自分のゴルフクラブを思い通りにセッティングできたら、面白いと思いませんか。
鉛を貼る、グリップ交換をする、シャフトをカットするなどやれることはたくさんありますが、最難関はリシャフトです。
特にアイアンは本数も多いため、失敗しないよう、リシャフトをDIYで挑戦するときには必要な工具を準備して、作業の手順を知っておくことが重要です。
そこで今回はシャフトを抜くときに必要な工具や便利な自作工具、またリシャフトの作業の手順や注意点を紹介します。
ただし自分で加工したアイアンで事故が起きた場合、保険が適用されずすべて自己責任となることだけ肝に銘じてDIYを進めてください。
アイアンのリシャフトをDIYするために必要なもの
アイアンのシャフトを新しいものに取り替えることをリシャフトと言います。
シーズンごとにスイングが微妙に変化することが多く、購入したころにはピッタリ合っていたシャフトなのにいつの間にか違和感が出てくることはあるものです。
特に打ち出すときの角度が少しずれただけでトラブルに発展するドライバーは、リシャフトをする機会が多いわけですが、アイアンは本数の多さから経済的な負担も大きいので、余程の決意がないと取り替えることはないでしょう。
それでもアイアンのリシャフトを決意したのであれば、自分で交換作業をするDIY的なリシャフトであれば経済的な負担はかなり軽減されます。
リシャフトは、新しいシャフトのほかに、グリップも新しく装着しなければならないので、DIYをすればシャフト交換とグリップ装着の工賃を浮かすことができます。
ただ交換作業に必要な工具を別途購入して揃えなくてはいけませんし、完成に必要な接着剤や溶剤なども購入しなければなりません。
こうした費用を考えてお得なようであればDIYにトライしてみましょう。
DIYでアイアンのリシャフトをするときに必要な工具
DIYでアイアンのリシャフトをするとき、作業に必要な工具を揃えなくてはいけません。
「揃える」というと大袈裟かもしれませんが、既存のシャフトをヘッドから抜くために、ヒートガンという超強力なドライヤーが必要です。
ホーゼルの中にシャフトは接着されていますが、外部から熱を加えてその接着剤を壊して外さなくてはなりません。
ヒートガンはピンからキリまでありますが、安価なものは熱量が少なく役に立たない場合があるので注意が必要です。
ほとんどの接着剤はおよそ120度で壊れますが、ヘッドの外側から熱してその温度まで高めるには1000ワット以上のヒートガンが必要です。
もしもヒートガンが高額で経費倒れになるようなら、カセットボンベに装着するとガストーチになるものがあるので、少し焼け痕が残るかもしれませんが接着剤を壊すことができます。
ただ熱したヘッドで火傷をしないように、ヘッドを抜くときのために、それこそDIYでシャフト抜きの器具を作ると、ひと捻りで簡単に外すことができます。
DIYのリシャフトの鍵となるアイアンのクリーニング
自宅に木材があればそれを使い、なければ30センチほどの長さの安価な角材を購入することをおすすめします。
アイアンのヘッドがはまるくらいの幅で切込みを入れて、そこに熱したヘッドを差込んでグリップをひねると、簡単にシャフトを外すことができるはずです。
まさにDIYによるシャフト抜き器で、火傷の心配がなく、力も必要がないので見た目はパッとしませんが便利なグッズになるでしょう。
リシャフトの鍵となるのは、シャフトを抜いたあとのヘッドのホーゼル内の処理です。
内側には熱で壊したとはいえ、接着剤カスがたくさん残っています。
それを簡単に取り除くには、電動ドリルの先にスチールウール、なければ布を巻き付けて差し込み回転させると、摩擦によって綺麗にはがすことができます。
リシャフトするアイアンセットが3番~ピッチングウェッジまでなら8本もあるので、やはり電動ドリルは欲しいところです。
それでは経費倒れになると思うようであれば、先端が細いマイナスドライバーをノミ代わりにして、コシコシと擦って取り除いてください。
この作業は接着強度につながるため手を抜けません。
