スライスするゴルファーは全体の7割だそうです。
すると一方でゴルフ人口の3割はフックかストレートなわけですが、その中の多くが実はグリップの握り方やスイングの仕方などはフック防止のスタイルをとっていることが多いようです。
そこで球筋からみたゴルフスイングについて紹介していきます。
ゴルフでスライスやフックが出るのはスタンスに問題あり?
スライスやフックが出るようであれば、ゴルフスイングをチェックしてみましょう。
その前にゴルフ用語の確認をします。
ゴルフ用語で良く使われる「スクエア」は、直訳すると「四角形」ですが、ゴルフでは「平行」や「垂直」として使われています。
つまり「スタンスをスクエアに」と言えば、飛球線に対して両足を平行に立つ状態のことです。
また「フェースをスクエアに」と言えば、飛球線に対してフェースを垂直に合わせている状態です。
この「スクエア」がたくさん出てきますが、平行と垂直の両方の意味があることを理解しておいてください。
それでは、最初のチェックポイントはスタンスです。
正しいスイングをするためには、飛球線に対してスクエアなスタンスが必要です。
アドレスに入る前にターゲット定めて、ターゲットとボールを結ぶ飛球線を確認します。
その飛球線に対して、両足が平行になるように立つのがスクエアなスタンスです。
ここで大事なことは、足のどこの部分がスクエアになるかということです。
通常は前方にライン(飛球線)があれば、つま先で合わせるでしょう。
しかしゴルフではつま先を開いてスタインスすることは一般的です。
そのためここでは踵を基準にスクエアに構えます。
ゴルフクラブの握り方を変えるとスライスやフックは解消!
スライスやフックの原因はスタンスばかりではなく、グリップもチェックする必要があります。
その前にゴルフ用語を確認します。
ゴルフクラブの握り方には大きく2つあります。
右手小指を左手人差し指の上に置く「オーバーラッピング」と、その指を絡める「インターロッキング」があります。
もう1つベースボールグリップもありますが、ほぼ使われていないのでこちらは省略します。
スライスが出やすいグリップの握り方はオーバーラッピングです。
オーバーラッピングは左手を主体にしてグリップを握る形になるので、スイングでは右手の力が弱まると言われています。
普段からフックが出やすいゴルファーには便利なグリップ法ですが、スライスに悩むゴルファーにとっては、よりスライスが出やすくなるでしょう。
ところが日本人ゴルファーの約6割はこのオーバーラッピングで握っているそうです。
ちなみにゴルファーの約7割がスライスに悩んでいると言われていますから、もしスライスするようであれば、右手主導でスイングできるインターロッキングにすると、解消できる可能性が高くなります。
スライスやフック防止はスクエアなゴルフスイングが必要
スライスを解消するために、グリップをインターロッキングで握る時は、手のひらではなく指で握るようにすると、さらに効果があります。
そもそもスライスするのは、ゴルフクラブの握り方そのものに原因があるのではなく、握り方によって手首の動きが抑制されるからです。
手首を自由に動かすことができれば、インパクトの前にヘッドをスクエアに戻すことができます。
どなたもアドレスの時には、フェース面はスクエアにセットしています。
ところがトップからダウンスイングする時は、グリップエンドがボールに向って下りてくるので、飛球線とシャフト(フェース面)は平行になります。
こうしてインパクトの前まで下りてきた時、シャフトの向きを変えて、フェース面をターゲット方向に変えなくてはいけません。
この向きを変えるのは腕の振りではなく、手首を使う必要があります。
トップで固めたコックをほどいて、グリップエンドを自分のへその方に向けるのです。
この動きによってフェースはスクエアになり、スライスを防げるのです。
ただしコックのほどくタイミングが早いと、ヘッドが返りすぎてフックになる可能性があるので注意が必要です。
スライスは軸回転で防ぐ
手首の自由度がヘッドの動きを良くしてスライスを防ぎます。
一方でタイミングが遅れるとフックになる可能性もあるので、コックのほどくタイミングを習得するために、たくさんのゴルフスイングを練習しなければなりません。
ゴルフスイングとはヘッドを動かすことではなく、身体に軸を作り捻転することです。
一般的に中心軸は、身体の中央にある背骨をイメージします。
軸を中心にコマが回るようにクラブを振ることがスイングになるわけですが、野球とは違って地面に向ってヘッドを動かすために、コマは傾くことになります。
ここで大事なことは、コマの場合には接地点が軸になりますが、ゴルフのスイングでは軸が背骨なので腰骨で軸を支えていることになります。
ところが、この腰骨は自由度が高く、腰骨自体も回転するため、スイングは身体全体で行うことになります。
スライスする場合は捻転が不足しています。
軸を中心に両肩が回っているのではなく、左肩だけ回転する意識が強くなっていることが多いようです。
右肩の回転が止まり、左肩だけが回転することはありえません。
つまりテークバックでは、意識的に右肩を後ろに引かないと、左肩が回転できないわけです。
先に右肩を引くと右股関節の上に軸を乗せることで、インサイドのテークバックができ、スライスを防ぐことができます。
スライスを抑制するためのゴルフスイングがフックを招く
ゴルフスイングで左肩の動きが不完全であればスライスしますが、スライス防止の対策をしてから右肩の動きが不完全であれば極端なフックがでます。
まずはフックするスイングの確認です。
フックするのはヘッドのトゥ側が先行して、ヒール側が遅れてボールをインパクトするからです。
この時ボールには左回転がかかり、打ち出すボールは左曲線の球筋になります。
スライス防止後のフックスイングです。
スライス防止で、アウトサイドインのスイングをインサイドアウトに変えているだけで、ボールにフック回転がかかっています。
さらにインパクトの時に右肩が出ると、スクエアなフェース面が左側を向くため、左回転数を上げることになります。
インサイドアウトのスイングは、インパクト後に身体全体をアウトサイドに投げ出すようなフォロースルーになるため、何度も繰り返しているうちに、右肩がアウトサイドに向ってしまうことが原因です。
フェースはスクエアな状態でインパクトするためには、グリップエンドを自分のおへそに向けることが、フックを抑える有効な手段と言えます。
体重移動のゴルフスイングがスライスやフックの原因?
ゴルフスイングで体重を偏らせていることで、スライスやフックが出ている場合があります。
スタンスをとる時は、両足で立っていますから、均等に体重をかけるべきです。
もちろんスイング中にクラブが右側に移動すれば、右足に体重はかかりますし、フィニッシュでは左足に体重がかかるものです。
ところがアドレスの時点で、どちらか一方に体重をかけている場合があります。
左足体重のスイングはフック系の球筋が出やすくなり、逆に右足体重はスライス系の球筋が出やすくなります。
意識的に右足に体重を乗せるのは、ドライバーショットのようなティーアップしたボールを打つ時です。
ティーアップしたボールは、側面ではなく下部をインパクトするため、アッパースイングが必要になります。
本来は両足均等で問題ありませんが、左足に体重を乗せるとダウンブローになるため、アッパースイングをする時は右足体重になりがちです。
アドレスの時点で体重を移動させると、球筋だけではなく方向性も限定されるので、特殊な状況でなければ、均等に体重をかけてアドレスし、スイング中に移動したほうが良いでしょう。
スライスやフックを持ち球にしてもゴルフは上手くならない
スライスしてもフックしても、その曲がり方が安定していれば無理に直す必要はありません。
スライスをフェードと言い換え、フックをドローと言い換えて、持ち球にすれば良いだけです。
ただしゴルフを上達したいのであれば、スライスやフックのない、ストレートな球筋を身につけたいものです。