スポーツには技量が違うと勝負にならない種目が良くあります。
しかしゴルフにはハンディというルールがあって、技量の優劣に関わらず様々なレベルの人が同じ土俵で競えるようになっています。
これぞゴルフの妙味と言われるところです。
しかし参加メンバーが不特定多数の場合はハンディが良く分かりません。
これを解決する方法として、かつてはペリアが、そして最近はダブルペリア方式が良く使われているようです。
ゴルフのルールとしてダブルペリアが使われる理由とその背景
ゴルフはより少ない打数で勝負するスポーツです。
プロのトーナメントなどでは、3日目のトップは○○プロが10アンダーで、2位に5打差をつけて先頭を走っている、などと報道されています。
ハンディというルールがあるのがゴルフの妙味であると紹介しましたが、プロは実力の世界ですから当然グロス勝負です。
ハンディのないスコアをグロスと言います。
とは言え一般ゴルファーがグロスで勝負をすれば、優勝をするのはいつも上級者の数人となって、面白くもなんともないですよね?
これを調整するのがハンディなのです。
これによって参加者の全てに優勝のチャンスが巡ってくるという訳です。
そして優勝をすると、次回のハンディは例えば3割カットするなどの調整で、より多くの人に優勝のチャンスが巡って来るようにすることができます。
けれどもこのハンディ制は、互いにレベルを知る仲間内だけであれば問題ないのですが、不特定多数の人が参加する場合、実力が分からないことになります。
そこでダブルペリアという方式を使うことになるのです。
ゴルフのルールのダブルペリアとはどういう方式?
ではここで、ゴルフのルールであるダブルペリア方式を詳しく見ていきます。
この方式は例えスコアが悪くても、運さえ良ければ上位に食い込めるかもしれないというものです。
ではダブルペリア方式とは具体的にどういうものなのでしょうか。
この方式は18ホールの中から12ホールを隠しホールとして選びます。
プレーヤーはどこが隠しホールなのかを知らない訳ですから、大叩きをした時などは、「ここが隠しホールだったら良いのに…」などと呟きながらラウンドしているのです。
この隠しホールは通常ゴルフ場側が決めています。
そしてダブルペリア方式で計算したハンディを元に成績表を作ります。
但し、基本的なことを事前にゴルフ場側へ知らせておくことが必要です。
それは打数の制限をパーの2倍までとか、ハンディの上限を例えば36に制限するといったことです。
また同じハンディになった場合のことを考えて、年齢の高い順などと決めておくことも必要です。
かつてはコンペの幹事団で計算をしていましたが、コンピューターの時代の今では、ゴルフ場側がパソコンであっという間に成績表を作成してくれます。
ゴルフのルールがダブルペリアになる少し前の幹事団の苦労
今でこそゴルフコンペのルールはダブルペリア制、或いはハンディ制などと、ゴルフ場に連絡しておけば、あっという間に成績表を作ってくれます。
しかし1990年代当時のコンペでは、まだパソコンが普及していなかったため、幹事団にとっては結構負担になっていました。
当時は大きな模造紙の成績表を準備して、終えた者から順次スコアを記入していたのです。
ハンディ制であれば、グロスのスコアからハンディを差し引いたネットのスコアを計算して、すぐに順位が決まります。
そして技術賞といわれるドラコンやニアピンの結果を書き込むと、成績表は完成します。
しかし、それぞれの実力が不明な仲間によるコンペではハンディ制が採用できないため、当時はペリア方式が多く用いられていました。
幹事団にとって、このペリア方式での成績表の作成は結構大変な作業だったものです。
ペリア方式は隠しホールを6ホール設定します。
幹事団は個人ごとのスコアカードを眺めながら、隠しホールのスコアを集計して計算しなければならなかったからです。
参加者が多ければ、それは膨大な作業量となって、いくらかの計算ミスもあって、大変な混乱を招くということは日常茶飯事のことでした。
ゴルフのルールがダブルペリアになる前のペリア方式とは?
