3番アイアンが苦手と言うゴルファーはかなりの数いることでしょう。
本来は簡単なクラブとも言えますが、「方向性が定まらない」、「5番アイアンと飛距離が変わらない」といった悩みがあるようです。
そこで3番アイアンが簡単に感じる練習法や打ち方を紹介します。
苦手な3番アイアンと打ちやすい7番ウッドの飛距離を比較
ゴルファーにとって苦手意識の強いクラブの筆頭が3番アイアンだそうです。
理由としてはシャフトは長くてフェース面が小さいため、「打ちにくい」と思い込んでいるのではないでしょうか。
スタンダードモデルの3番アイアンの平均的な長さは38.5インチです。
同じタイプの5番アイアンが37.5インチなので、3番アイアンより指幅1.5~2本分短いだけです。
仮に3番アイアンのグリップエンドを指1.5~2本分短く握れば、5番アイアンと同じ長さで構えることができます。
3番アイアンに苦手意識があることから、「長いクラブ」のイメージが強いのではないでしょうか。
ちなみにスタンダードタイプの7番ウッドの長さは41.5インチなので、長さだけで比べれば3番アイアンのほうが、はるかに簡単なクラブと言えます。
飛距離が同じ3番アイアンと7番ウッドを、フェースのサイズで比べてみると大きな違いはありません。
それでも3番アイアンが難しく感じるのは、長さやフェースの大きさではなく、もっと別な理由がありそうです。
3番アイアンの飛距離は5番アイアンのプラス20ヤード
3番アイアンの飛距離は、自分の5番アイアンの飛距離に20ヤードプラスします。
つまり5番アイアンの飛距離が170ヤードであれば、3番アイアンは190ヤードと言うことになります。
もしもキャディバッグに7番ウッドが入っていれば、それもまた190ヤードの飛距離のはずです。
ターゲットに向けて3番アイアンと7番ウッドのどちらかを選択するのであれば、多くのゴルファーは7番ウッドを選ぶことになります。
7番ウッドであれば、ラフに入っていてもライさえ良ければ、苦もなくテーゲットを狙うことができるはずです。
一方で3番アイアンを使うのであれば、フェアウェイの良いライでなければ難しいと感じるのではないでしょうか。
このように飛距離がほぼ同じこの2つのクラブですが、使いやすさの違いはソールの形状に理由があります。
7番ウッドはソールが広くダフリ気味にスイングしても、スイートスポットでボールを捉えることができます。
ところが3番アイアンのヘッドをボールの手前から入れると、ほぼダフリになるはずです。
つまり3番アイアンは正確にボールを捉えるスイングができないと、想定した飛距離を得ることができない「難しいクラブ」と感じているわけです。
3番アイアンの飛距離が伸びないのはアッパーブローが原因
3番アイアンの打ち方が間違っていることで、飛距離も伸びず難しさが増幅しているのではないでしょうか。
フェース面の大きなドライバーやウェッジでショットする時、結局インパクトポイントは1点です。
3番アイアンのフェースが小さくても、スイートスポットは1点ですから、まずは芯で捉えるスイングに集中しましょう。
問題なのはスイングのスタイルです。
7番ウッドのほうが簡単だと感じるのは、アッパーブローでスイングしているからという理由が多いです。
ボールの手前にスイングの最下点をイメージすると、インパクトでは下から上に向けてフェースが動きます。
これはティーアップしたドライバーショットと同じ打ち方なのですが、実際には7番ウッドのソールが厚いので、ダフリにはならずに芝面を滑ってボールを捉えることができます。
一方で3番アイアンも同じようにアッパーブローでスイングすると、ボールの手前にザックリと打ち込んでしまい、上手くインパクトすることができません。
これは3番アイアンに限ったことではなく、アイアン全般でアッパースイングではショットはできません。
ではどのようなスイングであれば、綺麗にインパクトができるのかを確認しましょう。
3番アイアンの飛距離アップはレベルブローが最良!
