフトの場合には、シャフトを短くすればグリップの位置は自分の体型に合ってくるでしょう。

シャフトの長さを変えることで、グリップの高さを変えて、ライ角によるシャフトの傾きを気にすることなく、構えることができるようになります。

ドライバーをリアシャフトするとフラットなライ角でも大丈夫

ドライバーのライ角に合わせるためには、リシャフトが最善の方法です。

ドライバーを構えたときにシャフトがフラットなときは、グリップを引き上げて自分にとって正しい姿勢をとることになります。

以前はヘッドを高く掲げた縦振りの逆C型のスイングが主流でしたから、多少のライ角の違いは気にならなかったのかもしれません。

ところがボディーターンを主流とした横振りのスイングが主流になると、シャフトの傾きは重要になってきます。

もともとスイングプレーンは、首の付け根からヘッドを結ぶ一本のラインを面にしたものです。

一方でシャフトの傾きを元にしたスイングプレーンがあります。

ライ角の根幹を成すのは、このテークバックのときのシャフトの傾きです。

仮にテークバックでシャフトの傾きに合わせたとしても、ダウンスイングでは違う軌道で振り下ろすことになります。

テークバックとダウンスイングが違うのであれば、ライ角が合っていなくても問題がない場合もあります。

ドライバーのライ角とフラットなスイングプレーンの違い?

ドライバーのスイング軌道を、面でとらえて表したものがスイングプレーンです。

スイングプレーンにはいくつかの考え方があり、アドレスのときのライ角とインパクトのときのシャフトの傾きには違いがあることが分かっています。

構えたときの首からヘッドまでを結ぶスイングプレーンと言います。

この基本のスイングプレーンを元に、構えたときのシャフトの傾きから作るスイングプレーンはフラットになっています。

でも実際にダウンスイングをするときのスイングプレーンはその中間の軌道を通るので、ライ角に合わせたスイングはしていないのです。

アドレスでライ角に合わせて構えたとしても、ダウンスイングではそれよりもアップライトな角度で振り抜きます。

このリアルなスイングプレーンをオンプレーンと呼んでいますが、これが近年の正しいスイング軌道とされています。

構えたときにライ角に違和感があったとしても、実際には理想の角度でインパクトを迎えることはできていないということです。

そう考えるとリアルなライ角を求めても、実はインパクトにそれほどの影響はないのかもしれません。

アドレスでのドライバーのフラットなライ角は再現できない

ドライバーをライ角に合わせてアドレスしても、ダウンスイングではアップライトな軌道でインパクトを迎えます。

構えたときのフラットなシャフトとインパクトでのアップライトなシャフトの傾きの違いが分かれば、ライ角にこだわる必要はないことが分かるはずです。