ゴルフ場のバンカーの足跡やショットの痕を均すトンボのようなものを、バンカーレーキと言います。
キャディ付きのゴルフ場では、キャディさんがバンカー慣らしをしてくれることが多いですが、本来はプレイヤーの仕事です。
そこでゴルファーとしてのマナーでもある、バンカーの均し方やバンカーレーキの置き方を紹介します。
ゴルフのマナー違反にならないバンカーレーキの置き方とは?
まずはゴルフ場にいくつくらいバンカーがあるのかご存知ですか?
ゴルフ場によって違いますが、1ホール2個なら36個、1ホールに3個あれば54個と計算できます。
一般的に18ホールで50個程度と言われていますが、中にはバンカーで囲まれたグリーンなどで100個以上も設置しているところがあります。
ではそのバンカーの数に対してバンカーレーキはどのくらいあるのでしょう?
バンカーのサイズにもよりますが、基本的にはバンカー1個にレーキ1本なら50個、2本なら100本のバンカーレーキが置かれています。
たくさん置いてあるとバンカーレーキを探し回ることもなく便利なのですが、一方でボールの進行を妨げるものでもあります。
もしフェアウェイ側にバンカーレーキが置かれていると、グリーンオンの寸前で方向を変えられて、バンカーの中に落ちるかもしれません。
もちろん自分で置いたものではありませんが、先行のプレイヤーの置き方が安易だったことで、後続のプレイヤーが迷惑をします。
一般的にこの状況をマナー違反といっています。
ゴルフ場でバンカーレーキの置き方にこだわった結果
ではゴルフコースの中で、バンカーレーキはどこに置いたら良いのでしょう。
答えは「プレーに支障のない場所に置く」ですが、コース内で確実に支障のない場所などないと言えます。
そこで、最小限プレーに影響のないところに置くわけですが、これにはたくさんの考え方があります。
例えばタコ壺のように落差の大きなバンカーの場合は、バンカーレーキを中に入れてバンカーエッジに立て掛けるところがあります。
確かにバンカーレーキの柄の太さ以外は邪魔をしていませんし、仮にぶつかってもレーキのお陰でバンカーに落ちることはありません。
同じように、バンカーレーキの柄の後ろ側が槍のようになっていて、バンカーレーキを砂に挿す置き方のところもあります。
こちらはバンカーに入らなければ、進行に支障を与えることはないはずです。
とても良い案ですが、ゴルフ場のコース管理は、毎朝50個のバンカーを機械でならすため、100本のバンカーレーキをよけて作業をし、さらに立てて戻さなければならず作業効率が良くありません。
ゴルフ場の進行状況からバンカーレーキの置き方を考える
バンカーの中にバンカーレーキを入れないのは、作業効率だけではなく、進行上の問題もあります。
バンカーレーキをバンカーの中に入れる置き方をしていると、ボールが接触している場合があります。
この場合、バンカーレーキは動かせる障害物の扱いで取り除くことができます。
ただしバンカーレーキを動かしたことで、ボールが動いた場合はリプレースしなければなりません。
元に戻すだけなら簡単と思うかもしれませんが、ゴルフ競技ではマーカーの確認が必要になるので、バンカーレーキを動かす前にマーカーを呼び、実際にバンカーレーキを取り除くところを見ていてもらいます。
仮に動いた場合は、元の位置にマークしてボールの移動先をマーカーに示し、さらに自分ボールの位置にもマークして動かします。
元の場所に動かすこと自体は無罰ですが、こんな所作をしていると進行が遅れるのは当然のことです。
ゴルフ場のいたるところで「進行を早めて!」と表示しているのに、ゴルフ場自体がプレーの速度を遅くするセッティングをするわけにはいきません。
ゴルフ場のレイアウトからバンカーレーキの置き方は決まる
ではバンカーレーキの置き方としては、どこが良いのでしょうか。
コースレイアウトにもよりますが、仮にゴルフコースのセンターにフェアウェイがあり、正面にグリーンがあるとします。
ガードバンカーはグリーンの両サイドか、もしくは若干手前にありグリーンを守っています。
この状況であれば、通常バンカー内のグリーン方向にはアゴがあります。
つまりスタンスを取る足場よりも、進行方向が高くなっているわけです。
バンカーは、「低いところから入る」のがマナーです。
高いところから飛び降りたり、逆に駆け上がったりしてはいけません。
バンカーには進入口があるので、そこから入るようにします。
通常はバンカーエッジの低いところ、また砂の斜面がなだらかなところが入り口です。
バンカーレーキはその入り口付近にあると、使う人にとっては便利です。
またバンカーショットが終わり、バンカー慣らしをしたあとも、同じ場所に置いておけば、きっと次のゴルファーも便利に感じるはずです。
ゴルフコースでバンカーレーキの適した場所と置き方
バンカーエッジの低いところは限定されていますので、バンカーレーキの場所もすぐに分かるはずです。
通常はグリーンサイドにあると、グリーンに面して反対側が低いので、ゴルフコース全体からすると両サイドにバンカーレーキを置くことになります。
この状態であれば、ミスショットしなければ行かない場所ですから、プレーに支障を与えるほどのことはありません。
ただしグリーンの両サイドより手前にバンカーが設置されている場合は、その低い場所からバンカーに入ることはあり得ます。
そのためバンカーの手前にバンカーレーキを置くと、プレーに支障をきたすことも想定されます。
このような場合は、ピンとバンカーを結んで反対側に置くか、進行方向の奥側に置くとプレーを邪魔する可能性は低くなるでしょう。
またバンカーレーキの置き方は、ボールの飛球線に合わせて平行にすると、Tの字の横棒(レーキ部分)だけが邪魔になるので、プレーへの支障を最小限に抑えることができます。
ゴルフマナーとしてのバンカーレーキの置き方と均し方
バンカーレーキの置き方が分かったところで、バンカーレーキの均し方を確認します。
ゴルフ場のバンカーには、砂の厚さの標準みたいなものがあります。
フェアウェイバンカーは5センチ、ガードバンカーは10センチです。
もちろん、それ以上に砂が入っているガードバンカーもあれば、砂の色をしている程度しか入っていないフェアウェイバンカーもあります。
多くのゴルフ場のコース管理の毎朝の作業は、乗用のバンカー均し機で行っています。
機械は中心から渦上に均していくため、バンカーの中の砂は外側が厚くなっていきます。
またバンカーレーキで均す時も、足跡や打った痕を引っ張って均すため、砂が外側によってしまうものです。
そこでバンカーレーキは両手で持ち、手前の砂を押して足跡にかぶせ、その後引いて均すようにします。
両手でバンカーレーキを握るためには、バンカーレーキを取ってクラブを置く必要があります。
クラブ片手に適当にやることはやめましょう。
後続組のためにしっかり砂を均すこと、ゴルファーにとっては大事な作業と言えます。
ゴルフ場のバンカーレーキの置き方は進行方向と同じ?
ゴルフ場のバンカーはプレイヤーの責任で均すのが、ゴルファーとしてのマナーです。
バンカーレーキを両手でしかっり握り、足跡が残らないように均しましょう。
出口周辺の邪魔にならない場所に、ボールの進行方向と同じ向きにバンカーレーキの置き方ができれば、後続組にアクシデントはなくなるはずです。