いまやゴルフの服装でも定番となりつつある「レイヤードスタイル」。
レイヤードスタイルとは重ね着のことで、半袖や半ズボンにインナーを合わせて着るスタイルのことを言います。
プロのトーナメントツアーでプロが着用しているので、ドレスコード違反になり得る認識を持っている人はほとんどいないでしょう。
果たしてそんなレイヤードスタイルはゴルフではありなのでしょうか?
ゴルフの服装でインナー着用が定着した理由
ゴルフの服装でインナーを着用するのは、現在では違和感がないほど普通のことになっています。
しかし昔のゴルファーからしたら考えもつかなかったことかもしれません。
ではなぜインナーを着用することが定着したのでしょうか。
まずインナーを着用する理由として第一に上げられるのが、紫外線予防です。
特に女性ゴルファーに多いのですが、半袖のポロシャツを着て屋外でプレーをすると半袖の日焼け跡がついてしまい、プライベートでノースリーブを着ることができなくなってしまいます。
また近年紫外線の強さも多く話題に上り、紫外線予防のために着用する人も増えています。
最近では日焼け予防だけでなく、高機能なインナーの登場により、ゴルフスイングをサポートする目的で着用している人もいます。
それだけでなくゴルフスイングで負担の大きい肘や腰、膝をサポートするために着用している人もいます。
正直ファッションとしてインナーを着用している人は今やほとんどいないのではないでしょうか。
驚くべきゴルフで着用するインナーの性能
ゴルフの服装でインナーを着用している人は昨今多いですが、現在のインナーの性能にはどのようなものがあるのでしょうか。
近年は「インナー」とは言わず、「高機能インナー」と言うのが普通です。
それくらいインナーには様々な性能があるのです。
高機能インナーはどれも特殊な繊維を使っています。
そして特徴的なのが、関節や筋肉の場所によって網目の細かさやカッティングパターンを変えたりして、着圧を変えているところです。
ゴルフに限らず、運動するときに着用すると以下のような効果を得られるようになっています。
①筋肉のブレを軽減する。
②ストレッチ性能により関節や筋肉をより動かすことができる。
③血行を良くする。
またそれだけでなく夏であれば紫外線予防や速乾吸収性、最近であれば冷却効果をも持ち合わせています。
そして冬用のインナーになると体が発した汗をインナーで保温する機能もあります。
冬用のインナーであれば納得ですが、夏用のインナーでは1枚多く着ることで涼しくなるのでなんとも不思議な気持ちになります。
そして今年は猛暑続きなこともあり、冷却機能のあるインナーが例年よりも爆発的に売れているようです。
インナーを着用する服装がNGのゴルフ場の見解
先に説明したインナーの性能を考えると着用すべきなのではと思う人も多いでしょう。
実際に既に着用していますと言う人も少なくないはずです。
しかしインナーを着用する上で気をつけなければならないのが、インナーを着用する服装をドレスコード上でNGとしているゴルフ場が存在することです。
こんなにゴルファーのための様々な性能を備えているのになぜダメなのでしょうか。
インナーは基本的にぴったりとフィットした素材の物が多いです。
NGとしているゴルフ場としては、体にぴったりとした素材は下着として見なすのです。
ですから半袖からインナーを出すレイヤードスタイルは、そのようなゴルフ場にとっては下着を見せてプレーしていると考えています。
そんなの時代錯誤だと言いたくなる人もいるかもしれませんが、会員制のゴルフ場ではメンバーの意見が優先されます。
そのためメンバーの方全員がインナー着用を認めれば、そのゴルフ場でも許可されるようになるでしょう。
しかし一人でもそれはゴルフ場にはふさわしくない格好であると言えば、それはゴルフ場のドレスコードとして認めるわけにはいかないのです。
中には着用していた場合の替えの洋服まで準備しているゴルフ場もあるくらいです。
ゴルフ場での服装は郷に入ったら郷に従え!
ゴルフでインナーを着用する服装がNGになることに疑問を呈する人もいるでしょう。
プロゴルファーでも着用している選手は少なくありません。
もちろん様々な性能を持っているのですから、少しの変化を嫌がるプロゴルファーにとって、日頃着用しているインナーを脱ぐことはゴルフスイングに影響をもたらす可能性もあります。
そういった考えや意見は十分納得できるのですが、だからと言って頑なにインナーを着用すると言うことは不可能です。
インナー着用を認めていないゴルフ場ではプレーどころか入場を拒否される場合もあります。
もちろんプロゴルファーもスポンサー契約があれどもトーナメント会場でNGになっている服装はできません。
そのような場合はゴルフ場の意向に沿ったゴルフウェアを着用するしかありません。
どんなことでも言えるのですが、郷に入ったら郷に従うべきなのです。
それはプロゴルファーにも同じことが言えます。
会員制のゴルフ場はビジターとしてプレーさせてもらう立場にあるのですから、どんなに機能性を重視しているからと言っても、ダメと言われたらそれを脱ぐ他ありません。
最近はショートパンツとのレイヤードスタイルも普及
ゴルフでのインナー着用の服装はトップスのイメージが強いですが、最近はショートパンツとのレイヤードスタイルも普及しています。
女性ゴルファーにはもともと普及していたので違和感がないかもしれませんが、最近は男性ゴルファーにも普及しています。
女性ゴルファーは日焼け防止や生足を出したくないと言うような人が着用していましたが、男性ゴルファーは高性能インナーとして着用している人が多いです。
驚くことにアンダーに着用するインナーの機能は、「とまる」や「ねじる」と言った下半身の動きによる膝や腰のサポートをしてくれます。
また瞬発的な動きに対応する機能もあるので、下半身を主に使うゴルフには着用した方が良いと言うよりも着用すべきと言った方が良いかもしれません。
しかしボトムスのインナー着用はトップスよりも定着していないので、ベテランゴルファーの人が見たら違和感を覚える可能性はまだまだあります。
他の組の人でしたら気にすることはありませんが、年配者の方と同組のラウンドの際は避けた方が良いかもしれません。
会っていきなり服装を注意されるなんてことがあると、一日のゴルフが楽しめなくなるので、事前にそのようなことは避けておく方が賢明でしょう。
冬のインナーで気をつけること
ゴルフでインナーを着用する服装にはメリットが多いことが分かりました。
冬にインナーを着用するのは、防寒のためもともと着用していた方も多いでしょう。
しかし冬にインナーを着用することで気をつけて欲しいのが、重ね着し過ぎてしまうことです。
寒いからと分厚いアウターを着るとゴルフスイングがしづらくなるので、インナーをいつもより多めに着れば大丈夫と思う人もいるかもしれません。
しかしそれは大きな間違いです。
薄いインナーを重ね着しても着膨れするのは同じことです。
むしろインナーを重ね着してしまうとプレー途中で脱ぐことが難しいので、ハーフ休憩まで我慢しなければならなくなります。
そして保温効果のあるインナーは思いのほか効果が大きく、一枚でも動いている内に温かくなるどころか暑くなってしまうこともあります。
インナーを重ね着したとしても細身の人で2枚までが限界です。
どうしても寒い場合は厚めのアウターを羽織り、ショットする際に都度脱ぐなどして対策するようにしましょう。
インナーを上手く活用するのも一つの手段
現在インナーには様々な種類があります。
冷却や保温だけでなく、サポート性のあるものも増えています。
またゴルフスイングに特化した作りのものもあるので、機能性を細かくチェックして、自分のために優れたものを選ぶと良いでしょう。
今やインナーはファッションだけでなく、あなたのゴルフをサポートしてくれるゴルフ道具の一つとなるのです。