ハイブリッドとユーティリティの種類の違いと今後について

最終更新日:2019/11/16

ハイブリッドというクラブがあるのはご存知jでしょうか。

日本ではユーティリティと呼ばれていますが、厳密にみると種類に少しだけ違いがあるものです。

日本型のユーティリティと世界基準のハイブリッドの違いと、今後のゴルフ市場について考えていきます。

それまでの種類とは違い使い勝手の良いハイブリッド

チタン製のドライバーやストロングタイプのアイアンによって、ゴルフクラブの距離は伸びてきています。

アイアンの飛距離が伸びたことで、ドライバーとアイアンだけでグリーンに運べるようになってきますが、ロングホールだけはまだまだフェアウェイウッドが必要ではないでしょうか。

ところがティーグラウンドと違って、ボールの置かれているライによっては、フェアウェイウッドのようなレベルブローでクリーンにボールをとらえる種類のクラブは使えないこともあります。

このような状況では、距離が落ちてもロングアイアンでダウンブローに打つしか選択肢はありませんでした。

そんな悩みを解消してくれたのが、ハイブリッドと呼ばれる新しいクラブだったわけです。

見た目はアイアンに近くても、通常のアイアンよりもヘッドは厚く、シャフトも少しだけ長く作られています。

それでもフェアウェイウッドとは違い、扱いやすくラフやライの悪いところでもショットができるという優れものでした。

この新しいクラブの誕生は、その後のゴルフ界を一変することになります。

ハイブリッドとユーティリティの種類の違いとは

まず初期のハイブリッドを確認しましょう。

気になる飛距離は5番アイアンよりも飛ばせ、そしてスプーンほど飛ばせません。

その代わりミドルアイアンと同じ感覚でショットができることから、キャディバッグの中から3番アイアンや4番アイアンは消えることになります。

現行の近代ゴルフと共に使われてきたロングアイアンが消えたことは、歴史的な意味があります。

一方で、多くのゴルファーがロングタイプの種類を使いこなせていなかったことも分かったわけです。

ただこのハイブリッドは新しいクラブだったこともあり、類似商品や派生商品がたくさん生まれてくることになります。

「卵が先か鶏が先か」の論争になるかもしれませんが、日本ではハイブリッドをユーティリティと呼ぶようになります。

ただ日本型のユーティリティはフェアウェイウッドに近いタイプで、欧米系のハイブリッドはアイアンに近いタイプです。

この違いは、プレーヤーのパワーの違いとも考えられます。

ハイブリッドの2種類の違いは呼び名だけ?

ハイブリッドのようなクラブが2種類あるのは、日本だけかもしれません。

ウッド型ユーティリティとアイアン型ハイブリッドとの違いを強調していますが、元々は日本で人気となった「たらこ」がハイブリッドの原型です。

フェアウェイウッドのヘッドを小さくし、アイアンのシャフトを挿したようなクラブです。

ヘッドは弾む構造になっていましたが、ヘッドスピードはアイアンと違いはありません。

ところがシャフトが短くヘッドが大きいことでミート率は上がり、結果的に飛距離が伸びて、アイアンより飛ぶクラブとなったのです。

ハイブリッドとユーティリティは、単なるヘッドのサイズの違いだけではなく、良く見るとフェースプログレッションに大きな違いがあります。

フェースプログレッションとは、シャフトの中心線からリーディングエッジまでの距離のことで、大きいほどフェアウェイウッドに近く、小さいほどアイアン感覚で打つことができます。

日本人に合っているのは、フェースプログレッションが大きい(長い)タイプです。

人工芝の練習場でショット練習することが多いため、ダフリ気味に入ってソールを滑らすタイプはボールをとらえやすくなるからです。

距離を稼ぐ種類のハイブリッドにも使い方に違いはある?

ハイブリッド型よりもユーティリティ型のほうが、技量に関係なく簡単にボールをとらえて、しかもコンスタントに飛距離を出すことができます。

ただ構えたときの安心感は、ハイブリッド型のほうがはるかに高いはずです。

現在のハイブリッド型はソールの広いアイアンという感じで、フェアウェイウッドのイメージはありません。

ヘッドの形状の違いは、アイアンとフェアウェイウッドのどちらの種類に近いかですが、それまでの経験値からすると、ミドルアイアンに近いハイブリッドのほうが安心はできることでしょう。

飛距離の出るクラブでありながらも、打ちやすさがあるのがハイブリッドの特徴ですが、実は飛距離だけが優れているわけではありません。

低い弾道で打ち出すことができ、途中まで横風の影響を受けることが少なく、落下する直前にしっかり入ったバックスピンで吹け上がり真下に向けて落下します。

こうして長い距離を打ってもグリーンで止まる球筋になるのが、ハイブリッドの特徴だと言えます。

ハイブリッドは使い道の種類の違いで活用度が増す

ゴルフプレーは常にフェアウェイのセンターを歩むわけではなく、両サイドの林の中に入り込んでしまうことがあります。

多くのコースは枝払いをしているため、立ち上がっている樹木にさえ当てなければ、抜けることができます。

そうした脱出で確実なのはショートアイアンやウェッジですが、球筋が高い場合は上の枝にぶつかって抜け出すことができません。

中にはロフト角の小さなドライバーを短く握って、振り幅を小さくして打ち出す場合もあります。

そんな場面でソールを滑らすことができるハイブリッドを選べば、簡単にリカバーショットを打つことができます。

またボールを浮かさないようにする場合や、スイング幅が制限されている場合には、ボールに打ち込んだところでスイングを止めるパンチショットでも使うことができます。

普段はロングアイアンに変わって、1ラウンドで数回しか使うチャンスのない種類のハイブリッドですが、トラブルショットでの使い道があると考えれば、それなりのメリットはあると考えられます。

2種類のハイブリッドの違いを認めたらクラブの構成が変わる

ここまで説明してきたように、ハイブリッドには2種類あり、欧米では総じてハイブリッドと呼び、日本ではユーティリティと呼んでいます。

欧米ではユーティリティとの違いを表現していないようですが、日本ではウッド型とアイアン型と区別をしていることが多いようです。

市場規模から見ると欧米のほうが圧倒的に大きいため、いつかはVHSとベーターのような結果になるのではないかと考えられます。

ただ、ユーティリティは国内市場をターゲットにしているようで、欧米人に比べたパワー不足をカバーするためにウッド型を取り入れて成功しています。

世界的に高齢化が進むゴルフ界ですから、もしかするとウッド型ユーティリティが世界の主流となる日が来るかもしれません。

少なくともユーティリティは多くの種類が作られていて、そのうちウェッジ以外はすべてユーティリティという時代がやってくるかもしれません。

つまりフェアウェイウッドもアイアンもなくなり、ドライバーとユーティリティとウェッジの時代がやってくる可能性があるということです。

夢のような話ですが、今の技術レベルがあれば、「もしかすると数年後には」と考えてもおかしくはないかもしれません。

ハイブリッドとユーティリティは使い道は同じ

ハイブリッドとユーティリティは種類が違うのではなく、販売されている地域によっての呼び名の違いです。

ただ厳密にはハイブリッドはアイアン型、ユーティリティはウッド型として使い分けられています。

この2つを融合させると、いずれはドライバー、ユーティリティ、ウェッジだけのセッティング時代がやってくるかもしれません。

そうなったとき、ゴルフが今まで通り楽しめるのかどうかは分かりません。