アプローチが上手くなればピンに寄せることができるので、誰でもスコアアップが期待できます。
ただし、この寄せる意味を取り違えている人が多く、ゴルフを難しくしている場合もあるようです。
そこで本来のアプローチの意味について考えていきます。
アプローチが上手くなればゴルフの意味を知ることができる
ゴルフには「パット・イズ・マネー」という名言が遺されていますが、一方で「拾うゴルフ」とか「リカバリー」といったカバーする言葉も多用されています。
ボビー・ロックの名言パット・イズ・マネーについて、現在では迷言と評価されることが多いようです。
それは彼の言葉の前段にある「ドライバー・イズ・ショー、パット・イズ・マネー(本当はDrive for show,putt for dough)」、意味の「ドライバーは見せるためで、パットで稼ぐため」と言ったことに起因しているようです。
実はボビー・ロックは強すぎたが上に、米国ゴルフ界を追放された経歴を持っています。
その後追放処置は解除されますが、米国参戦せずに欧州ツアーを主戦場に活躍したプロゴルファーです。
そんな経緯もあってか、米国ではアンチで扱われていることも関係しているのかもしれませんね。
彼が強かった理由のひとつにパッティングがあったことは確かです。
ただし、パットが上手かっただけではなくショートゲーム、つまりアプローチが上手かったことで、パッティングの回数が少なかったとも言えます。
当時はリカバリーできる腕前があると、強すぎて追放されるような時代だったということなのかもしれません。
ちなみに現在はパーオン・ワンパットがトッププロに求められている時代です。
アプローチの本当の意味はミスのないゴルフにある
ボビー・ロックの名言から60年以上が経った現代でも、一般ゴルファーにとってはアプローチの上手さがスコアに直結しています。
そもそもアプローチの意味するところは、ピンに近づけると言うことです。
本来はグリーン周りからのショットをアプローチと言いますが、現在では100ヤード前後からでもアプローチと呼ぶことが多いようです。
これは道具の進化とゴルフ感の移り変わりによるものです。
昔のドライバーは200ヤードも飛べば十分でしたが、やがて250ヤードとなり、現在では300ヤードがトッププロの飛距離となっています。
400ヤードのミドルホールであれば、残り距離は100ヤード前後、一般ゴルファーもレギュラーティーを使えば、同じような残り距離になるため、セカンドショットがピンを狙うアプローチとして扱われることもあるわけです。
ただしアプローチで重要なのはグリーン周りからのショットです。
いかにピンに近づけるかが「勝負の分かれ目」みたいな感覚で攻める反面で、ミスショットが多いのもこのショートアプローチの時だからです。
そこで思い描く球筋を打てるようにと、一般ゴルファーでさえもピッチングウェッジ以下のクラブを数本用意するようになってきています。
それほどまでに重視されているアプローチの役割について掘り下げていきます。
アプローチの意味を取り違えてカップインを狙うゴルフはダメ
アプローチの役割はピンに近づけることです。
ワンパット圏内に近づけることができたら成功ですが、運が良ければカップインになることもあるでしょう。
しかしカップインを狙うアプローチを邪道とする考え方があります。
ゴルフのセオリーは「手前から攻める」ことを考えれば、グリーンの横からや奥からのアプローチはすでにミスショットの結果とも考えられるからです。
一般的なグリーンの形状は、アプローチ側からグリーン面が見えるように、奥側を高くなるように作っています。
ピンそばに寄せるアプローチではピンに近づけることはあっても、カップの下側につけたほうがパッティングで有利になります。
カップを狙うということは、最低でもピンよりも30センチ以上はオーバーするように攻めることになり、本来の目的である次のパッティングが難しくなる可能性が高いわけです。
ですから「一か八か」の勝負でない限り、一般プレイヤーの場合にはピンそばであってもカップの下側を狙うのが、アプローチの「ピンに近づける」ことの意味となります。
アプローチの意味はゴルフのスコアメイクをすること?
