ゴルフクラブを握って「グリップがずれる」と感じたら、なるべく早めに対処すべきです。
今回は、水や汗などがグリップの滑る原因である時の対処法と、スイング自体に問題があって滑る時の対処法について2つ紹介していきます。
ゴルフクラブのグリップがずれる原因を取り除く!
ゴルフクラブを振ると、手の中でグリップがずれるような気がすることがありませんか。
雨の中でのプレーや暑くて汗ばむ中でのスイングなど、スポっと抜けていくような気がしたり、シャフトの中心軸が回転するような気がする状態です。
悪天候の中でクラブを振ると、グリップがすべり握っている箇所からずれることが良くあります。
そこでずれることのないようにと、いつも以上に強い力で握ると手首が硬くなります。
スイングは腕を振るだけではなく、手首を上下に動かすことでヘッドスピードを上げます。
それなのに肝心な手首の動きが制限されるとヘッドスピードが遅くなるので、「飛ばない」ショットになりますし、スライスしたりトップしたりとミスショットへと繋がります。
雨でグリップが濡れている時は、まずは握る前に毎回ハンドタオルでしっかり水分を拭き取るようにしましょう。
もちろん手のひらの水分も拭き取ります。
もしも雨が強いようなら傘をさし、傘の柄にグリップを付けて、アドレスに入る直前まで濡れないようにしておくのが理想です。
ゴルフクラブのグリップがずれるのは手汗に原因がある?
暑い日のゴルフは、手のひらにも汗がにじみ、グリップが滑りやすくなっています。
スイングするとシャフトの中心軸が回転し、グリップが右回転してずれるような気がします。
このような状況だと、ボールをインパクトする時には、フェースが外側に開くために、スライスやシャンクのような症状が出ることもあるでしょう。
そんな手汗は体内から吹き出てくるので、グリップや手のひらを拭いても、すぐに滑りやすくなります。
両手でグリップを握るので、もしもグローブをつけていない右手が滑ると感じるのであれば、暑い日は両手グローブがオススメです。
またグローブの素材は、濡れると滑りやすい天然皮革ではなく、滑りにくい合成皮革を使うとスイングでずれることはないはずです。
それでも滑るような気がするのであれば、滑り止めを活用しましょう。
ルール上は「プレーの援助」になるものを、使用してはいけないことになっています。
しかしグリップの滑り止めに関して、グローブの使用、パウダー等の使用、布を巻くことは禁止されていません。
とりあえず市販の滑り止めスプレーを活用すれば、「滑る気がする」は回避できるはずです。
ゴルフクラブのグリップがずれる時は滑り止めを使う
野球選手がネクストバッターズサークルで、グリップ部分にシューシューと吹きかけているのが滑り止めスプレーです。
霧吹きタイプとエアゾールタイプがありますが、炎天下の暑い中ガスが充填されたタイプは携帯には向いていません。
そのため液体を霧吹きするタイプのほうが安心できますが、一方で雨の日などはガスタイプのほうが速乾するので使いやすいでしょう。
中にはグリップのゴムラバーの汚れ落としを兼ねたものもあります。
手汗や手垢がずれる原因になっている場合もあるので、クリーニングできるタイプを購入すると、日常のメンテナンスとしても活用できます。
ちなみに野球選手が身につけているリストバンド、あれも手汗を抑える効果があります。
プロゴルファーではあまり見ませんが、テニスプレーヤーなども装着しています。
少しきつめのリストバンドをすると、皮膚圧反射によって手汗の分泌が抑制されるそうです。
「緊張で手汗が……」というゴルファーには、リストバンドも効果はあるのではないでしょうか。
グリップがずれる時はゴルフクラブを短く握る
外的な要因でゴルフクラブのグリップがずれることはありますが、グリップの握り方やスイングによってもその症状を感じることがあります。
もっとも多いケースはラフでのショットです。
振り下ろしたヘッドが芝の抵抗を受けて、フェースの先端が開いてしまうような場面です。
この時グリップは右回転して、ターゲットに面していたフェース面がずれることになります。
するとフェース面はターゲットよりも右側を向くため、スライスショットになるかプッシュアウトで打ち出すことになります。
しかもフェース面がずれることで、スイートスポットから外れてしまい、打ち損ねのようなインパクトになって最悪ラフから脱出できない可能性もあります。
このような場面では、グリップエンドから指2本分以上空けて、グリップを短く握るようにしてみてください。
そしてコンパクトなバックスイングを心がけて、ボールに向って上から打ち込むようにすると、フェース面がずれることなく脱出することができます。
グリップがずれる時はゴルフクラブの選択で対応する
ライの悪い場面では、グリップを短く握って打ち込むショットが有効です。
ただし打ち込むショットは距離感を出すことが難しいので、正確な距離を重視するのであればボールを横から打つしかありません。
しかし草丈のあるラフでボールを横から打つレベルブローだと、草の抵抗でフェース面が横ぶれしてしまいます。
そこで草丈のある場所から振り切って打つためには、サンドウェッジなどのバンスのあるクラブを使いましょう。
バンスはゴルフクラブの底にある膨らみのことで、地面にバンスをぶつけるようにスイングすると、バンカーショットのように距離を意識しながら打ち出すことができます。
ただすべてのクラブに有効なバンスが付いているわけではありません。
長い距離を打つのであれば、バンスと同じ役割のソール幅のあるフェアウェイウッドがオススメです。
7番ウッドや9番ウッドを、少し短く握ってコンパクトに振ると、芝の上を滑るように進むので、フェース面がずれる心配はないからです。
ゴルフスイングが原因でグリップがずれる場合がある
ラフのような特殊な箇所からのショット以外にも、グリップがずれることがあります。
それはまさにゴルフスイングそのものに問題があります。
スイングの基本は身体の捻転ですが、この捻転とはバックスイングの時に行うもので、ダウンスイングではその捻転で溜め込んだパワーを放出することになります。
パワーの蓄積箇所はゴルファーによって違いますが、中心軸で溜めようとすると背骨が伸びて、アドレスの時よりも上半身が起きた状態でインパクトすることがあります。
中には爪先立ちになり、明らかに腰の位置が高くなった状態でインパクトを迎えています。
私たちの体はダウンスイングでこのような縦のぶれが起きると、右手主導で強いインパクトを与えようとします。
この時グリップを握る右手が左手側にかぶさり、親指の根元で押すような形でインパクトをするでしょう。
左手はそのまま握り、右手のグリップの握りだけがずれると、肩を狭めた状態になります。
つまりこの窮屈な姿勢ではパワーを引き出すことはできず、逆に弱いインパクトになる可能性が高くなるわけです。
適度な力でグリップを握り、ヘッドを振り切ることを重視すると、安定したスイングができるはずです。
ゴルフクラブのグリップがずれる時の対処法
ゴルフクラブをスイングする時、グリップがずれると感じることがあれば、早急に原因を調べましょう。
雨や汗などの外的要因であれば、すべりにくいグローブや滑り止め剤を使用してください。
スイングに原因があれば、適度な力でグリップを握り、正しいスイングを心がけましょう。