皆さんは、0番アイアンの存在を知っていますか?
または、自分のフルセットの中に組み込んでいたりしますか?
そんな0番アイアンが、どのくらいの飛距離が出るのかも気になりますよね。
トッププロでもなかなか使用しない0番アイアンですが、石川遼選手が2011年に全英オープン対策に使ったことで、かなり注目されました。
今回は、そんな0番アイアンについて説明します。
0番アイアンとは?
さて0番アイアンですが、概要でも出てきたように、多くの方が石川遼選手が使用したYONEXの「0アイアン」を思い浮かべているかと思います。
この0番アイアンを手にすると、初めて分かるのですが、実はこの0番アイアンは、ユーティリティーなのです。
ご存知、ユーティリティーには2種類あり、ウッド型とアイアン型があります。
この0アイアンはアイアン型ユーティリティーとなります。
では、実際に0番アイアンというものは存在しないのでしょうか?
実は、過去にも存在しているのです。
フォーティーン社も、ヨネックス社も名前は0番アイアンでも、実際はユーティリティーなのですが、BoseIronFactory社が「零式」というものを作りました。
しかも、しっかりマッスルバックとキャビティの2種類を作り上げています。
さらに、BANG-GOLF社も「Bamg-O-MaticCenterCutIron」というものを発売しており、こちらも0番アイアンを製作しています。
こちらの会社は幅広く、クラブを細かく製作しており、フェアウェイウッドでは、他社にはない番手まで販売しています。
何と、21番ウッドまであるのは驚きです。
そのロフト角は54度とのことで、AW相当のロフト角になります。
正直、使い道が分かりませんが、どれくらいの飛距離が出るのかは気になりますね。
0番アイアンのスペックとは?
まず、2社の0番アイアンのスペックを見てみましょう。
【零式】
ロフト角 12度
シャフト ドライバー用カーボン
長さ 43.75インチ
【BANG-GOLF】
ロフト角 11度
シャフト アイアン用カーボン
長さ 44インチ
上記のスペックを見る限り、ほぼドライバーといっても良いスペックなのが分かります。
女性用のドライバーとロフト角、長さ共に同じですね。
BANG-GOLF社の方は、本当にアイアンのスペックで0番を製作したというものですが、零式は打ちやすくするために、ドライバー用のシャフトを挿しています。
そうすることでしなりやすくなり、飛距離にも影響が出ます。
マッスルバックでも、キャビティでもドライバー用のシャフトを挿すことにより、クラブのMOIが良くなります。
※MOIとは、「MomentofInartia」の略で慣性モーメントのことを言います。
通常、長いクラブになればなるほど、このMOIが悪くなり、打ちにくくなります。
しかし、ドライバーのシャフトを使うことで、ダイナミックゴールドを挿した7番アイアンの数値とほぼ同じになるのです。
単純に見れば、ダイナミックゴールドの7番アイアンが打てれば、この零式の0番アイアンも打てるということが分かります。
興味が湧いたら実際に打ってみてはいかがでしょうか。
0番アイアンの飛距離
0番アイアンの飛距離は、単純に3番ウッドと同じかもしくは、それ以上飛ぶということになります。
ウッドの方がランが出る分、総距離は3番ウッドの方が出るかもしれませんが、ほとんど変わらないと推測できます。
アイアンで3番ウッドと同じくらいの飛距離を出せるなんて夢のようですね。
しかも、アイアンなのでバックスピンが入り弾道も高くなりやすいことと、多少のラフからなら、フェアウェイウッドでは、無理でも0番アイアンなら打てます。
ほとんど考え方はユーティリティーと同じと言っても良いのではないでしょうか?
正直まだ打ったことはないので、感触や打ちやすさ、実際の飛距離は未知数ではありますが、理論上は3番ウッドと同等かそれ以上の飛距離が出るということになります。
石川遼選手が使っていた0アイアンの場合は、本人談によると、ドライバーの次に飛ぶクラブの位置づけと言っていましたが、あちらは0番ユーティリティーなので、参考程度に聞いておきましょう。
なぜわざわざ0番アイアンを使うのか?
同じ飛距離が得られるならウッドでも良いのではないかと思いがちですが、実は0番アイアンを使うメリットは以下になります。
・浅めのラフからも打てる
・グリーンでボールが止まりやすい
この2点になります。
アマチュアゴルファーが普通にプレーする分には、あまり関係の無いことかもしれませんが、試合では、グリーンスピードが速かったりして、微妙な感性が必要になります。
セオリーとしては、ウッドよりユーティリティー、ユーティリティーよりアイアン、アイアンよりウェッジという順でボールが止まりやすくなります。
従って、0番アイアンの方が、ウッドよりもボールが止まりやすいので、必要性が出てくるということです。
フェアウェイに関しても、ラフのようにフカフカな場合もあり、なかなか払い打ちが難しい場合があります。
またフェアウェイでもラフのような場所に遭遇することがあります。
その場合、少しでも距離を出したいので、アイアンでダウンブローに打つことが必要とされ、フェアウェイウッドと同じ飛距離が出せるので、便利となります。
あくまで、上級者、プロレベルの観点なので、納得するのが難しいですが、一度静ヒルズや宍戸ヒルズのようなゴルフ場に行ってもらうと、グリーンの止まらない感じが体感できるのではないでしょうか。
0番ユーティリティーの飛距離は?
0番ユーティリティーは0番アイアンよりもランが出る分、飛距離が出ます。
従って、プラス5~10ヤードという解釈を持ちましょう。
0番ユーティリティーを使うメリットとしては、ウッドよりもボールが止まりやすく、さらには、アイアンよりも総飛距離が出ることです。
ソールがアイアンよりも厚い分、アイアンよりも優しく打てます。
そのためミート率が上がるということになるので、非常に便利です。
石川遼選手は0番ユーティリティーで約250ヤード飛ばしていました。
一般成人のドライバーと同様の飛距離が出せるのですが、地面から打つ分、飛距離はどうしても落ちます。
しかし、直ドライバーほど難しいものはないですし、仮に上手くミートしても、ティーアップ時よりも飛ばないのは同じなので、ドライバーと同等の飛距離と言っても間違いではありません。
0番アイアンの飛距離はティーショットでも使える!
0番アイアンをティーショットに使うことは良いことです。
ドライバーよりもアイアンの方が曲がりが抑えられる分、フェアウェイキープ率が高くなります。
ラフのきついゴルフ場などでは、どうしてもフェアウェイキープしたいものです。
しかし、番手を下げればフェアウェイキープできても、2打目の距離が残ってしまい、難しくなってしまいます。
しかし、0番アイアンを使えば、3番ウッドと同様の飛距離を出せるために、飛距離が下がりすぎる心配がありません。
フェアウェイの狭いコース、OBまでの距離が近いホールなどで使用するためだけにセットに入れておくというのもありではないでしょうか。
2打目がグリーンに乗せられる距離に1打目を刻むことは、逃げではなく作戦、コースマネジメントです。
石川遼選手も、「バーディーを獲るため」に0番を使用していると語っています。
コースマネジメントの手段の幅が広がるので、0番アイアンを入れる選択もありなのではないでしょうか。
まずは試打してみよう
まずは、打てるのかどうかを試打する必要があります。
なかなか体験したことがあるゴルファーはそう多くないと思いますので、一度感触を試してみる必要があります。
零式は、ホームページ上で試打できる場所を記載していますので、ぜひ見てみてください。