ゴルフで代表的なミスと言えば、スライスとフックです。
初心者ゴルファーが混乱しがちなのが、スライスとフェード、フックとドローの違いでしょう。
実はこれらの定義自体が曖昧なので、初心者に限らず混乱しているゴルファーは意外と多いのではないでしょうか。
そこでミスショットとなってしまうスライスとフック、持ち球となるフェードとドローのついて説明していきましょう。
スライスとフェードの違い
まずスライスとフェードとは、ターゲットに対して自分の立ち位置と反対方向に曲がる弾道を指します。
ゴルフの弾道としてあまり好ましくなく、ミスとして扱われるのがスライスで、逆に好ましいのがフェードになります。
なぜならスライスは曲がりが大きく安定せず、飛距離も大幅に落ち、最悪の場合OBになってしまうので、スコアを大きく崩しかねません。
そんなスライスが多くの初心者を最初に悩ませています。
特にゴルフ歴半年~1年くらいのゴルファーがスライスの悩みにぶつかることが多いようです。
これはフェースがターゲットに対して真っ直ぐでなく開いている、または外側から内側に振り抜くアウトサイドイン軌道になっていることが原因になります。
対してフェードは、ストレートに飛び出し最高到達点を過ぎてボールが落下する辺りから、立ち位置の反対側に少しだけ曲がる弾道になります。
分かりやすい表現で言うと、曲がるというより流れるといったイメージです。
そんなフェードはコントロール性に優れた弾道なのですが、ストレートやドローと比較して飛距離には劣ります。
ただ自分の止めたいところでしっかりと止めることができる利点があるので、グリーン上でピタっと止めたい時やアイアンショットなどの場合にオススメします。
フックとドローの違い
続いてはフックとドローの違いです。
ほぼスライスとフェードの違いの逆と考えて良いのではないでしょうか。
先程お話したゴルファーが最初に直面するミスであるスライスを克服し、スイングができ上がってくると、今度はフックのミスが出るようになります。
なぜならスライスを防ごうと意識しすぎてしまうと、フックが出てしまうことが多いのです。
これはスライスと逆で、フェースがターゲットに対して閉じたり、内側から外側に振り抜く、インサイドアウトになっていることが原因になります。
またドローは、ボールの落下直前に自分側に少しだけ曲がる弾道になります。
フェード同様、曲がり幅がフックよりも小さく緩やかに流れるような弾道のことを指します。
そんなドローはフェースにしっかり乗って当たりやすくバックスピンが少なめで、着地してからランが出るので、飛距離に優れている弾道になります。
しかしそんなランが出ることはデメリットにもなり得ます。
なぜならグリーンで止まってくれなかったり、フェアウェイに落ちても止まらずラフに転がって行ってしまうこともあるからです。
ドローは、フェアウェイが広く飛距離が必要なドライバーショットなどの時にオススメします。
一般的には距離が出ることもあり、フェードよりもドローの方が好まれます。
スライスとフェードの打ち方の違い
スライスもフェードもスイング軌道は同じインサイドインからアウトサイドイン軌道になります。
同じ軌道であっても、フェースが開いた状態でインパクトを迎えるとスライスになってしまいます。
それではフェードの打ち方はスライスとどう違えば良いのでしょうか。
まずボールの位置は左踵の線よりもボール1個分左に置きます。
それからスタンスは、オープンスタンスに構えてください。
そして右肩を少し前に出すイメージでアドレスをします。
そのままヘッドを真っすぐ引くと自然にアウトサイドに上がるはずです。
このオープンスタンスの度合いが、スライスとフェードの違いを生み出します。
オープンスタンスの度合いが強すぎると、ダウンスイングで体重を支えきれなくなり、体が引けてしまうことで、インパクトでフェースが開いてしまいます。
理想はアウトサイドイン軌道に対して、1度程度フェースが閉じた状態です。