完全に取り切ったことを確認してから、最後の仕上げに溶剤として専用のもの、もしくはホワイトガソリンを布に染み込ませてクリーニングすれば終了です。
アイアンをDIYでリシャフトするときの注意点
アイアンのシャフトを取り除いて、接着部分を綺麗にクリーニングしたら、いよいよDIYの醍醐味、新たなシャフトを装着します。
作業としては新しいシャフトの接続部分にかぶせるソケットを入れてから、挿し込み部分と受け側のホーゼルに接着剤を塗ってから、しっかり挿し込むだけです。
ただし、グリップを握ってスクエアにフェースをセットしたときに、シャフトの天地がずれていないようにしなければなりません。
そのためには接着剤を塗る前にシャフトについた模様から頂点を定めます。
先にシャフトをホーゼルに挿して、フェース面とシャフトの頂点を合わせたら、接続部分のヘッド側とシャフト側に目印をつけておくと、接着剤が固まり出す前に正しい向きで装着できるはずです。
リシャフトで使用する接着剤は、2液混合タイプで乾燥時間に余裕のあるものを選びましょう。
またホーゼルの内部に接着剤をたくさん入れてしまうと、シャフトが先端まで入らないことがあるため、基本はシャフトの先端に塗って足りない分をホーゼルに塗るようにしてください。
リシャフトDIYの終盤、グリップを装着しよう
アイアンをDIYでリシャフトしたら、次は自分にとって適正な長さに合わせてカットします。
専用のシャフトカッターを使えば簡単です。
それが終われば、あとはグリップを装着するだけです。
ヘッドに接続したシャフトが固着するまでは、ざっと1日間は放置しておくしかありません。
固着するまではリシャフトしたアイアンに触れないようにしましょう。
新しいグリップを装着するためには、両面テープと専用のグリップ交換溶液があればベスト、なくてもホワイトガソリンで代用できます。
ホワイトガソリンはオイルライターにつかうオイルで、どこでも販売されているため手に入りやすいものですが、においが気にならなければ灯油やガソリンなどの揮発油でも同じように使うことができます。
両面テープをシャフトに巻いて、その上からホワイトガソリンをかけると、粘着剤が溶けるので、グリップラバーを装着するときに使います。
また両面テープは螺旋巻きと縦貼りの2つの方法がありますが、初めての作業では縦貼りのほうがミスはないでしょう。
グリップにもシャフト同様に天地があるため、確認してグリップ側とシャフト側にマスキングテープを貼っておきましょう。
初めてのDIYでもアイアンのリシャフトとグリップ装着は完成できる!
新しいグリップをリシャフトを終えたアイアンに装着します。
グリップを装着したときの先端部分がどこになるかを確かめて、そこからグリップエンドに向けて真っ直ぐに両面テープを貼り、切らずに折り返して裏側も貼ります。
シャフトの穴を両面テープで塞ぐことによって、グリップエンドの空気穴から砂や小砂利が入って異音がしないようにするためです。
新しいグリップの空気穴にウッドティーを挿して栓をします。
グリップの表面にホワイトガソリンをつけないように注意しながら、全体の7割程度注ぎます。
その液体を両面テープの上に回しかけたら、事前にマスキングテープで印をつけた位置に合うようにグリップを装着してください。
グリップを装着する直前に、栓をしていたウッドティーを抜いておきましょう。
グリップの中にシャフトを挿入するときに、余分なホワイトガソリンが溢れてくるので、吸収できるように布切れ用意しておくと良いでしょう。
フェース面とグリップの頂点を微調整したら、最低1日、余裕を見て3日間ほど放置すればアイアンのリシャフトは完成です。
DIYはスムーズな手順がとにかく大事
アイアンのリシャフトをDIYするときは、まずは作業に使う道具を用意することが大切です。
道具を揃えたら、次は手順の確認です。
さらに新しいシャフト、グリップとソケットも用意して作業に取り掛かります。
シャフトやグリップには天地があるため、先にそれを確かめておくと、仕上がりも良くスムーズに作業を進めることができるはずです。