フェアウェイウッドで3wだけがスライスする理由と対策法

最終更新日:2018/04/06

フェアウェイウッドの中で、なぜか3wだけがスライスすることがあります。

「長いクラブだからスライスするのかも?」と短く握っても、やはりスライス!

そこでスライスの原因となるスイングの仕組みと、正しいスイングの仕方について紹介していきます。

3wがスライスするのはドライバー打ちをしているから?

最近のコースは距離が長くなってきたことから、ショートホールやセカンドショットで3w(スプーン)を使う場面が多くなっています。

以前は「ドライバーがスライスするから3wでティーショット」と、方向性を重視する場面で使っていましたが、現在ではその3wのほうが方向性に問題がある方もいるようです。

まずスライスする原因を考えると、単純にボールに横回転がかかるからです。

クラブヘッドがパーシモンだった頃は、ヘッドの重みで振り抜くことができたために、スライスの心配もなかったようです。

またティーを低くしてレベルブローでスイングできることから、ボールの位置が内(右)側に入っていることも、スライスにならない要因になっていました。

対して現在の3wのヘッドは、ステンレスやドライバーと同じチタン製が多く、以前のパーシモンに比べるとはるかに軽くなっています。

また弾力性のあるカーボンシャフトもスチールシャフトに比べて軽くなり、総重量から考えると振りやすいクラブとなっています。

以前はヘッドの重みで当てるだけで飛んでいた3wが、振り抜くクラブになったことが方向性を惑わすことになっているようです。

3wのスライスを防ぐためにレベルブローを身につける

最近の3wがスライスするのは、ヘッドの重みが原因と説明しましたが、実際のスイングでみると、ダウンブローからレベルブローに変わったことも要因として挙げられます。

ヘッドの重みを感じた時は、クラブヘッドを上から下に振り下ろすだけで、十分な飛距離を得ることができました。

つまりダイレクトにボールを捉える、ダウンブローのスイングで十分だったわけです。

ところが現在は軽いヘッドを用いるため、ヘッドスピードを上げるスイングができるようになりました。

しかも反発力の強いチタン製ヘッドに、ヘッドスピードの速さが加われば、以前とは比べものにならないほどの飛距離を稼ぐことができます。

そのような加速するヘッドスピードを活かすためには、ボールを横から払い打つ必要があります。

つまりレベルブローのスイングでインパクトすることになったのです。

ダウンブローは上からヘッドを振り下ろすイメージなので、フェース面がスクエアであれば、真っ直ぐに打ち出すことができます。

一方でレベルブローの場合は、身体を軸に見立てて、外周円でヘッドが動くスイングなので、ヒール側が先行するとミスショットに繋がります。

そのためインパクトのタイミングがずれると、スライスしてしまうことになります。

3wのレベルブローによる振り遅れスライス

ダウンブローは捻転をしなくて、ある程度の高さまでグリップを引き上げるとスイングできます。

一方でレベルブローは捻転するスイングによって、ヘッドを回すことができます。

つまり捻転するスイングが中途半端だと、3wのヘッドが回り切らずにインパクトを迎えるので、振り遅れの状態になります。

ヘッドが遅れるというのは、インパクトでフェースが開き、トゥ側が後から入る状態です。

この時シャフトは傾き、身体の正面でボールに対して垂直な状態ではありません。

グリップが先行して身体の中心よりも左側にあって、ヘッドがインパクトの位置に入ってくるため、スライス回転で打ち出すことになります。

3wを使う時にこの症状が多いのは、ボールの位置が関係します。

他のフェウェイウッドは、ボールを身体の中心に近い位置でセットしますが、ドライバーに近い3wは左足踵の延長に置いていることが多いようです。

つまりボールを左側に置き過ぎているため、いわゆるトップしたスライスになってしまうのです。

スライスする3wのスイングはダウンブローが原因!

ドライバーショットで、左足踵の延長線上にボールを置くのは、ティーアップしているからです。

ドライバーは、ヘッドの最上端(クラウン)と、ボールの中間が同じレベルになるようにティーアップをするのが基本です。

ドライバーヘッドはボールの手前でスイングの最下点となり、少し上がったところでインパクトを迎えます。

アッパーブロー、いわゆるすくい打ちでインパクトすると、ロフト角10度前後のフェース面は、最適な14度で打ち出すことができます。

ところが3wは、セカンドショットで構える時にティーアップできません。

またショートホールなどでティーアップしたとしても、ショートティーを使うでしょうからアッパーブローができるほどの高さを確保できません。

それなのに左足踵の前にボールを置いて、スイングの最下点をボールの手前に設定しているわけです。

するとトップの状態でインパクトを迎えることになり、結果的にスライスしてしまうのです。

これらは理論的に知らなくても、感覚的にトップすることを身体が感知するので、左体重でスイングして対応しようとします。

そうするとダウンブローのスイングになるので、現在のヘッドが軽い3wでは振り遅れになって、やはりスライスの可能性が高くなるでしょう。

レベルブローのスイングで3wのスライスを直す

3wでスライスしないように打つためには、レベルブローのスイングを身につけることです。

そのための絶対条件は、身体を捻転させるスイングを練習しなければなりません。

スイングを考える時、時計の文字盤に見立てて説明すると分かりやすいです。

日時計のように地面に文字盤があり、12時がボールの位置、針の軸がプレイヤーです。

クラブヘッドは文字盤の外周を回り、12時のボールをインパクトします。

これが1つ目のスイングです。

もう1つは、文字盤を縦にして6時にボールを置き、同じくヘッドは外周を移動します。

この時のヘッドの動きを見ると、振り子のようなスイングをしています。

この2通りのスイングを合わせると文字盤は斜めになり、その傾いた文字盤を一般的にはスイングプレーンと呼んでいます。

3wのヘッドは、トップの位置から弧を描きながらインパクトまで移動します。

この時、縦のスイングはヘッドの重み(慣性モーメント)、横のスイングは捻転によるパワーの開放です。

そしてボールを捉える瞬間、それまで開いていたフェースは、ターゲットに対してスクエアになるわけです。

グリップエンドを意識したスイングで3wのスライス防止

捻転したスイングをしているのに3wがスライスするのは、インパクトの時フェースの向きとタイミングが合っていないからです。

ターゲットとボールを結ぶ線を飛球線と言います。

ボールの真後ろにフェースが入るまで、ヘッドは飛球線よりもインサイドで動いています。

しかも飛球線に対して垂直になるのは、ボールをインパクトする時だけです。

理想的なインサイドインでは、それよりも前はフェースが開いた状態、インパクト後はフェースが閉じた状態になります。

そのためレベルブローでインパクトのタイミングを合わせるのは、至難の業のような気がする方も多いでしょう。

しかし実際には、クラブヘッドの動きを気にせずに、グリップエンドが自分のベルトのバックルを指すようにすれば良いだけです。

インパクトの時に、グリップエンドが身体の中心よりも左側を指していたらスライス、右側を指していたらフックです。

なるべく大きなスイングを心がけて、ボールを左手の甲で打つようなイメージでスイングすると、グリップエンドはバックルを指すはずです。

3wのスライスを止めるための正しいスイング

3wがスライスするのは、捻転するスイングができていないからです。

そのためには、スイングを見直すことが必要です。

グリップを身体の横まで引き、グリップエンドを自分に向けた状態でインパクトができれば、レベルブローのスイングはできるはずです。