ゴルフ場で受付をするときの服装規定って必要ないかも?

最終更新日:2018/09/12

ゴルフ場の受付では、ジャケットなどの服装で身を整えることがマナーだと言われていますが本当にそうでしょうか?

プレーをしにいくのに受付の服装は関係ないかもしれません。

ゴルファーの聖地と比較して日本のゴルフ場の服装解釈の間違いについて紹介していきます。

ゴルフ場の受付のために服装を整える必要ってあるの?

以前と比べると、ゴルフ場の服装についての不満は少なくなったような気がします。

「猫も杓子もクラブを持つ時代」から、ブームが落ち着いたこともあって、受け入れるゴルフ場側も接客業であることを、少しは学習したのかもしれません。

そもそもゴルフ場で受付をするのに、ジャケットを必要とするなんて田舎臭いルールを決めたのはゴルフ場のメンバーです。

本来の服装規定は、倶楽部のメンバーが内規で決めるもので、原則論からするとゴルフ場を経営する企業はタッチしていません。

「我が倶楽部はハイグレードな人の集まり」と考え違いをした人達が、ドレスコードみたいなものを作り、我が倶楽部に仲間入りするならと、上着を着用することを義務付けたわけです。

倶楽部がどんな規約や内規を作っても構いませんが、メンバーではないゴルファーが独自に予約した場合は、その規約に従わなければならない理由はありません。

もちろんメンバー同伴やメンバー紹介であれば、規約を了承した上での利用ですから、倶楽部が決めた服装に配慮するのも礼儀ですが、ビジター予約であれば気にする必要はないはずです。

本場ではゴルフ場の受付で服装規定を設けていることは恥?

倶楽部が内規で定めた服装規定であれば、受付でなにも気にする必要はありません。

一般的な倶楽部とは、メンバーで構成される任意団体であり、学校の部活動と大差はないからです。

体育館に練習にきた外部の人が、部活の規約である丸坊主や、お揃いのジャージを着ることはないはずです。

まして普段から部活も使用しているという理由で、その部活の規約に合わせる必要などあるわけがないのです。

世界的に名高いゴルフ場のセント・アンドリューズはパブリックコースですから、早朝のパロット(スタートは抽選できめる)の時に服装の規定などありません。

セント・アンドリューズはパブリックコースではありますが、13の倶楽部がホームコースとして存在していて、そこの会員になるのは超難関です。

倶楽部の中には「女性は認めない」といった、いまでは不合理と思われる条件があります。

しかし「ジャケット着用」といった規約はないはずです。

倶楽部の仲間に見合った人だけを入会させているので、ことさらジャケットなどの服装規定を強調する必要はないわけです。

聖地と呼ばれるセント・アンドリューズでは、「我が倶楽部はハイグレードな人の集まり」と、外部に向かって発信すること自体が恥ずかしいことなのかもしれません。

ゴルフ場が受付の服装にこだわるのは造成費を捻出するため?

倶楽部が主体になってメンバーの規約を作るのが本来ですが、実際には開場前に会員権は販売されていて規約も決まっています。

つまり現行の服装規定は、ゴルフ場を運営する企業が作ったものを修正せずに使っているわけです。

ゴルフ場を造成する時には、莫大な資金が必要になるので、縁故募集に始まり、1次募集、2次募集と徐々に会員権を販売していきます。

発起人ともなる理事者を決めて、次にその縁故者を勧誘します。

理事者や縁故者は格安で会員権を取得できますが、自分が広告塔になって1次募集からの入会を集める手助けをします。

地元の有名人が名を連ねていれば、新規入会者は安心できるわけですが、そこで服装規定などがあると「ハイグレードなゴルフ場」が連想されて、安い買い物であると思い込むことがあるかもしれません。