アイアンのスイングは、上から下に打ち込むダウンブローが一般的です。
スイングの最下点をボールよりも前方に置いて、ボールよりも前のターフを削るようなスイングがダウンブローです。
ところが3番アイアンをダウンブローで打ち込むと、ボールへの衝撃にヘッドが負けてしまい、シャフトを軸にクラブが右側に回転してしまいます。
そうなると結果的にプッシュアウトかスライスボールになり、しかも想定した飛距離を得ることもできません。
そこで3番アイアンを打つ時はレベルブローをイメージしてスイングします。
レベルブローはボールが接地している部分を最下点にしたスイングです。
つまり払い打ちでも打ち込みでもない、ノーマルなスイングができれば、3番アイアンは簡単に打つことができます。
このレベルブローで大事なことは、自分のスイングの最下点を見つけられるかです。
必要なことはスイングごとに最下点が変わらないこと、つまり安定したスイングができなければなりません。
練習場ではフラットな打席で打つため、身体の中心よりもボール2個左側がノーマルポジションです。
しかしコース内はアンジュレーションがあるので、ボール付近で素振りをして毎回最下点をチェックすることが大切です。
最下点に合わせてスタンスをとれば、後はいつものスイングで正しくインパクトができるはずです。
正しいスイングを覚えて3番アイアンの飛距離を安定させる
5番アイアンよりわずか1インチしか違わない3番アイアンは、正しいスイングができれば簡単にボールを打つことはできると説明しました。
ただ想定の飛距離が出せるように、使いこなすことができるようになるには、ある程度練習が必要です。
練習場ではマット打ちになると思いますが、練習場のマットはヘッドがボールの手前から入っても滑ってしまうので、良い練習ができません。
そこで芝面から綺麗に打てるレベルブローを練習する方法は2つあります。
1つ目の方法は、ゴムティーの上のボールを打つこと。
まず自分の最下点を確認するために、マットに向けて素振りをします。
次にティーアップしたボールの位置が最下点になるようスタンスをとります。
自動アップティーであれば25ミリに合わせて、グリップエンドを指1本分空けてグリップを握ってください。
後はスイートスポットを意識してスイングすることになりますが、3番アイアンに苦手意識があるようなら、最初は小さな振り幅から始めて、徐々に広げていくようにしましょう。
ティー打ちで大事なことは、払い打ち(アッパーブロー)にならないようにすることです。
3番アイアンで想定した飛距離を得る練習法とは
2つ目のレベルブローの練習方法は、マットの上のボールの後ろにコインを置くこと。
「レベル=水平」なので、ヘッドがスライドするイメージを持ちますが、実際のスイングは弧を描いています。
しかもヘッドは、身体側からボール側に円を描いて振り下ろすので、斜めの円盤の最下点にボールがあればレベルブローです。
正しいレベルブローができれば、ボールの後ろに置いたコインを弾くことはありません。
このマット打ちの場合には、アッパーブローを心配することはありませんが、逆にダウンブローを注意しなくてはいけません。
3番アイアンでダウンブローにならないようにするためには、手首を柔らかくしたスイングを心がけることです。
スイングの最下点を確認してからスタンスをとり、ハンドファーストでグリップを握ります。
ハンドファーストでフェースをスクエアに合わせて、グリップを身体の中心に持っていくとフェースは左側を向くでしょう。
このフェースが作るわずかな方向性によって、スライスを防いだ力みのないスイングができるようになり、想定した飛距離を得ることができるのです。
あとは感覚を掴めば、コインを弾かずにレベルブローでボールを打つことができるようになるはずです。
3番アイアンが使えたら他のクラブの飛距離アップする
今はセットに3番アイアンと4番アイアンの入っていない、ストロングタイプのセットが主流です。
飛びが重視されているわけではなく、フェアウェイウッドやユーティリティなどが進化していることで、ラフからでも打てるタイプに移行しつつあります。
しかしロングアイアンを使いこなすことができたら、ダフリ気味に入るフェアウェイウッドもロスがなくなり、さらに飛距離アップが期待できるはずです。