ゴルフラウンドではペナルティが打数として科せられます。
想像したくないかもしれませんが、何度もペナルティが科せられると当然数えるのも大変なほどの打数となります。
スロープレーにもペナルティが科せられるのですが、果たしてゴルフラウンド中にこれ以上打ってはダメなどの打数制限はあるのでしょうか。
ゴルフラウンド中でのショットの打数制限
まずここで確認しておいて欲しいのが『ゴルフ規則第3章規則1ー1』です。
ゴルフゲームは、規則に従って1つの球をクラブを使ってティーグラウンドからプレーし、1回または連続する複数回のストロークでその球をホールに入れることから成る。
畏まった言い方なので少し理解し辛いかもしれませんが、ティーショットをしたら、何打打とうとも、カップインするまではプレーしなければならないと言うことです。
故に、ゴルフラウンド中でのショットの打数制限はありません。
もちろん打数と言うのは実際に打った数だけでなく、ペナルティで科せられた打数も含みます。
その証拠に公式記録に残っている最多ストローク記録は、1ホールで「166打」です。
耳を疑った人もいるかもしれませんが、1912年に開催されたアメリカの大会で出された実際の記録です。
更に驚くのはそのホールは106ヤードのパー3だったということです。
ティーショットを川に打ち込み、ボートに乗ってボールを追うも、見つけたのは2kmくらい下流、そこからプレーを続行し、何とかゴルフ場へ戻り、ホールアウトしたときには166打だっだそうです。
驚くほどの執念から出た最多ストロークですね。
プロゴルファーのツアーでも打数制限はない!
ゴルフラウンド中にショットの打数制限はありませんが、スロープレーが認められていないプロゴルファーのツアーでは流石にありそうですよね。
しかしプロゴルファーのツアーこそ「ゴルフ規則」に則って行われるので、打数制限は全くありません。
そうは言ってもプロゴルファーですから、初心者ゴルファー以上に打数を重ねることはないと思うでしょう。
そこで気になる数字が、プロゴルファーの1ラウンドの最多ストローク記録として残る上原彩子選手の「141」です。
決して彼女のゴルフの調子が悪かったわけではありません。
実はペナルティを科せられたことによってストローク数がそこまでになってしまったのです。
アメリカツアーをメインに活動している彼女は、その日アメリカと日本のルールを混同してしまったのです。
日本では「リプレース」、アメリカでは「1クラブレングス以内にプレース」のルールだったので、15ホールで19回「誤所からのプレー」により2打のペナルティが科せられました。
またその罰を加算せずにスコア提出をしたので「過少申告」にもなったのです。
実際のスコアは68だったのですが、結果65オーバーになってしまいました。
場合によってはゴルフラウンドでの打数制限がある
ゴルフ規則でのルール上ではゴルフラウンドでの打数制限は設けられていません。
しかし大抵のゴルフ場ではハーフプレーに掛かる時間を2~2時間半でお願いしています。
そのため前述したような1ホール166打も打ってしまっては、時間内にプレーを終えることは確実にできません。
ですからプライベートのラウンドやコンペの場合は、ダブルパー以上の打数を制限するようなローカルルールを設けることがあります。
平日など前後の組も無く比較的空いているような時は、そこまでの打数制限をすることはありません。
しかし週末で混雑している時やコンペの時は、ローカルルールを設けないと後続の組の待ち時間が増えるなど迷惑が掛かってしまう懸念があります。
そのため初心者には難しいので、同伴している中~上級者が周りの状況を見ながら打数制限を設けてあげるようにしましょう。
ゴルフ規則ではルール上打数制限はありませんが、スロープレーに関する罰則はあります。
アマチュアゴルファーの場合はスロープレーにならないように努めるのが一番大切です。
ゴルフルールで制限されている時間がある
ゴルフ規則では打数は制限されていませんが、様々なところで時間が制限されています。
一つはボールを探す時間です。
打ったボールが林の中など見つけづらいところへ行った際にボールを探すでしょう。
ボールを無くしたくないのとロストボールでペナルティが科せられるのは嫌ですから、だれでも必死になって探したくなる気持ちは理解できます。
しかしゴルフ規則ではそのボールを探す時間に制限があります。
その時間は「5分」です。
5分以内に見つけることができなければロストボール扱いとなります。
2019年からは新ルールが適用され、ボールを探す時間はさらに短縮され3分となります。
また欧州ツアーでは来季より1打ごとに時間制限を設けることを発表しました。
最初に打つ選手に50秒、後続選手に40秒以内の時間制限が設けられます。
違反した場合は1回につき1打罰を科せられるようです。
欧州ツアーのみの試みですが、良い効果が見込まれれば、このルールが日本上陸する可能性もあると言えます。
これが採用されると、日頃1打1打に時間をかけている人にとってはリズムを崩すことになるかもしれません。
暫定球に打数制限ってあるの?
皆さんは「暫定球」は分かりますか?
暫定球とはロストボールやOBの可能性がある場合に、とりあえずもう1球ボールを打っておいてプレーを続行するルールです。
スロープレーを防ぐために設けられているゴルフルールになります。
しかしその暫定球もロストボールやOBの可能性がある場合はどうなるのでしょうか。
暫定球の暫定球を打つことが可能になります。
では、次も、その次もなった場合、つまり暫定球に打数制限は果たしてあるのでしょうか。
実のところ暫定球に打数制限は無く、ペナルティは加算される一方ですがあきらめずに暫定球は打てます。
ただ注意しなければならないのが、ボールが見つかったら暫定球は放棄しなければなりません。
ですから打ったボールの番号等をしっかりと記憶しておいて、見つけたボールが最初のボールなのか、何番目の暫定球なのかを把握しておく必要があります。
最初のボールが見つかれば当然ノーペナでプレーを続行することができます。
また暫定球を打つ場合は「暫定球を打ちます!」と宣言しておかないと、最初のボールが見つかってもロストボール扱いとなるので十分注意しましょう。
ゴルフラウンドではスロープレーが一番のマナー違反
ゴルフラウンドや暫定球への打数制限はルール上確かにありません。
だからと言って好きなだけボールを打っていたら、プレーの進行はかなり遅くなります。
ゴルフ場ではプロだろうがアマチュアだろうが「ファストプレー」を心がけるように訴えています。
一人のゴルファーがスロープレーをすることで同組のプレーヤーの待ち時間が増えます。
またそれだけでなく後続組、その後続組とその日ラウンドしているプレーヤー全員の待ち時間が増えます。
つまり一人のためにその日ゴルフ場にいる全てのプレーヤーへ迷惑が掛かってしまうことになるのです。
それはプレーヤーだけに限らずスタッフもです。
プレーの進行が遅くなることで最終組のホールアウトの時間が遅くなります。
結果スタッフの勤務時間もその分遅くなることになるのは当然ですよね。
特にコースを整備する人たちは全員のプレーが終わってからの作業になるので、かなり遅くなることになります。
ですからゴルフラウンドでは、何よりもファストプレーを一番に心がけるようにしましょう。
打数をいかに縮めるかがゴルフと言うスポーツ
ゴルファーの中には飛距離を出すことに躍起になっている人がいます。
勘違いしないでください。
ゴルフはいかに打数を少なくしてホールアウトするかを競うスポーツです。
飛距離だけに気持ちが行ってしまうことで、ショットが右へ左へ行ってしまうとOBになったり、ロストボールになったりしてしまいます。
そういったことの積み重ねで、打数を重ねスロープレーになってしまいがちです。
ゴルフをプレーする目的をもう一度見直し、ファストプレーの大事さを再認識しましょう。