ゴルフルールのドロップエリアとそこでのドロップ方法を学ぶ

最終更新日:2018/07/29

ウォーターハザードや修理地などで見かけるドロップエリアに関わるゴルフルールは、変則的で間違いやすいものです。

またドロップエリアでのドロップの仕方にもルールが定められています。

知らないとペナルティを科せられたり、競技中であれば失格になることがあります。

ゴルフをしていれば必ず訪れる場面ですから、ここでしっかり確認しておきましょう。

ゴルフ場のドロップエリアとは

まずはゴルフ場に存在するドロップエリアとは何なのでしょうか。

ウォーターハザードや修理地などにボールが入った時の救済で、ルールに従って処置することが不可能と委員会(プライベートな場合は同伴競技者やキャディ)が考えた場合、ボールをドロップできる、もしくはしなければならないエリアがドロップエリアです。

ドロップエリアは強制的なものと言うより、基本のルールに基づいて適用できる処置に追加される救済の選択肢です。

ですから通常はそこからプレーする義務はないと言うことになります。

しかし基本的にそこに有利な選択肢はほとんどありません。

またドロップエリア以外でも動かせない障害物の中や上にあるボール、それらがプレーヤーのスタンスや意図するスイング区域の妨げになる場合にも、ボールをドロップできる救済処置を受けることができます。

また救済を受けボールをドロップする際も、状態によって処理の仕方が変わります。

ドロップするだけの行為なのですが、処理が変わってくるので救済を受けても非常に複雑です。

ドロップエリアに関わるゴルフルール

ドロップエリアを使用する場合、ボールのドロップまたはリドロップに関してのゴルフルールが存在します。

まずボールをドロップする際にドロップエリア内に立つ必要はありません。

そしてドロップされたボールはドロップエリア内のコース上に最初に落ちなければなりません。

ドロップエリアに落とすボールは2クラブレングス以内となっています。

エリアが線で記されている場合、その線はドロップエリア内となります。

またボールはエリア内に最初に落ちなければなりませんが、落ちた後にエリア外に出てもOKです。

ではドロップしたボールがハザード内に転がり込んでしまった場合はどうなるのでしょうか。

そこがOBであっても池であってもペナルティを科せられることはなく、リドロップすれば大丈夫です。

またドロップされたボールがグリーンに近づくなど有利な場所に止まっても問題ありません。

このような時のために、有利な位置に上手くドロップをコントロールできるよう練習しておくと良いかもしれません。

ゴルフルールを知らないとペナルティが科せられる

ドロップエリアに関わるゴルフルールを理解できたでしょうか。

ゴルフルールを知らないと間違った処置をしてしまい、ペナルティが科せられてしまいます。

ドロップエリアで注意しなければならないのは、ドロップエリア内にボールが落ち、2クラブレングス以内にボールが止まればホールに近づいてドロップエリア外に転がっても問題ないにも関わらず、正しくドロップできなかったと勘違いしリドロップしてしまうことです。

最悪なのはそれに加え、間違いに途中で気づきボールをリプレースしてプレーを再開してしまうことです。

これはボールを動かしたことによる1打罰、そしてリドロップしたボールを打ってしまうと誤所からのプレーによるペナルティで2打罰が科せられます。

ゴルフルールをしっかりと理解していないと、せっかく救済処置を受けることができるのに、それが原因で救済どころかペナルティを科せられてしまいます。

もし不安に感じたり、ゴルフルールがはっきりしない場合は、競技委員やキャディ、同伴競技者に必ず尋ねるようにしましょう。

ゴルフルールにおけるドロップエリアの処理の仕方

救済を受けボールをドロップする必要があるシチュエーションは、ゴルフルールに乗っ取って処理の仕方が変わってきます。

異常なグラウンドの状態や動かせない障害物の中や上にあるボール、プレーヤーがスタンスや意図するスイングの妨げになる場合は、救済のニアレスポイントから1クラブレングス以内でホールに近づかないドロップエリアにドロップしなければなりません。

ボールがウォーターハザードに入り救済を受ける時は、その境界線をボールが最後に横切った地点、アンプレヤブル宣言をして救済を受ける場合は、ボールがある場所を基点にその点とホールを結ぶ線の後方線上にドロップできます。

この際に距離に制限はありません。

ボールがラテラルウォーターハザードに入り救済を受ける時は、その境界線上を最後に横切った地点、その対岸のホールから同じ距離にある境界線上の淵から2クラブレングス以内で、ホールに近づかないハザードの外側の場所、アンプレヤブル宣言をした場合は2クラブレングス以内でホールに近づかない位置にボールをドロップしなければなりません。

このように処理の仕方には様々な決まりが定められています。

しかしローカルルールで禁じられていない場合は、救済を受ける権利を放棄してプレー続行することも可能です。

ボールのドロップの仕方

ゴルフルールとは細かく定められており、ドロップエリアに関するルールだけでなく、そのドロップの仕方にもルールが定められています。

ボールのドロップはプレーヤーが直立した姿勢から腕を伸ばし、肩の高さからボールを落とさなければなりません。

プレーヤーやキャディなどの足や道具にボールが当たった場合はリドロップです。

ルール通りにボールを落とさずにプレーを再開した場合は1打罰が科せられます。

またボールに故意に回転を付けてドロップするような行為はルール違反となるので注意しましょう。

しかしこのルールも2019年に改正される予定です。

新ルールでのドロップの仕方は、肩の高さから膝の高さへと変更されます。

またドロップしたボールは、ドロップが許されるエリア内に止まらなければリドロップとなります。

肩からボールを落とすよりも、膝からボールを落とす方がぐっとコントロールしやすくなるでしょう。

膝からと決まる前はどこからでも良いと言う案が出ていましたが採用されませんでした。

さすがにどこからでも良いとなると好きなところにボールを置くのと変わらないので、度を超えた救済処置になってしまうと判断されたのでしょう。

ゴルフルールは2019年は大きく変わる

ゴルフルールの改定は規則は4年に1度、裁定集は2年に一度見直しが行われています。

裁定集とは、実践例が載っており、Q&A形式で解説されているものです。

毎年世界中から何千も届くルールに関する質問をピックアップして、2年に1度出しているのが裁定集なのです。

ゴルフルールとは1744年にスコットランドで作成されました。

「あるがままの原則」はそれから変わることなく決められていますが、それ以外は年々少しずつ改正されてきました。

それでも「少しずつ」だったので多くのゴルファーが混乱に陥ることはありませんでした。

しかし2019年のルール改正では大幅に改正されることとなります。

よりゴルフが簡単になるような改正なのですが、長年ゴルフをやってきた人にとっては大きな混乱となるでしょう。

先に話したようにドロップエリアでのドロップに仕方も改正されます。

間違った処置をしてしまわないように、一度ゴルフルールをしっかりと確認しておくことをオススメします。

キャディバッグにゴルフルール規則を入れておこう

プロゴルファーでも、キャディでもゴルフルール規則をすべて覚えている人はそういないでしょう。

頻繁にラウンドしないアマチュアゴルファーの方であれば尚更です。

かと言ってルールを守らないわけにもいきません。

ここで紹介した複雑なドロップエリアでの処置など、細かく覚えていくのは大変です。

ですから困ったり悩んだりした時のために、ゴルフルール規則を一冊持っておくと良いでしょう。