ゴルフスイングを改造しないアイアンのスライス矯正法

最終更新日:2018/05/26

球筋が安定しないのはゴルフスイング、もしくは別な原因があるのかもしれません。

アイアンショットがスライスするとしたら、スイング矯正などを第一に考えるかもしれません、実はもっと簡単な方法で直すことができます。

そこで今回は、スライスの原因とその簡単な修正法を紹介します。

アイアンのスライスは原因を見つけてゴルフスイングを矯正

多くのアマチュアゴルファーは正しいゴルフスイングをしているつもりなのに、アイアンショットがスライスすることがあります。

アイアンのフェース面はドライバーと違って平らなので、飛球線に対して真っ直ぐに打ち出せば、ボールを擦ることはまずありません。

つまりスライスしているということは、何かの原因でインパクト時のフェース面に歪みが生じていると考えられます。

その「何か」はゴルファーによって違うため、代表的な原因の中から、自分のスイングと対比してみてください。

ちなみに原因が1つだけと言うことはありません。

複数の原因が重なることもあるので、少しでも気になるところがあれば、矯正しておくことが大切です。

まずアイアンがスライスする原因のトップと言われているのが、「フェースの開き」です。

ボールの後ろにフェース面を合わせてアドレスしたのに、インパクトではフェースが飛球線よりも右側を向いてしまう現象です。

とりあえず、このフェース面の歪みを矯正する方法として、インパクトでクラブやヘッドを意識せず左手甲の方向性にだけ集中してみてください。

左手甲をターゲットに向けて打ち出せば、フェースの開きを簡単に止めることができるはずです。

アイアンでゴルフボールがスライスする時はスタンスを矯正

スライスするのは、インパクトの時に左手甲が上を向いているためです。

左手甲をターゲットのほうに向けると、フェースが開くことなく打ち出すことができます。

しかし、この左手甲を意識したゴルフスイングをしてもスライスするようであれば、スタンスに原因があると考えられます。

ドライバーなどの長いクラブは、両足のつま先を、飛球線に対して平行になるように構えるはずです。

ところがアイアンの場合は、身体を開くオープンスタンス気味に構えることが多くなります。

敢えてフェースを開いてボールを高く上げたり、バックスピンをかけたショットを狙ったりするために、アイアンショットでは身体を開くオープンスタンスをとる機会が多いものです。

狙いが明確な時には、その姿勢でももちろん問題はありません。

しかし通常のアイアンショットがオープンスタンス気味になると、身体が開いてスライスしてしまうわけです。

すでに身体の中にオープンスタンスのスイングが染み込んでいます。

スタンスを飛球線に対して平行に立つように矯正しても、身体が違和感に反応してしまい、勝手にオープンになってしまいます。

これを矯正するためには、まず飛球線に平行してクラブを置いてください。

このガイドとなるクラブにつま先を合わせて立ち、そのつま先を広げて逆ハの字にします。

これだけで、違和感なくテークバックができ、スクエアなスタンスでスイングができるはずです。

スライスするアイアンはダウンブローのゴルフ打法を矯正

オープンスタンスを矯正して、つま先を開くと腰の回転が良くなり、テークバックが楽になります。

こうしてクラブをスムーズに引けるようになれば、理想的なインサイドインのゴルフスイングに近づいています。

ただしスライスの原因がオープンスタンスでない場合、次に考えられるのは捻転不足です。

アイアンはクラブヘッドを鋭角的に振り下ろすダウンブローでスイングしがちです。

強いインパクトによって、バックスピン量を増やし、ランの少ない正確な距離を求めようとします。

しかしそうした鋭角的なダウンブローは、正確な入射角で打ち込もうとするため、ヘッドを上から下に向けて、直線的に振り降ろそうとするものです。

本来のトップの位置を考えると、ヘッドは背中側から振り出すことになりますが、鋭角的なダウンブローは飛球線の後方からヘッドを落とします。

しかも強いインパクトを与えるために、トップの位置を高くしているはずです。

これでは左肩を回す「捻転」のテークバックはできません。

ゴルフ理論通りではアイアンのスライスは矯正できない?