ですからスライスになるか、フェードになるかのキーポイントは、オープンスタンスの度合いになるのです。
上手くフェードが打てなく、どうしてもスライスが出てしまう場合は、まずはスタンスを確認すると良いでしょう。
フックとドローの打ち方の違い
フックとドローのスイング軌道は同じインサイドインからインサイドアウト軌道になります。
同じ軌道であっても、フェースが閉じてしまった状態でインパクトを迎えるとフックになってしまいます。
この点はスライスとフェードの違いの逆になりますね。
ドローの打ち方は、ボールの位置は左踵の線よりもボール1個分右に置きます。
スタンスはクローズで、右肩を絶対に前に出さないでください。
右肘で脇を閉めるイメージでスイングすると良いでしょう。
フェースが開いている感じのまま、ヘッドを真っすぐテークバックしてインサイドに上げます。
ダウンスイングも同様にインサイドから自然に降ろしてください。
ポイントはインパクトまでは右足の踵はできるだけ上げないことです。
フックになるか、ドローになるかのキーポイントは下半身になります。
ドローボールを打とうと手首を返すことばかり意識してしまうと、下半身を使わずに手打ちになってしまいます。
好ましい弾道になるか、ミスショットになる弾道になるかは、一つずれてしまうだけで変わってくるのです。
理想はインサイドアウド軌道に対して1度程度開いている状態です。
スライスもフックも深く考えず芯を捕えろ!
スライスとフェード、フックとドローの違いで共通点があることに気づきましたか?
それは「芯をしっかり捕えているかどうか」です。
ですからスライスやフックに悩むゴルファーは、色々と考えず過ぎず、まずはゴルフの基本に戻り、しっかりと芯を捕える練習をしましょう。
球が捕まればボールは意図せず大幅に曲がることはありません。
ドローボールを打ちたい!
フェードボールを打ちたい!
は二の次です。
まずはしっかりと芯を捕えてストレートボールが打てるようにしてください。
そして練習を重ねていくうちに、自然とドローかフェードの曲がりで収まるようになります。
それが俗に言う「持ち球」になるのです。
意識してフェードやドローを打つのは、上級者中の上級者でも難しいです。
女子プロゴルファーも持ち球として打っている人が多く、意識してどちらかを打っている選手はほとんどいません。
スライスを打っていて、フェードが打てたと満足顔をしないでください。
フックを打っていて、ドローが打てたと満足顔をしないでください。
まず満足顔をするポイントは、ストレートボールが打てた時なのです。
フェード・ドローだけでなくスライスやフックを必要とする時もある
今回はスライスとフェード、フックとドローの違いについてお話してきました。
スライスとフックはトラブルショットに繋がるミスショットだと説明しましたが、上級者になると、わざとスライスやフックを打つ場面があります。
それは目の前に障害物がある時、または大きなドッグレッグになっている時です。
敢えてボールを曲げることで障害物を避けたり、ドッグレッグに沿って打つことでショートカットしたりします。
もちろん初心者や中級者がそのような挑戦をすると、ミスして障害物に当たって危険であったり、思わぬ方向に飛んでしまいOBなどになってしまいます。
不思議なもので、スライスやフックが悩みであっても、そう打ちたい時に限ってそのショットが出なかったりするものなのです。
打ち分けられる上級者は、スライスとフェード、フックとドローの違いを熟知しています。
もちろんそう打てるのが理想的ではありますが、まずは狙った方向、狙ったところ、狙った距離に打てる練習をすることが先決です。
違いが分かるとレッスンも理解しやすくなる
芯を捕えることが大事であれば、それぞれの打ち方の違いを知る必要はないのではないかと思われるかもしれません。
しかしゴルフは専門用語が多かったり、微妙な違いが多かったりします。
レッスン雑誌やレッスン番組を見たり、コーチやゴルフの先輩からの助言をしっかりと理解するためにはゴルフの知識を知っておく必要があるのです。