ゴルフ好きの先輩たちがある時飲み会で、握りだとかオリンピックの話に嵩じていて、ある人は儲かったとか、またある人は損をしたとか言って大いに盛り上がっていました。
しかし、この握りだとかオリンピックとは、一体どういうことなのでしょうか?
スポーツであるゴルフの世界にそんなこともあるのです。
ゴルフの握りはオリンピックなど楽しみを増す一種のスパイス
スポーツであるゴルフの基本はスコアを競い合うというものですが、愛好者の中にはプレーだけでは飽き足らず、ちょっとした遊びを加えて楽しもうという方々も少なくありません。
料理に様々なスパイスが、そして日常からちょっと外に出て刺激的な夜の世界を求めるように、人は単調な人生に飽き足らず、日常とは異なる味を求めて彷徨う習性がどうやらあるようです。
ゴルフの握りもそんな人の営みのひとつかも知れません。
つまりゴルフは単にスコアを競うだけでなく、緊張感と面白さを楽しむ遊びでもあるのです。
このようなゴルフを通じての遊びを総称して「握り」と言います。
「今日は握りましょう!」と誘われたら、それはその他のゲームも併せて楽しみましょうということです。
こうした「握り」は50種類近くもあるのですが、その地域や仲間の親密度などによって、そのルールも少しずつ異なっているようです。
その代表的なものが『オリンピック』というゲームです。
ゴルフの握りの王道のオリンピックの他にはどんなものが?
ゴルフの握りはあくまでゴルフを楽しむためのスパイスであって、高額な金銭を掛けるのは人間関係を悪くすることになるので、避けた方が賢明です。
さて、ではゴルフにおける握りとは、具体的にはどんなものがあるのでしょうか?
一般的な握りには次のようなものがあります。
1.バーディ、イーグル
バーディをとると5点、そしてイーグルは10点などと決めておけば気合が入りますよね。
2.ニアピン
ショートホールでピンに一番近い人がもらえます。
一般的には3点が多いようですが、これも仲間内での決めごとです。
3.オリンピック
これは握りの中でも最も一般的なものです。
勝負はグリーン上でのパッティングとなります。
最も遠い人が金で、ピンに近づくにつれて銀、銅、鉄となります。
そしてワンパットで入れると、種類に応じた点数がもらえます。
なお外から直接入れるチップインの場合はダイヤモンドとなります。
一般的にはダイヤモンドが5点、金が4点、銀が3点、銅が2点、そして鉄が1点です。
オリンピックはパッティングの勝負ですから、パット技術の向上にも繋がります。
ゴルフ握りの王道といわれるオリンピックを更に掘り下げる
さてゴルフの握りの王道といわれるオリンピックのルールは上述の通りなのですが、これに様々な嗜好を凝らしたオプションなども含めて、オリンピックというゲームをもう少し掘り下げてみましょう。
1.くず鉄
最もピンに近い鉄の権利を持つ人がワンパットで入れれば1点を獲得することになりますが、もし失敗すれば、それはくず鉄となって減点され、残りの人に点数が加算されます。
2.淡谷のり子
カラーにボールが止まると減点されて、残りの人に点数が加算されます。
これはオリンピックのダイヤモンドの他、金、銀、銅、鉄などを狙って、わざとグリーンに乗せないことを防止するために適用されるものです。
3.サオ
これはボールの位置がピンのサオの長さ以上ある場合、サオを宣言することができるというものです。
宣言をしてワンパットで入れれば、金、銀、銅、鉄それぞれの基本点を2倍にした点を得ることができます。
逆に2パットで入らなければ、同じ点数だけ残りの人に加算されます。
リスクを負って勝負に出るか否かの決断力が問われます。
4.消しゴム又は消防車
グリーンに乗せることができなかった者が、外からチップインでバーディを獲得した場合、確定していたニアピン賞が取り消され、次のホールに持ち越されるというもの。
5.一通やカン
金銀銅鉄が揃った一通や、同じものが4つ揃ったカンなど、麻雀のように得点を与えるケースもあります。
ゴルフ握りの王道のオリンピック以外の主要なものはなに?
