ゴルフクラブとの唯一の接点となるグリップですが、劣化すると滑りが気になってミスショットに繋がります。
自分でもグリップ交換は簡単にできるので、必要な道具を揃えてやり方を覚えれば、1回目以降はグリップ代だけで新しいグリップを使うことができます。
そこでグリップ交換のコツも含めて紹介します。
ゴルフクラブのグリップ交換の時期とやり方
「グリップが滑るような気がする」と少しでも不安な気持ちになったら、そのグリップに信頼性はなくなっているに違いありません。
使用期間やゴム質の劣化などを分析しなくても、こんな気持ちになったらグリップ交換したほうが良いと思います。
ゴルフでは「…かもしれない」とマイナスな考えが湧き起こると、なぜか現実に起こるものだからです。
「OBになるかもしれない」と気になると、普段はフックボールを打ったことがないのに、左サイドに吸い込まれていく経験は誰にでもあるものです。
グリップも滑りそうな気がしたら、道具さえ用意すれば、わずか1000円程度で交換できるのですから迷わずに自分でグリップ交換をしてしまいましょう。
グリップ交換のやり方は簡単です。
現在のグリップを剥ぎ取って、新しいグリップを装着するだけです。
交換する前に必要な道具を揃えておくことと、ちょっとしたコツを知れば誰でも簡単に新しいグリップをつけることができます。
まずはグリップ交換に必要な品を用意しましょう。
ゴルフクラブのグリップ交換に必要な品とやり方の手順
ゴルフクラブのグリップ交換に必要な品を揃えます。
①新しいグリップ
②カッターとペンチ(なくても可)とサインペン
③ホワイトガソリン(灯油でも可)
④両面テープ(3センチ幅以下)
⑤ウッドティーと空き缶(ステンボールでも可)
⑥ボロ布
まずは新しいグリップを購入しなければなりません。
初めてのときは交換のやり方を良く分かっていない部分もあるので、現在装着しているものと同型のグリップが安心できるでしょう。
グリップの内径は大小2種類がありますが、同じタイプだと迷うことはないはずです。
剥ぎ取るのは自宅にあるカッターで十分です。
できれば刃は新しいものを使った方が切れ味は良く、スムーズに作業ができると思います。
また切り込みを入れたあとペンチのようなもので挟んでから引っ張ると、力を必要としないので楽に剥ぎ取ることができます。
その後グリップ痕の粘着剤をホワイトガソリンとボロ布で拭き取ります。
ホワイトガソリンとはオイルライターに入れるオイルなので、100円ショップで購入できます。
また自宅の灯油でもガソリンでもOKですが、ガソリンは揮発性が高いので引火に気をつけて使用してください。
これでグリップの取り外しは完了です。
ゴルフのグリップ交換に重要な両面テープ装着のやり方
いよいよゴルフクラブに新しいグリップを装着します。
その前に、従来のグリップを剥ぎ取るときに、1つだけやっておきたいことがあります。
グリップの先端にはVまたは○などで印が付いていると思いますが、これはグリップのセンターを表しているものです。
はじめてのグリップ交換では、このセンター出しが難しいので、剥ぎ取る前にシャフトにその印が分かるように、サインペンで印をつけておきましょう。
両面テープを貼るときは、グリップの先端部分もしくはグリップエンドからラセン状に回すやり方が一般的です。
シャフトは先端が徐々に細くなっていくので、グリップエンドからスタートすると、両面テープが重なるので上手に貼れないことがあります。
そこでシャフトの先端部分から縦に貼って、そのままグリップエンドで切らずに折り返して裏側も貼ると、失敗することはありません。
ただしシャフトの太さによっては3センチ幅だと重なる場合があるので、両面テープを選ぶときには注意が必要です。
なお、縦貼りはシャフトの上下(表裏)で貼るようにしてください。
溶剤をつけるやり方がゴルフのグリップ交換の成否を分ける
グリップのないゴルフクラブに両面テープを貼ったら、次は新しいグリップを装着します。
ここがグリップ交換のもっとも重要な部分なので、やり方を間違えないように注意が必要です。
ちなみに挿入に失敗すると、そのグリップを再利用できなくなる場合もあるので、くれぐれもグリップ交換は慎重に行いましょう。
グリップ部分には両面テープが貼りついているので、そのままでは上手く挿入することができません。
そこで、両面テープにホワイトガソリン(溶剤)をかけて、表面を溶かします。
さらにグリップの内部にも溶剤を入れて、スムーズに挿入できるようにしてください。
まずグリップエンドに空気穴があるので、そこにウッドティーを差し込んで、液漏れしないようにします。
次にグリップの内部が半分くらいになるように溶剤を注ぎ込みます。
ここでグリップを強く握ると溢れる恐れがあるので注意してください。
溶剤がグリップの表面につくと、いつまでの黒色(グリップの色)がグローブや手に付くことになってしまいます。
ゴルフのグリップ交換のキモである挿入のやり方とコツ
グリップ内部の溶剤を両面テープの表面に回しかけます。
溶剤がかかっていないところがあれば、別途かけて完全に両面テープの表面が溶けるようにしましょう。
グリップの先端の液ダレをボロ布で拭き取り、グリップエンドのウッドティーを抜きます。
ゴルフクラブのヘッドを床に置き、左手でシャフトが斜めになるように持ちます。
このとき左手親指は、あのセンターの印の上を押さえてください。
右手の親指をグリップのセンターマークの上に置き、一気に挿入して両方の親指が合致させるやり方がグリップ交換の失敗しないコツです。
グリップを挿入したことでシャフトに溢れ出た溶剤をボロ布で拭き取り、グリップに歪みがないかをチェックします。
グリップを挿入するときにスッと入れることができないと、中間部分で歪んでいるかもしれないので、グリップの模様などで合わせるようにしましょう。
しっかり最後まで挿入ができていること、グリップに歪みがないこと、そしてグリップの先端まで接着されていることが、装着成功のポイントになります。
ゴルフのグリップ交換を失敗した時の補修のやり方
グリップ交換が終わっても、溶剤が揮発するまではグリップを持ってはいけません。
シャフトを握ってゴルフクラブを移動させてください。
乾燥するまでは風通しの良い屋外か、臭いが気にならない車庫などに置いておくしかありません。
さすがに部屋の中では揮発した溶剤で、目に刺激を受けたり頭痛の原因になったりするので、臭いの気にならないところで2~3日放置しておきましょう。
乾燥期間は溶剤の種類のほか温度や湿度が関係するので、一概に特定はできませんが3日間あればほぼ間違いなく乾燥しているはずです。
乾燥するとき直射日光の当たる場所は厳禁です。
ゴム質の劣化原因のひとつに日光があるので、せっかく滑らないグリップをつけたのに、使用する前から劣化が始まるのは避けたいものです。
また両面テープがよれて違和感がある場合、装着後すぐであれば抜き取ることができます。
細い棒の先にボロ布を巻いて、内部にへばりついた両面テープを取り除けば、あとは同じやり方で再利用することができます。
ゴルフのグリップ交換は「一気」のやり方が成功を呼ぶ
ゴルフのグリップ交換は自分で簡単にできるものです。
1度でも交換のやり方が分かれば、自分の好みのグリップにカスタマイズすることもできます。
上手く仕上げるコツは溶剤をグリップの表面につけないこと、挿入は一気に行うこと、そしてセンターポジションに合わせることの3点です。