初心者ゴルファーはウェッジにどこまでこだわっているのでしょうか。
ヘッドは見た目だけでも選ぶ判断基準になりますが、シャフトはどうでしょう。
今回は意外に注目されないシャフトの選び方について掘り下げていきます。
ウェッジ選びの参考にしてみてください。
ウェッジの選び方に必要な基礎知識
まず初めに、初心者でも押さえておくべきウェッジの選び方に必要な基礎知識を話します。
後程シャフトの選び方について話すとして、ここではクラブヘッド部分の基礎知識です。
《ロフト角》
ウェッジを選ぶ上で、絶対に外せないのがロフト角です。
一般的には、ロフト角はボールの打ち出し角度を決め、弾道の高さ、飛距離に影響します。
またウェッジの場合は、ショートゲームで多彩なショットを必要とするため、深いラフ、バンカーなど目的によってもロフト角を考慮する必要があります。
《バンス角》
次にウェッジを選ぶ上で重要なのが、バンス角と呼ばれるものです。
バンス角は、ソール面のふくらみの大きさ、後ろ側の高さと考えてもらえると分かりやすいでしょう。
大きく分けると、ローバンス、ミドルバンス、ハイバンスと分けることができます。
初心者には、ハイバンスがおすすめされることが多いです。
理由は、バンスが跳ねやすくダフリにくく、バンカーも脱出しやすいからです。
ただし、一概にハイバンスが良いわけではないため、利用目的でロフト角とバンス角を決めていきます。
ウェッジの選び方は3本を基準に選ぶべき
ウェッジのシャフトについて話をする前に、本数について話をします。
ゴルフは全部で14本のクラブセッティングと決まっています。
その中でウェッジを何本入れるのかは非常に重要なことです。
ウェッジは、基本的に2~3本をクラブセッティングに入れることが多いです。
選び方はPWのロフト角を基準に等間隔でロフト角を決めることで、飛距離のバランスを取ります。
アマチュアは、2本セッティングの傾向が多くあります。
理由はふたつです。
ロフトが寝たウェッジだとうまく扱えない、もしくはとりあえず2本(52度と58度が多い)入れておけば大丈夫と教えられることが多いからです。
しかし、現代のクラブの特徴を考えると3本入れることをおすすめします。
なぜなら現代のアイアンセットの特徴は、飛距離を求める傾向にあるからです。
つまり、PWでも平気で100ヤードを超えるものもあります。
すると100ヤード以内のショートゲームで使えるクラブが2本だけになってしまいます。
この距離を2本で打ち分けることは、アマチュアにはかなり難しいです。
そのためPWが飛ぶようなら、3本セッティングを前提にしたほうが、ショートゲームを優位に進めることができるでしょう。
ウェッジの代表的なシャフト
代表的なウェッジのシャフトはどのようなものでしょうか。
ウェッジのシャフトにはカーボン製、スチール製がありますが、一般的なばら売りウェッジはスチールシャフトが装着されたものが多いです。
アイアンセットの流れを組む単品ウェッジにはカーボンもあります。
スチールが多い理由は、カーボンに比べ、しなりが抑えられタイミングがとりやすいからです。
スチールシャフトの代表と言えば「ダイナミックゴールド」ではないでしょうか。
トゥルーテンパーの大定番シャフトです。
世界各ツアーで利用率№1と言われるスチールシャフトです。
しっかりとした重さによる安定感とコントロール性能が人気の理由です。
最近では、中元調子の軽量シャフトの開発にも成功し、よりアマチュアでも扱いやすくなってきています。
国内で横並びに位置するスチールシャフトと言えば、日本シャフトの「N.S.PRO 950 series」です。
これは、軽量スチールシャフトの代名詞といっても良いでしょう。
ダイナミックゴールドは、重量感による安定性がある一方で、アマチュアには重すぎ、硬すぎで少し扱いにくい状況でした。
そんな中登場したN.S.PRO 950は、ウェッジ、アイアンの軽量スチールシャフトの代名詞となり、スチールシャフトの選び方の幅を大きく広げました。
ウェッジシャフトの重さの選び方
では、ウェッジのシャフトの選び方について少し詳しく見ていきます。
ここでは、シャフトの重さに注目して話します。
