アイアンのロフト調整はゴルフショップの工房に出して、正しい角度にしてもらうしかありません。
なぜならアイアンは正しい角度によって正確な距離を刻むことができ、またクラブ間の距離も安定してくるからです。
そこで調整にかかる料金とその費用に対する効果について紹介します。
正確なアイアンショットをするためのロフト調整の料金は?
アイアンの役目はターゲットを定めて、確実にそのポイントにボールを運ぶことです。
そのためには、安定した方向と距離が大切になります。
そんなアイアンの方向性はライ角が重要な役割を果たします。
このライ角とはシャフトの傾きを表す角度ですが、シャフトが寝ていればグリップの位置は低くなりますし、立っていればグリップは高くなります。
この高さを無視して通常のグリップ位置にすると、ダウンスイングでトゥやヒールだけが接地するようになるため、その抵抗でフックしたりスライスしたりするわけです。
また距離はロフト角が重要な役割を果たしています。
フェース面の傾きによって打ち出し角が変わるため、ロフト角が寝ていればボールは高く上がって飛距離は短くなりますし、立っていれば低い弾道で飛距離は長くなります。
この2つの角度はゴルフクラブにとってとても重要です。
表示されている角度が自分に合っているのかを確認する1つの指標になります。
もしも合わなければライ角やロフト調整をするしかありません。
そこで調整にかかる料金なども含めて、調整の仕方などを確認してみましょう。
料金よりアイアンを何度にロフト調整するかが大事
まずはアイアンの角度調整の前に、適正な「角度」について確認します。
ライ角はアドレスした時のグリップポジションと、ソールしたアイアンのグリップが一致していれば良いだけです。
アイアンは番手によってシャフトの長さが変わるため、常に同じ位置でグリップを握るためには、1本ずつライ角に違いがなければなりません。
ただしロングアイアンとショートアイアンでは前傾の仕方が変わる、もしくはスタンスの幅を変えることは良くあることです。
そのためこのような姿勢の変化も含めて、角度の調整が必要になります。
ロフト調整は基準とするアイアンの距離を確認して、そこから1番手で10ヤード刻みになっていれば扱いやすいクラブになります。
ただしストロングアイアンであれば、1番手で15ヤード刻みになっていることもあるので、クラブの特性を見ながらの調整が必要になるでしょう。
ただしアイアンは飛距離が長ければ良いというわけではなく、ターゲットポイントに運ぶことが大切になります。
このようなことを理解した上で、調整の料金を確認します。
ロフト調整の料金よりアイアンショットの技量が大事?
アイアンのロフト調整するのであれば、10ヤード刻みが便利です。
一般的にロフト角は4度の間隔で刻まれているので、表示通りであれば10ヤード刻みになるはずです。
ところが表示されたロフト角と違う、いわゆるリアルロフト角が存在しています。
これはアイアンに限らずドライバーなどでも同じことですが、「飛び」に基点をおくゴルファーが多いことが原因のようです。
販売時に表示されているドライバーのロフト角が10度の時、リアルロフト角が12度ということがあります。
10度であればスピン量が減り飛距離が伸びると考えがちですが、実際にはボールが上がらずに失速してしまうことが多いようです。
そこで表示は10度なのに、リアルロフト角を12度にすれば、ゴルファーのプライドを満足させて、しかも理想の打ち出し角といわれる14度に、レベルブローで放つことができるようになります。
アイアンも同じようにリアルロフト角がありますが、こちらは製造工程の誤差によって生まれていることが多く、購入時の誤差調整であれば施工料金を無料にしているところが多いようです。
アイアンのロフト調整の料金は案外安い?
すべてのショップが購入時にロフト角やライ角の調整料金を無料で行っているわけではありません。
工房自体を持っていないところもありますし、ネットショッピングなどはサービス自体を考えていない販売形態です。
そんな時はアイアンのライ・ロフト調整をやっているところに自分で依頼しなければなりません。
もちろんアイアンの場合にはセットで依頼することになるので、3番アイアンからピッチングウェッジまであれば8本です。
他のウェッジも連続性が必要であればロフト調整を行いますが、アプローチウェッジなどはスイングに緩急をつけるので、ロフト角を調整する必要はないかもしれません。
ロフト調整はすべてのクラブを同一間隔で合わせる方法と、極端に歪みのある部分だけをロフト調整する方法があります。
一般的には歪みの大きなクラブだけを調整する方法が選ばれます。
料金は工房によって違いますが、1本300~700円程度が一般的です。
アイアンをロフト調整する前に料金より施工できるかを確認
1本あたりのロフト調整料金はわずかですが、すべてのアイアンを微調整するとかなりの出費になってしまいます。
そこで考えるべきポイントとして、ロフト調整の目安、つまりロフト角の誤差範囲は1度以上ある時だということです。
またショートアイアンの場合には、スイングの稼動域を調整することが多いので、9番アイアンやピッチングウェッジを除外しても良いでしょう。
ただしこのライ角やロフト角の調整は、すべてのアイアンでできるわけではありません。
ステンレス製やチタン製のアイアンは素材が硬いためにほとんど曲がりませんし、無理に曲げようとしても折れてしまう可能性が高いため調整はできません。
またキャビティアイアンなど複雑な形状のものは、曲げることで歪みが生じて、本来の特性を消してしまうこともあるため、工房が断わることもあります。
そのため持ち込む前に、電話やメールでアイアンのモデルを伝えて、調整可能かを確認しておくと良いでしょう。
アイアンを自作でロフト調整すると工房料金より金がかかる?
実は万力などヘッドを固定するものがあれば、自分でもロフト調整はできます。
もちろん専用器具も市販されているので、購入すれば綺麗な仕上がりになるはずです。
ただし専用器具は安くても5万円以上はするので、すべてのクラブを調整しても10分の1以下でできる工房の料金のほうが割安です。
また曲げると「戻り」があるので、コツをつかまないと予測することができません。
しかも何度も繰り返して曲げると亀裂が入ってアイアン自体が使い物にならなくなってしまいます。
ライ角は自分の構え方によって変わるものですが、ロフト角は誰が使っても変わることはありません。
ですから、最初になるべく正しいロフト角のアイアンを選ぶことが大切です。
後は1度程度の誤差を許容範囲とするかです。
ロングアイアンはボールが上がりにくいことからハンドレイトに構えて、ミドルアイアンはハンドファーストでダウンブローに打ち込むといった場合には、スイングによってロフト角も変わってしまうのもその理由です。
ロフト調整でもっとも大事なことは、一定のスイングができるゴルファーになってから行うべきことだと言うことです。
アイアンのロフト調整料金を無駄にしないための技量確認
アイアンのロフト調整やライ調整は、長く使うためには、1度しかできないと考えたほうが良いでしょう。
何度も繰り返すとヘッドが劣化してしまい、最悪の時は割れてしまうことがあります。
またスイングプレーンを変えると、折角の調整が無意味になることもあります。
料金がかかるものなので、ある程度スイングが固まってから調整することをオススメします。