それではゴルフのルールがダブルペリアになる前に適用されていた、ペリア方式について触れてみます。
ペリア方式では隠しホールがOUTとINで3つずつの6ホールを選びます。
通常はパー3、パー4、パー5をOUTとINで選び、合計が24になるようにします。
ハンディキャップの計算方式は(隠しホールの合計×3-72)×0.8で計算します。
6つの隠しホールで計算したハンディキャップは次のようになります。
左から隠しホールの合計スコア、ハンディを表します。
24 0(隠しホール全てをパーで上がった上級者)
25 2.4
26 4.8
27 7.2
28 9.6
29 12.0
30 14.4
31 16.8
32 19.2
33 21.6
34 24.0
35 26.4
36 28.8
37 31.2
38 33.6
39以上 36(上限を36とした場合)
例えば隠しホールの合計が30でグロススコアが95の場合。
(30×3-72)×0.8=14.4
これがハンディキャップですが、小数点以下は四捨五入や切り捨てなど、色々な方法があります。
ネットスコアは95-14.4=80.6となります。
ここで問題となるのが打数の制限と、サンプルの少なさでした。
通常はダブルパーなのですが、無制限にしたコンペも少なくなく、大叩きした人が得をして不公平との意見もあったようです。
そこで前後半6つずつの12の隠しホールのダブルペリアが、近年は多く採用されることになったようです。
ゴルフコンペのルールがダブルペリアのハンディの計算方法
では最近のゴルフコンペのルールで良く使われるダブルペリア方式の計算方式とは、どういうものなのかを具体的なスコアで見ていきましょう。
左から各ホール数、PAR数、実際のスコア、隠しHole適否、隠しHoleスコアを示します。
(OUT)
1番 PAR5 6
2番 PAR4 6(隠しホール)6
3番 PAR3 3
4番 PAR5 6(隠しホール)6
5番 PAR4 5(隠しホール)5
6番 PAR3 5(隠しホール)5
7番 PAR4 9(隠しホール)8 (9打でも、ダブルバー打数制限なので上限の8)
8番 PAR4 6
9番 PAR4 6(隠しホール)6
OUT TOTAL 52
(IN)
10番PAR4 4
11番PAR4 5(隠しホール)5
12番PAR4 5
13番PAR5 5(隠しホール)5
14番PAR3 4(隠しホール)4
15番PAR5 6(隠しホール)6
16番PAR3 4(隠しホール)4
17番PAR4 6(隠しホール)6
18番PAR4 5
IN TOTAL 44
TOTAL 96 隠しホールのスコアは6+6+5+5+8+6+5+5+4+6+4+6=66
隠しホールのスコア合計の66を1.5倍して18ホールベースにすると、66×1.5=99となります。
これからパーの72を引くと、99-72=と27。
これに0.8を掛けて27×0.8=21.6がダブルペリア方式のハンディとなる計算です。
よってネットスコアはグロスからハンディを引いて96-21.6=74.4となります。
これで順位を競うのです。
ネットスコアの74.4というのは、大いに優勝の可能性を秘めているのではないでしょうか。
ゴルフコンペのルールで良く使うダブルペリアで勝つ方法
このように最近のゴルフコンペのルールで良く使われるダブルペリア方式で、上位に食い込むためにはどうすれば良いのでしょうか。
まずレベルに応じたスコアを見ていきましょう。
ここでパー3とパー5はパー4に均して考えます。
上級者は全てパーで回るとすると、4×12×1.5=72、72-72=0、ハンディは0×0.8で0になり、ネットスコアは72となります。
中級者は全てボギーだとすると、5×12×1.5=90、90-72=18、ハンディは18×0.8で14.4となり、ネットスコアは90-14.4で75.6となります。
そして初心者は全てダボだとすると、6×12×1.5=108、108-72=36、ハンディは36×0.8で28.8となり、ネットスコアは108-28.8で79.2となります。
このように、普通に戦えば上級者が勝つようになっています。
要は隠しホールで叩き、それ以外は叩かなければ良いわけですが、これを数値化してみましょう。
1つの隠しホールのボギーは1×1.5×0.8=1.2、ハンディは1.2つく計算ですが、ボギーですから実質1.2-1=0.2しか貢献しません。
それに比べて隠しホールでないところのボギーは確実にスコアを1悪くします。
同じように隠しホールのダブルボギーは0.4打貢献しますが、隠しホールでないところは確実にスコアを2悪くします。
つまり隠しホールでないホールで、いかに叩かないかということが分かります。
ゴルフコンペのルールのダブルペリアのためレベルアップを!
最近ゴルフコンペのルールで良く使われるダブルペリア方式の内容と、上位に食い込む方法について述べてきました。
しかし結局作戦を立てることができるのは、隠しでないホールを確実にパーで回れるごく一部の上級者だけということが分かります。
ですから上位に食い込むためには、まずはゴルフの腕をあげてからということのようです。