ゴルフの握りの王道と言われるオリンピックの他には、どのような握りがあるのでしょうか。
冒頭に50種類近くあるとお話しましたが、その中でも握りとして良く採用されているものについていくつか触れてみましょう。
1.ベスト(スキンズ・マッチ)
1ホール毎に最もスコアの良かった人が1人勝ちとするゲームで、同スコアの場合は次のホールへ持ち越し。
2.ヨコ
1ホール毎に最もスコアの良かった人が1人勝ちとするゲームで、次のホールへの持ち越しはしないことが多いようです。
3.タテ
アウトの9ホールと、インの9ホールの合計で争うゲームです。
4.ナッソー
1ラウンドを3つに分け、アウト、イン、トータルでそれぞれを1ゲームとして、マッチプレー形式で勝敗を争うゲームです。
ゴルフの賭けとしては、世界中で最も親しまれているものです。
5.ピン・ポン・パン
最初にグリーンに乗った人が「ピン」、全員がグリーンに乗った時、一番ピンに近い人が「ポン」、最初にカップインした人が「パン」となって、ピン・ポン・パンになった人たちはそれぞれ点数をもらえる。
6.お友達
各ホールのティーショット毎に、フェアウェイの左側2人、右側2人がそれぞれお友達となり、そのホールの合計スコアで勝敗を決めます。
従ってお友達は各ホール毎に変化することになります。
ゴルフ握りの王道のオリンピック以外の危険なラスベガスとは
ここではさらに、ゴルフの握りではオリンピックほど一般的ではないものの、稀に使われているゲームを紹介しましょう。
ラスベガス
ラスベガスというゲームは前項で紹介した「お友達」の要領(フェアウェイの位置)でペアを決めます。
そしてそのホールのペアの小さいスコアを10の桁、大きいスコアを1の桁にして数字を作ります。
例えばAさんとBさんがペアになったとします。
このホールのスコアはAさんが4でBさんが5の場合の点数は45点となります。
そしてもう一方のペアのCさんDさんは、Cさんが5でDさんも5の場合の点数は55点となり、ABさんのペアに差である55-45の10点が入ります。
しかしパー4のホールで、Aさんがバーディーの3であがり、Bさんがパーの4であがった場合の点数は34点となります。
この時もう一方のペアであるCさんとDさんは、Cさんが5でDさんが6の場合56点となり、スコアの差は本来56-34で22点となるのですが、バーディーを獲った場合は相手ペアの数字を前後逆に、つまり56点から65点にすることができるため、差は31点とかなり開くことになります。
このラスベガスというゲームは、このように最も点数が出やすい危険なゲームといえます。
ですからお金は絶対にかけないようにしましょう。
ゴルフ握りのオリンピックなどの個人毎の得点を集計する方法
これまでゴルフの握りに関するオリンピックをはじめ、様々な握りについて触れました。
最後にここでは、個人ごとの得点結果の集計方法について触れてみます。
今回このパーティーではニアピンとオリンピックのふたつに限定してプレイが行われたと仮定します。
Aさんはふたつのニアピン3×2=6点と、オリンピックは24点を獲得し合計30点でした。
Bさんはひとつのニアピン3点と、オリンピックは15点の合計18点でした。
Cさんはひとつのニアピン3点とオリンピックは9点の合計12点でした。
Dさんはオリンピックの10点だけでした。
この結果、それぞれの得点の結果はどのように計算すれば良いのでしょうか?
次のように計算すればすぐに出てきます。
まず全員が獲得した点数を合計します。
Aさん30点、Bさん18点、Cさん12点、Dさん10点で、4人の合計は70点です。
次にそれぞれの点数を4倍します。
つまりAさん30×4=120、同様にBさん18×4=72、Cさん12×4=48、Dさん10×4=40となります。
それぞれの得点は、全員の合計点である70との差を求めます。
つまりAさんは120-70=50点、Bさん72-70=2点、Cさん48-70=マイナス22点、Dさん40-70=マイナス30点となります。
結果はAさんの圧勝ということになります。
ゴルフの握りはオリンピックなどに抑え、度を過ぎないこと
これまでゴルフの握りでポピュラーなオリンピックの他、様々なゲームについて触れてきました。
こうしたゲームを取り入れることも、仲間内では結構楽しいアクセントになるものです。
けれどもこのアクセントも度が過ぎれば、対人関係にひび割れをもたらすことにもなりかねません。
ですから適度な握りということに抑えて、ゴルフ本来のプレイを楽しむようにしてください。