フックグリップの握り方はメリットが多く、初心者ゴルファー向けとも言われており、取り入れている人がたくさんいるでしょう。
また別名、ストロンググリップと言われており、スイングのパワーがボールに伝わりやすく飛距離が出しやすいとも言われています。
しかし最高と思えるそのフックグリップにも意外なデメリットがあるのです。
ゴルフ初心者向けのフックグリップの握り方
まずはゴルフ初心者向けと言われているフックグリップの握り方を紹介します。
フックグリップの握り方は、左手の甲が真上を向くのですが、手首を甲側に関節を曲げるだけです。
握り方のポイントは、以下の通りです。
・左手のひらを下に向けること
・指の付け根にシャフトを付けること
・握ったら拳の山が2~3個見えること
・右手のひらは目標を向けることの4点です。
この握り方の特徴は、手首を返さずグリップを引き下ろすだけで、コンパクトなスイングができるようになることです。
他にもスクエアグリップとウィークグリップの2種類の握り方がありますが、それらとの違いは、以下の通りです。
・トップから引き下ろすだけでインパクトを迎えられる
・その引き下ろしが強いほど飛距離が出る
・フェースローテーションがしやすい
・フィニッシュが大きくなる
グリップは、ゴルフクラブとゴルファーを繋げる唯一の場所になるので、ゴルフ上達はグリップで決まると言っても過言ではありません。
しかし、ここまで見るとデメリットがあるようには思えませんよね。
フックグリップの意外なデメリット
メリットばかりのように感じるフックグリップにももちろんデメリットが存在します。
しかし、圧倒的にメリットの方が多いのは確かではありますが。
まずフックグリップは、少しのアームローテーションでもフェースが閉じてしまう傾向にあります。
フェースが閉じるとボールの掴まりは良いのですが、それが度を過ぎるとヒッカケやチーピン、フックを出してしまう可能性があります。
またアームローテーションで左腕が捻れ、窮屈になってしまうこともあります。
そうなることで左腕が突っ張ってしまう状態になるので、左肩が上がりやすくなり、逆に右肩が下がってしまうと言う間違ったアドレスになってしまうことも考えられます。
ご存知の方は多いでしょうが、正しいアドレスをしないと、正しいゴルフスイングには絶対になりません。
これらのように少なからず、フックグリップにもデメリットは存在します。
少なくても、そのデメリットをしっかり気をつけておかないと、数多くあるメリットを台無しにしてしまいかねません。
メリットを台無しにしてしまうと、当然色々なミスを誘発しまうので要注意です。
フックグリップのデメリットが生み出すミス
では、メリットを台無しにしてしまうほどのフックグリップのデメリットが誘発するミスショットとは、どのようなものでしょうか。
左肩が上がり、右肩が下がってしまう間違ったアドレスの状態でスイングすると、インパクトのタイミングでクラブが下から入りアッパーブローになります。
アッパーブローは、ティーアップしているドライバーでのスイングなら、さほど問題ではありません。
しかしフェアウェイウッドなどの長いクラブでは、ヘッドが地面に当たり後ろから跳ねてしまったり、アイアンショットではダフりやトップのミスが出てしまいます。
トップやダフリ、チョロなどのミスが多発し、改善のため様々な練習方法に挑戦しているのにも係らず、全然直らないと言う人は、ひょっとしたらフックグリップに問題があるのかもしれません。
また少しのアームローテーションでもフェースが返るのに、更にフェースを返そうとすると、ヒッカケやチーピン、フックのミスが出ます。
フェースを返す癖は、意識してもなかなか直りません。
癖になっていると、意識せずともフェースを返してしまいます。
このようにフックグリップのデメリットが誘発するミスは、ゴルフの代表的なミスのオンパレードです。
ゴルフでやり過ぎは全てデメリットになる
ゴルフスイングは、考えることや意識するポイントがたくさんあります。
あれこれ考えていると力が入ってしまい、スイングを崩してしまうので良くないのですが、それ以上にダメなことが「考え過ぎる、意識過ぎる、やり過ぎる」ことです。
それはフックグリップでも同じことが言えます。
過剰なフックグリップはデメリットに成り得ます。
正しいフックグリップでは、左手の拳が2~3個見える状態なのですが、左手の拳が4個以上も見えている状態は、左手の甲が上を向きすぎて腕の捻れが強くなりすぎています。
そうなるとフックグリップにデメリットでお話した、左腕が完全に伸びて突っ張ってしまう状態になってしまいます。
ただ左手の拳が2~3個と言う決まりはなく、それぞれの感覚によっても変わってきます。
目安としては、腕が捻れて引っ張り過ぎない程度の握り方になるでしょう。
また特にドライバーに多いのですが、飛距離を出したいために、グリップを強く握り締めてしまうのもミスショットになります。
フックグリップで強く握り過ぎてしまうと、フェースが返しやすいスイングができるのに、フェースターンが自然にできず、タイミング良くインパクトを迎えられなくなります。
プロゴルファーはフックグリップが多い
ゴルフは飛距離を競うスポーツではないと言われていますが、プロの世界では飛距離が絶対的なアドバンテージになります。
ですから多くのプロが飛距離を出せるフックグリップを採用しています。
プロが思うフックグリップのメリットは以下のようです。
・ヘッドの重いアイアンが使えること
・ヘッドが重いとボールが良く止まること
・フォローが大きくなり、フェースコントロールしやすいこと
ツアートーナメントでは大きなメリットとなることばかりです。
2016・2017年連続賞金女王に輝いたイ・ボミ選手もフックグリップを採用しています。
イ・ボミ選手の卓越したコントロールはこのグリップから生まれていたのです。
正確に言うと彼女のグリップは、フックグリップでありながら、右手はパームグリップになっています。
もちろんプロであっても、先に話したデメリットになり得ます。
十分な注意を払っていても、緊張する一打一打の中で、ミスショットが出てしまうことはあるでしょう。
しかしリカバリー力が高いのがプロなので、ミスショットもスコアを大きく崩すようなものには結果ならないのは驚きです。
プロを真似よう!ミックスグリップ
先ほどイ・ボミ選手のグリップは、左がフックグリップで、右がパームグリップと話しました。
このようにプロは左右でグリップが違います。
プロが多く採用しているのが、左手はフックグリップで、右手がウィークグリップです。
このグリップの最大のデメリットは、手首を痛める可能性があることです。
球筋はスライス系になります。
プロが採用しているグリップは、飛距離と方向性に優れているので、アマチュアでも一度試す価値はあるでしょう。
もちろん独自のグリップを編み出しても良いですが、大事なのはしっかりと振れることと手首を痛めずにスイングできることです。
ゴルフが上手くなる人は、自分で試し、納得してから良いものを取り入れます。
また人の真似はせず、自分に合っているものだけを選びます。
しかしそれには、ゴルフに関しての十分な知識と柔軟な対応が必要です。
それができるまでは、手探りで色々なことを試してみるのも良いかもしれません。
ただ変な癖が付かないように十分気をつけてください。
相思相愛のグリップの握り方に出会おう
今回はフックグリップに的を絞ってお話しました。
デメリットはあるにも関わらず、最強のグリップのように話しましたが、全てのゴルファーに必ず向いているわけではありません。
それぞれのスイングスタイルや癖等によって、合うグリップは違います。
もちろんフックグリップに挑戦しても良いのですが、ひょっとしたらもっと自分に合うグリップの握り方があるかもしれません。
がんばって練習してもミスが無くならない時は、最初にグリップを見直すと良いでしょう。