十数年前までは、アイアンセットの中にウェッジが含まれていました。
それが性能の進化に合わせてアイアンとウェッジは用途が別と考えるようになり、現在では別物として扱われています。
しかしながら大きな意味ではアイアンと同じ部類のウェッジです。
そのため、クラブの重さについてはある程度流れを考える必要があります。
始めにPWのロフト角を基準にウェッジのロフト角を考えると話しましたが、重さを考慮しないと意味がありません。
クラブの重さが大きく変わるのはシャフトです。
つまり、シャフトの重さを考えることは非常に重要です。
基本的には、アイアンよりウェッジのほうが重いものを選ぶ必要があります。
これは、アイアンの番手の流れに沿うためです。
クラブが軽くなるとどうなるのでしょうか。
軽くなると、振りやすくなりヘッドスピードが上がります。
PWを基準にロフトを決めても、軽くてヘッドスピードが上がると飛距離が想定よりも出すぎてしまうことになります。
その結果、PWの飛距離と軽いウェッジで比較すると人によっては同じになるなんてこともありえます。
そのためシャフトの重さには注意しましょう。
シャフトの硬さの選び方
次に、話をするのがシャフトの硬さです。
ウェッジのシャフトの硬さはほとんど注目されていないようです。
そこで、今回は少しマイナーですが、シャフトの硬さにも注目してみましょう。
一般的にクラブが短くなると、同じシャフトでも硬さの感じ方が変わります。
簡単に言えばしなり幅の長いドライバーが柔らかく、しなり幅が短くなるほど硬くなります。
つまり、ウェッジのシャフトはアイアンと同じでも硬く感じてしまいやすいです。
それでもブレにくくなるため問題ありませんが、フルショットをあまり必要としないウェッジの場合、考え方が変わってくるようです。
アメリカのPGAツアーに参戦している選手の中では、アイアンよりもウェッジのシャフトを柔らかくしているゴルファーが少なからずいます。
理由は距離感や打球の高さなど繊細さが必要なウェッジでは、ヘッドの感覚をいかに得るかが重要になってくるためだそうです。
実際に、タイガー・ウッズもウェッジのシャフトを少し柔らかくしてヘッドを感じやすくしているようです。
柔らかいといっても、アマチュアではスチールシャフトの硬さの違いを感じることは難しいかもしれません。
それでも海外のトッププレーヤーの考えを参考に、シャフトの選び方を考え直すことも視野に入れてみましょう。
ウェッジによる高さと距離の打ち分けを練習しよう
ここまでウェッジの選び方、少し目が行き届きにくいシャフトに注目して話しました。
最後に、ウェッジでの高さと飛距離の打ち分けについてまとめます。
ウェッジはどんなに上手に選んだとしても、使いこなせなければ意味がありません。
ウェッジで大切なことは、どのショットでも緩めずにスイングができるようになることです。
近いからといって緩めてしまってはスイングが安定しません。
一番重要なことは、フェースを自在に開閉して操れるようになることです。
開閉してもイメージ通り真っ直ぐ飛ばせるようになりましょう。
以下に、フェースの開閉でできるようになることをまとめます。
《スピンのかけ方を理解する》
ウェッジでスピンをかけるためには、ヒール側からトゥ側へ斜めにフェース面を使うことが大切です。
決して、リーディングエッジから垂直にボールを転がすわけではありません。
《高さを打ち分ける》
同じウェッジで高さを打ち分けるにはフェースを開閉しなければなりません。
フェースが開くほどロフトが寝るため、ボールが高く上がります。
《ボールとの距離感をつかむ》
フェースの開閉で、ボールの高さを出すと飛距離は出にくくなります。
そこでひとつ有効なのが、ボールとの距離です。
ボールとの距離を開けることで飛距離が出やすくなります。
フェース開閉にプラスしてボールとの距離感で飛距離調整ができるようになりましょう。
ウェッジはスコアを縮めるのに重要なクラブ
ウェッジはショートゲームを左右する重要なクラブです。
アマチュアの場合、ドライバーやアイアンを練習する傾向が強いですが、ウェッジの比率を高めて練習するようにしてください。
ショートゲームを制すれば、スコアはおのずと縮まっていきます。