シャフトと聞くと何を思い浮かべますか。
多くの人はフレックス、すなわち硬さが最初に思い浮かぶのではないでしょうか。
そのシャフトには、硬さだけでなく、キックポイントやトルクといった他に知っておくべきポイントがあります。
今回は、シャフトについてお話します。
シャフトは硬さだけでなくトルクやキックポイントも考慮する
シャフトを選ぶ際に、硬さだけを気にしていませんか。
その硬さだけでシャフトを選ぶことはあまり良くありません。
シャフトには、キックポイント、トルク、そして重量といった様々なポイントがあるからです。
これらを総合的に考えて選ぶ必要があります。
後ほど細かい話はしますが、なぜそれほどシャフト選びにこだわる必要があるのか考えてみましょう。
それは手の動き、つまり自分がどのようにヘッドを動かすかの意思伝達をする部分に当たるからです。
上級者に、『シャフトが合っていないのでは?』と聞かれたことはありませんか。
ヘッドスピードを基準にしたら、シャフトが合っているはずなのにと思ったこともあるかもしれません。
また、初心者でシャフトは変えないから知らなくても大丈夫という人もいるでしょう。
しかし、それは違います。
自分が使っているシャフトはどのような特徴を持っているのか把握することはスイングを改善する上でとても大切です。
シャフトの硬さはどのように影響するのか
では、まず初めに自分にあったシャフトの硬さをどのように選べば良いか話をします。
そこでシャフトの硬さの特徴について基本的な説明をしておきます。
《軟らかいシャフトが向いているゴルファー》
・ヘッドスピードが速くない人
パワーが無くてもヘッドスピードを出しやすいため、初心者や女性などに向いています。
・シャフトのしなりを上手く使えない人
シャフトが軟らかいとヘッドの重さを利用してシャフトがしなりやすくなります。
しなりを感じるのが苦手な人には向いています。
《硬いシャフトが向いているゴルファー》
・ヘッドスピードが速い人
パワーがある人や自分でしなりを作れる人は、硬いシャフトが向いています。
硬いシャフトにすることで、ボールの曲がりを抑え、強いインパクトが可能になります。
・ボールが曲がりやすい人
シャフトが軟らかいほどボールが曲がる可能性が高くなります。
シャフトを硬くして、少し軽めのものを選ぶと振りやすくて良いでしょう。
あとで説明しますが、数値(振動数)的に同じ硬さでも、キックポイントやトルクが異なると感じ方が変わることがあります。
シャフトの硬さはヘッドスピードを基準に選ぶ
シャフトを選ぶ場合は、トルクやキックポイントはまず硬さのベースをどうするか決めた上で考えると分かりやすいです。
《ヘッドスピードを基準にする》
まずは、最も一般的なヘッドスピードを基準にして硬さを選ぶ方法です。
各メーカーのシャフトには適正ヘッドスピードが記載されています。
その値を参考にすれば、概ねずれることは無いでしょう。
注意点としては、SやRといった硬さ表記はメーカーごとに違うため、『自分はS』と決めつけないようにすることです。
《重量と調整して硬さを変える》
ヘッドスピードを基準にベースを選んだら次は重量です。
この重量と硬さの関係は振り抜きやすさに大きく関わってきます。
基本的には、適正な硬さが適正な重量であれば良いですが、これも人によって違います。
シャフトを重くするならひとつ軟らかいもの、シャフトを軽くするならひとつ硬いものがおすすめです。
特にドライバーは軽めのシャフトが好まれるようになり、軽くして硬くする人が増えています。
シャフトのトルクはそんなに大事?
シャフトのトルクについて説明していきましょう。
トルクとは、簡単に説明をするとシャフトの捻じれる大きさを表したものです。
ドライバーのシャフトでいうと、3.0とか4.2とかいろいろあります。
数字が小さいほど、捻じれにくく、大きいほど捻じれやすいということです。
ヘッドスピードが速い人は、捻じれを作りやすいためトルクが小さいもの、遅い人はトルクが大きいものが一般的には向いています。
なぜ、トルクが大事かというと、トルクはボールの捕まりやすさに影響してくるからです。
適正のトルクから、それぞれのスイングの特徴に合わせてトルクの大小を決め、シャフトを決めていきます。
トルクの特徴として、同じ硬さ(振動数で数値化した場合)のシャフトでもトルクが小さいほうが硬く感じ、大きいほうが軟らかく感じます。
硬めのシャフトを選ぶ場合、少し大きめのトルクにするとシャフトの硬さが比較的軟らかく感じられて振りやすくなります。
シャフトのトルクでボールの曲がりが変わる
トルクの注意点としては、大きすぎるものを選ぶとミスに繋がる原因になるかもしれないことです。
なぜこのようなことを伝えるかというと、アマチュアは軟らかいシャフトのほうが振りやすく感じる傾向があるからです。
それは、シャフトのしなりを感じやすく、ヘッドが走っている感覚が得られるからです。
しかし、トルクはボールの捕まりやすさに影響するため、適正に対して極端なトルクを選ぶとボールが曲がる原因になります。
特に大きすぎる場合には要注意です。
ヘッドが返り過ぎてしまったり、シャフトの戻りがついてこられず、逆にスライスになってしまったりします。
小さい場合には、シャフトの硬さの感じ方も硬く振り遅れ、振りぬきにくく感じるので合っていないことが分かります。
意外に、良いスイングをしているにもかかわらず、ボールが捕まり過ぎてしまったり、ヘッドが開いてしまったりする人は、トルクが合わずにボールが曲がっているかもしれません。
いつもの半分ぐらいのスピードで振ったほうが曲がらない、飛距離も出るという人はトルクが大きすぎると考えるのが妥当です。
振りやすさはキックポイントで変わる
最後にキックポイントについて説明をします。
キックポイントとは、シャフトのしなりやすいポイントを表したものです。
このキックポイントが自分に合わないと、振りにくさをすごく感じます。
実際は、5~10cm程度の範囲でしなるポイントが違うだけなのですが、次のような表現をします。
《先調子》
シャフトの先端寄りがしなりやすくなっています。
同じ硬さのシャフトでも、先端がしなるほうがヘッドの動きが出るため軟らかく感じます。
ヘッドを走らせたい、しなりを感じやすくしたい、ボールがなかなか上がらないといった人に向いています。
《元調子》
シャフトの手元寄りがしなりやすくなっており、同じ硬さのシャフトの場合、硬く感じます。
硬すぎると感じる場合、少しトルクが大きいものを選ぶと丁度良くなるでしょう。
自分でシャフトをしならせることができる人に向いています。
《中調子》
先調子と元調子の間のシャフトです。
万人に合うキックポイントと言っても良いでしょう。
もしキックポイントで迷ったら、とりあえず中調子にしておけば問題はないでしょう。
シャフトの特徴を知れば、スイングが変わる
自分に合ったシャフトを選ぶ上でも必要なスペックですが、今使っているシャフトがどんな特徴があり、どのようにしたら上手くスイングできるのか、考える材料になります。
シャフトを正しく理解した上で、スイングを磨いていくと、効率良く上達ができるでしょう。