つまりゴルフ場が決めた服装規定は、マナーやエチケットのためではなく、造成の資金集めのためのセールスコピーだったわけです。

すでに造成した企業は雲散霧消のはずですから、あえてジャケットを着て受付をする必要はないかもしれません。

受付やプレーで服装規定があるゴルフ場の矛盾

世界のゴルファーから「聖地」と呼ばれるゴルフ場では、受付で服装に規定など設けていませんが、倶楽部に入会してハウスを利用する場合には、それなりの準備が必要かもしれません。

タイガー・ウッズが全盛期の時に、「まだ入れないゴルフ場がある」と差別について語ったことがあります。

善し悪しは別としても、倶楽部とは閉鎖的な集まりなので、何を基準におくかは運営者であるゴルフ場が決めることなのです。

そうは言っても日本のゴルフ場で、純然たる倶楽部制を敷いているところは極わずかです。

過去に総理大臣がゴルフの予約をしたら、「メンバーではないので」と断わった話は有名ですが、このくらいの気概があれば、ジャケットだろうとタキシードだろうと服装規定に合わせて受付を済ませるのではないでしょうか。

人気の女子プロツアーですが、大会会場の中にはドレスコードで「ノースリーブ不可」と一般利用者に通知しながら、女子プロはノースリーブに超ミニスカートでも許しているところがあります。

こうしたダブルスタンダードの服装規定こそ、マナーに反しているのではないでしょうか。

ゴルフ場の受付での服装はTPOを考慮しても意味はない?

日本のゴルフ場に服装規定を設けているのが、オカシイと言うことではありません。

受付のわずかな時間のために、ジャケット着用などの規定を盛り込まないと、他の利用者が不快に思うことがあるのかを問うたら、意味のない規定になっていると言うことです。

一方でプレーにおける服装については、以前からある程度の指針が明示されたほうが良いとの意見があるようです。

夏の暑い日に服装自由のアメリカンスタイルのセルフコースで、上半身裸でサンオイルを塗ってプレーをしていたので注意したところ、『自由』を楯に言い返されたことがあったそうです。

また雨の日だからと水着でプレーをしたり、日焼けが嫌だからとフェースマスクで顔を覆ってジェイソンに見えたりでは、周りの人は不快に思うのは当然のことかもしれません。

時と場所と場合によって服装を選ぶ「TPO」は、スポーツにとって必要なことです。

倶楽部ライフよりもスポーツの観点から、ゴルフの服装を見直したほうが良いのではないでしょうか。

それでもゴルフ場が規定した受付の服装は守ることが前提!

雨でスタートができなくても、倶楽部ハウスで仲間と語り合うような時間を過ごすのが倶楽部ライフとするなら、雨を理由にハウスに行かずにキャンセルするようなメンバーは、服装について規定を作っても笑い話にしかなりません。

しかし「決まり」は決まりなので、守らなくては受付をすることができません。

どんなゴルフ場であっても、ジャケットを用意しておいて基本は着用、天候や気温によっては左腕にかけて受付をすれば、トラブルなく済ませることができるはずです。

またゴルフシャツは襟付きのものを選び、革靴かノンスパイクの練習場用シューズが良いかもしれません。

逆にNGなのはTシャツのみやジーパン、さらに作業服や戦闘服(迷彩柄)などは、TPOとして向いていません。

また帽子はボストンバッグの横にでも置いて、受付カウンターの上に置かないようにしましょう。

雨の日のレインウェアは、受付を済ませてから着用した方がスマートです。

駐車場から濡れないように着たとしても、一旦脱いでから受付をするようにしましょう。

他人の家を訪ねる時の一般的な訪問マナーを参考にするとハズレはありませんが、あえて過敏になる必要もないはずです。

ゴルフ場がドレスコードで受付の服装を指定していたら従おう

いまではゴルフ場が服装にこだわって、受付を拒否するところは稀だと思います。

またゴルフ場自体も、その服装規定に確固たる意味があるとは思っていないはずです。

ただしドレスコードが設定されていれば、指定された服装を準備しないと受付ができないので、素直に従うようにしましょう。