近年はプロのゴルフトーナメントの影響もあってか、一般プレイヤーの中でもロブショットが流行っています。
これはミスショットの多いアプローチ法ですが、どんな打ち方でもピンそばにつけば問題はありません。
ちなみにプロがロブショットを打たなければならない意味とは、グリーン面をピンポイントで捉えたい場面に遭遇しているからです。
山間部の耕作地の棚田のような3段グリーンで、2段目にピンが立っていれば、当然2段目を狙っていきます。
またグリーン奥にオーバーして、カップが近い場合や、グリーン面が硬く速い時もピンポイントに落とす必要があります。
こんな時にロブショットが使われるのですが、果たしてプライベートゴルフでその場面に遭遇することはあるのでしょうか。
難易度の高いロブショットは、プロでもミスをします。
まして狙いを定めてピンポイントに落とせる技術があれば、おそらくその場所からロブを打たずにパーオンしているはずです。
3段グリーンの時、敢えてグリーンに乗せずに手前で止めて、そこからピンポイントに攻めるアプローチ法も間違いではありません。
ただその場合にはランニングアプローチでも十分にピンそばを狙えるはずです。
敢えて難しい打ち方をするために、専用の道具を揃えて練習するよりも、簡単な打ち方で確実に寄せていくことがスコアメイクに繋がるのではないでしょうか。
難しいアプローチで狙うゴルフは意味を理解していない!
アプローチはロブショットに限らず、ボールの飛球する距離が長いほど、ピンによる確率は低下します。
グリーン周りからライの状況が許せば、パターを使うアプローチが、もっともミスの少ない打ち方になるはずです。
このパターを使ったアプローチの次にミスショットを防げるのは、8番アイアンを使う打ち方です。
パターの変わりに8番アイアンを使って、パッティング方式で打つと簡単にピッチエンドランになります。
この8番アイアンを使ったパッティングストロークは、飛球(ピッチ)1に対して転がり(ラン)4の割合です。
ピンまでの距離にもよりますが、ボールの位置から比較的近い箇所をターゲットポイントにできるため、簡単にピンに寄せることができるはずです。
ここでも大事なことはアプローチの意味を理解することです。
ゴルフ場のグリーン面の傾斜を考えて、カップの下にボールをつけることに集中してください。
決してカップを狙うのではなく、確実に1パットで沈められる位置を狙うことが大切です。
この「下につける」感覚を身につけると、大叩きすることはなくなり、通常で1パット、アプローチの寄せが失敗しても2パットで沈めることができるはずです。
アプローチの語源と意味を理解してゴルフの真髄を知る
もともとアプローチの語源は「Approach」で、「近づく」とか「通路」といった意味を持ちます。
ゴルフの場合には、ピンに近づけるというのが本来意味するところですが、やはりボールの置かれているライの状況と自分の技量との兼ね合いを考慮して、1番安全と思われる方法で寄せていくのが、アプローチの常套といえます。
ただ爽快にぶっ飛ばすドラバーショットもそうですが、スコアにばかりにこだわったゴルフはつまらないものです。
自分の中でのミラクルショット的なものが1ラウンドに1度あれば、アフターゴルフでも楽しめるかもしれません。
本来のアプローチの目的である「近づく」のではなく、ダイレクトにカップを狙っていく場面もその要素としてあるのではないでしょうか。
カップを狙う場合には、グリーン面の転がりを少なくしたほうが、カップインの確率は高くなります。
ロングパットが難しいのと同じように、転がる距離が長いとラインを読む力も必要になるからです。
ピッチエンドランでショットした時、8番アイアンは1対4の割合で転がりますが、アプローチウェッジを使えば1対1になります。
飛距離が長くなるほどリスクは増しますが、一方でカップインの確率は高くなります。
ただし思いつきでカップインは叶いません。
十分に練習することと、ピッチとランの距離感をつかむことが成功のカギとなります。
アプローチの意味を理解してゴルフのレベルアップを図る
アプローチを習得するには、地道な練習を繰り返すことが必要です。
練習場では徐々にドライバーの比重よりも、アプローチショットにウエイトを置くようになると思いますが、その時はどんな球筋で攻めるのかの意味を理解できていれば、無駄なボールを打たずにゴルフのレベルアップが望めるはずです。