ゴルフスイングで重要とされる捻転は、テークバックにおける基本中の基本です。

しかし、どこまで捻転できるのか判断できる捻転度は、ゴルファーによって違います。

捻転の深さは身体の柔軟性のほかに、年齢や性別または体型などによって違うからです。

一般的には、左肩が身体の中心まで回転するのが捻転の目安としています。

テークバックで身体をねじり、ダウンスイングでそのねじりを開放するのが捻転の目的のひとつです。

仮に身体が硬く、それほど捻転ができなくても、正しいスイングをすることは可能です。

ただし、その域に達するのには、基本のスイングを習得したあとのことです。

例えば海外ツアーの先駆者である岡本綾子プロは、腰が故障したこともあって浅い捻転で、しかも縦振りに近いスイングフォームでした。

それは変則的なフォームのように思いますが、誰もが憧れるゴルフスイングをしていました。

正しいインパクトをするためのスイングですから、左肩が落ちようともシャフトが立とうとも、何の問題もなかったわけです。

その岡本プロのスイングは、その後たくさんのゴルファーが真似をしますが、自分のスイングとして取り入れられた人を見たことはありません。

ゴルフ理論は正しくても、そのスイングを誰もができると言うわけではないのです。

アイアンのスライスを矯正する正しいスイングとは、その誰もができるスイングのことなのです。

アイアンのスライスを矯正する正しいゴルフスイングとは

正しいゴルフスイングをした時、アイアンのヘッドはゴルファーの頭の後ろから弧を描き、前方へと回ってきます。

一方で、飛球線の後方からボールに向かって振り下ろすスイングだと、弧を描くことはできません。

鋭角的なダウンブローは、真上から見た時ヘッドの動きが直線的になりがちです。

そしてインパクト後のヘッドはターゲットに向かうか、もしくは土の中にめり込むことになります。

この時の左肘は、外側に逃げて右肩を落とすか、曲げずに伸ばした状態で右肩を前に出すでしょう。

どちらであっても身体が開き、結果的にオープンなスタンスと同じ状態になってしまいやすいものです。

体が硬いために回転せずに強く振り下ろすダウンブローは、腕だけでスイングする「手打ち」の状態です。

このままではスライスを矯正できないので、テークバックで右肩を引き、トップでのグリップを右耳と同じ高さにします。

右肩を引けば、左肩は自然に回転してきます。

しかも軸を中心にしたテークバックになるので、一応は「捻転」の状態になっているはずです。

これで結果的にインサイドインができるようになるはずです。

左手甲のゴルフスイングがアイアンのスライス矯正法

直線的なスイング軌道が円を描くスイングに変わると、インパクトの前後にフェースが開閉することになります。

インパクトの直前までフェースは開き、インパクト後は閉じるため、インパクトでもフェースの向きは重要となります。

タイミングが早いとフェースが開いた状態でスライスしますし、タイミングが遅いとフェースが閉じてフックします。

このタイミングがずれないようにするためには、正しいゴルフスイングを身につけることです。

実際にはインパクトゾーンで、グリップエンドを自分に向けることを心がけます。

少しでも右側を向けばフック、左側を向けばスライスすることになります。

逆に考えると、グリップエンドが自分を指していれば、タイミングがずれることはないということです。

ただ、ゴルフスイングは一瞬で終わってしまうもの。

その動きの中で、グリップエンドの方向をコントロールするのは意外に難しいものです。

そこで最初にお伝えした「左手甲を意識したスイング」をすれば、グリップエンドは自分を指すでしょう。

つまり「左手甲でボールを払う」イメージを持てば、アイアンのスライスは矯正できるはずです。

ゴルフスイングを矯正しなくてもアイアンのスライスは直る!

アイアンがスライスする時は、左手甲でボールを打つイメージでゴルフスイングをしましょう。

左手甲とアイアンのフェースが一致していれば、正しい方向で打ち出すことができるからです。

正しいフェース面でインパクトができれば、スイングを矯正しなくてもスライスの心配はなくなります。