ゴルフスイングで重要なのはグリップを引き上げたトップの形

最終更新日:2018/04/14

ゴルフスイングで重要なのはグリップを引くバックスイングなのか、トップから振り下ろすダウンスイングなのかについて考えてみます。

バックスイングの役割とダウンスイングで必要なこと、それがトップでの手首の形にあります。

今回はコックの使い方について紹介します。

グリップがトップの位置の時にタメを作るゴルフスイング

ゴルフスイングで難しいのは「真っ直ぐ引く」ことです。

真っ直ぐ引くのは、インパクトの時にフェース面を合わせることができるようにしているからです。

しかしテークバックでグリップを真っ直ぐ引いても、ダウンスイングでヘッドが真っ直ぐに進むことはありません。

おそらく多くのゴルファーは、真っ直ぐにヘッドを打ち出すことがないことに気がついているでしょう。

それでもテークバックを始動する時は、ヘッドを飛球線の後方線上に沿うように引くため、グリップを右側にスライドさせています。

実際、ヘッドは身体の後方から円を描いて前面に下りてきます。

飛球線に入るのはインパクトの直前で、後はインサイドのエリアで動いているはずです。

つまり飛球線の後方からフェースを合わせるのではなく、インパクトの直前で飛球線に入るのが「スイング」なのです。

この真っ直ぐ引くバックスイングが、その後のスイングをダメにしています。

そのため正しいスイングをするためには、正しい軌道でバックスイングをすることが大切です。

そしてトップの位置で、しっかりタメをとって本来のスイングである、ダウンスイングを始動する必要があります。

ゴルフクラブを速く引くとトップでグリップの握りが変形する

ゴルフクラブをトップの位置まで引き上げる時、とんでもなく早いスピードでバックスイングをしている人がいます。

引く時のスイングスピードを速めても、インパクトのヘッドスピードが速くなることはありません。

それどころか速いバックスイングの影響で、トップの位置でのグリップの握りは、変形してしまいます。

本来のトップの形は、グリップエンドが飛球線の後方線上を指していますが、バックスイングの勢いでヘッドが返り、グリップは地面と平行になっています。

このグリップが平行になっているということは、シャフトも平行になっていて、この状態がオーバースイングといわれる形です。

さらに強いバックスイングであれば、ヘッドの重みに耐えかねて、ヘッドの先が地面を指す最悪の状態といっても良いでしょう。

そのようなオーバースイングになった時は、一旦トップでタメを作って、グリップエンドが飛球線の後方線上を指すところまでシャフトを立ててください。

その後でダウンスイングを開始すると、横峯さくらプロのように立て直すことはできます。

しかしそんな労力を使うのであれば、最初からゆったりとしたバックスイングで、しっかりしたトップの形を作るのが正解だと言えるでしょう。

ゴルフで重要なのはトップでのグリップを握るコックの形

ゴルフスイングの中でトップの形は重要です。

スイングの形にもよりますが、一般的にはインサイドインのスイングが理想的と言われています。

そんなインサイドインのスイングは、ボールとターゲットを結ぶ飛球線上を境にして、インサイドでヘッドを動かし、インパクトの時だけ飛球線上にヘッドが現れます。

バックスイングからトップまで、トップからインパクトまで、そしてインパクトからフィニシュまでと分割した時、ヘッドが飛球線上にあるのはアドレスのセットとインパクトの時だけです。

このインサイドインのスイングで肝となるのは、コックの使い方です。

コックとは左手の親指を真っ直ぐに立てた時、腕と直角になった角度のことです。

通常はアドレスでグリップを握った時には、コックはできていません。

コックの形が完全にできるのがトップの位置で、ダウンスイングで徐々にコックを解き、最終的アドレスと同じ状態になった時にインパクトを迎えています。

このコックの使い方ができるのがインサイドからのダウンスイングなのです。

トップで固めたゴルフグリップのコックを解くタイミング

ゴルフスイングで大事なトップからの切り返し、すなわちダウンスイングこそが本当のスイングです。

バックスイングは、トップの位置までヘッドを引き上げるために、グリップを動かしているに過ぎません。

ただしバックスイングはヘッドを引き上げるためだけではなく、身体を捻転させてパワーを蓄えるためのものでもあります。

そのパワーを開放するタイミングは、ダウンスイングでコックを解くその時です。

トップの位置からダウンスイングに入る時、グリップを握る左手はコックが固まった状態です。

この時、握った手とシャフトは直角になり、グリップを支えている左手親指も直角になっています。

この直角をフラットな状態に戻すことを「コックを解く」と言い、ヘッドのフェース面がターゲット方向に切り替わるタイミングでもあります。

一連の流れの中でスイングをしているので、コックは徐々に解すことになります。

個人差はありますが、グリップが左腿の前まで下りてきた時に、右肘を真っ直ぐに伸ばしてコックを解くと、フェースの向きが変わってヘッドスピードが加速します。

トップでのグリップに気を取られるとゴルフスイングは失敗?

コックはバックスイングの中で徐々に作っていくものです。

しかしコックに気を取られてグリップを引き上げると、どこかゼンマイ仕掛けの玩具のようなぎこちない動作に見えてしまいます。

左肩を十分に回してパワーを溜め込むバックスイングのはずが、ぎこちない動きによって不完全な捻転になり、トップの位置ではアンバランスな姿勢をとることになります。

このアンバランスな姿勢とは、左肩が下がり右腰は上がる「逆Cの字」であったり、右肘が右脇にくっついて右肩が下がる「Cの字」だったりと、姿勢が歪んでいることを指したものです。

バックスイングでは、両肩・両腰、両膝が同じ円柱の中で、回転しているような姿勢をとります。

少なくとも捻転のイメージをもってバックスイングをすると、歪みの少ない正しいトップの位置でダウンスイングは開始できるはずです。

ただ動きの中でのゴルフスイングなので、思い描いたバックスイングと違う場合も多々あります。

そんな時はすぐにダウンスイングを開始するのではなく、一度グリップにタメを作って、シャフトの傾きなどを調節してから、始動するようにしましょう。

アーリーコックのゴルフスタイルでトップのグリップを作る

トップの形を上手く作れない時は、最初にコックを作ってからバックスイングを開始する方法があります。

「アーリーコック」と言われるスイング法で、腕を動かす前にグリップを右に傾けてヘッドを上げます。

この時ゴルフクラブは、地面と平行になっています。

最初にコックを固めてしまうことから、ぎこちない動きから開放されて、スムーズにトップまでグリップを引き上げることができるでしょう。

また左手親指を上に向けることで捻転に繋がるため、通常のバックスイングよりも簡単に習得することができます。

一方でアーリーコックの場合、右腰の回転が不足する傾向があるのも特徴です。

本来は右腰を後ろに引くと同時に左肩の回転が始まります。

ところが先にコックができたことで、右膝が棒立ちになり、腰の回転を止めてしまいます。

そこでしっかり膝を曲げて腰を落としてからアーリーコックを始めると、ゴルフスイングの捻転不足を解消することができるはずです。

トップでグリップを固めることが正しいゴルフスイングとなる

ゴルフスイングで重要なグリップの形、特にトップの位置ではコックを固めることが、その後のダウンスイングでは必須条件となります。

手首を固めてそれを解すスイングができれば、ヘッドが返って求めていた飛距離と方向性を手に入れることができるはずです。