パッティングでグリーンのラインを読み切ったと思ったのに、カップの手前で止まってカップインならず!
ゴルファーならそんな経験はあるのではないでしょうか。
入らないのはラインの読み間違いではなく、そのゴルフ場のことを知らないからです。
そこで今回はグリーンに関する知識と、どんなグリーンでも1発で入る打ち方を紹介します。
カップの切り方でパッティングの結果が変わる
パッティングラインに乗って転がり、カップインの寸前でボールが止まった経験はないでしょうか。
「打ち切れていない」と、ゴルファーのテクニックやメンタルを理由にしてしまいがちですが、実際にはコースコンディションに大きな理由があったとも考えられます。
プレイヤーもコースメンテナンスについて多少の知識があれば、カップの手前でボールが止まることを予測できたはずです。
カップの寸前で止まるのは、ラインは読んでいたけど「詰めが甘い!」という知識のなさに原因があったのです。
芝で密集しているグリーン面ですが、多くのプレイヤーが同じ箇所を集中して踏みつけると弱ってきます。
カップ周りは、まさに全プレイヤーが集まる場所なので、1日で荒れてしまいます。
そこでカップを切り替えるのは、コースメンテの日課になっています。
配水管がルーツのカップの直径は4.25インチ(10.8センチ)と意外に大きく、しかも深さは4インチ(約10センチ)以上と定められていることから、切る時は強い力が必要になります。
ホールカッターを使って硬いグリーンを深くねじり切っていくと、最後に筒の中の土と一緒に抜くことになります。
この時、筒を回転させながら持ち上げるために、カップの周囲がわずかに上がりストッパーになってしますということです。
パッティングに入る前にカップの場所を予測できる
パッティンググリーンでは、カップの周辺が荒れるために、毎日カップを切り直します。
カップ周辺の芝は傷んでいますから、なるべく前日の近くに新しくカップを切らないようにしたいと考えます。
そこでグリーンをA・B・C・Dに4分割して、1日目がAエリア、2日目はBエリアと決めてカップ切りをします。
グリーン形状によって3分割であったり、1段・2段・3段と分けたりすることもありますが、前日からなるべく離れた箇所に切るようにします。
ただし、この方式だとCエリアは次のホールへの通路になっていて、カップを切らなくても傷みが激しいことがあります。
そのような時は、カップ切りの担当者の判断で決めることになりますが、この場合にも一定の法則があります。
A・B・C・Dが四角形でローテーションすると考える時、五角形の星型でローテーションします。
一筆書きと同じ動きで、対角のエリアの中でカップを切れば、自由度が高く傷みの少ない箇所を探すことができます。
このローテーションが分かると、グリーン面の見えない砲台グリーンでもカップの位置を読むことができるようになります。
セオリーが守られていればパッティングでカップを狙える
ゴルフコースではカップの切り出す時があります。
休場日があれば開場日が切り出す日になりますし、2グリーンのコースでは本グリーンに戻す時が切り出す日です。
一般的にA・B・C・D分割であればAから始めるので、原則は全部のグリーンがAエリアに切っています。
もちろん全部のグリーンが円形ではありませんし、病気が発生して傷んでいる場合もありますので、絶対に同じエリアに切っているとは限りません。
しかしティーグラウンドでショットをする時や、ブラインドホールでピンの位置が確認できない時の目安にはなるはずです。
また縦長の3段グリーンでは、ティーグラウンドも縦長になっていることが多く、総距離を変えないようにしています。
つまりティーマークがティーグラウンドの前方に置かれていたら、カップはグリーンの奥に切られているはずです。
もしもティーマークが中間に設置されていれば、3段グリーンの真ん中にカップが切られていると考えることができるのです。
大事なことは、このセオリーが守られているコースであるかです。
ティーマークとカップの位置の関係性が正しいようであれば、コースメンテナンスは基本に近い形で整備されています。
それであれば、すべてのパッティンググリーンの速度も管理されていて、バラつきはないと考えることができるでしょう。
パッティングラインを読めないのはカップまでの雑草が原因
メンテナンス管理のセオリーが守られているコースでは、カップ切りをしたあと切り口が浮かないように、再度内側の土を外したホールカッターを埋めることで、盛り上がった淵を押し戻す作業をしています。
こういった手間をかけているグリーンであれば、芝目などを参考にライン読むことはできます。
でも単に芝を刈っているようなグリーンでは、傾斜などで判断して「およそ」でパッティングするしかありません。
グリーンの葉先が一定の方向を向いていることを芝目と呼ぶので、ボールとカップの間に雑草が入ると、ボールの転がりを予測することはできません。
ゴルフコースのグリーン面で多い雑草は、「スズメノカタビラ」です。
イネ科の植物で稲穂のような種を実らせますが、芝刈りをすると茎の部分だけが残り、茎は真っ直ぐ生えることになります。
芝目は横に流れているのに、カタビラだけは真っ直ぐに生えてブレーキになるため、転がるボールは変化することになるのです。
しかもグリーンの芝とカタビラでは生育速度が違うために、午後になるとカタビラだけが伸びてストッパーのようになるわけです。
そんな条件下ではしっかりラインを読むよりも、ザックリした感じでパッティングするほうが良いと言えます。
パッティングの時はカップの周囲を踏まないように!
メンテナンスのできていないコースがダメなのかというと、そんなことはありません。
大半のゴルフコースは休むことなく営業しているので、常に芝面の傷みを修繕していますが、直りきらないうちにまた同じエリアにカップを切ることになっているだけです。
またスズメノカタビラなどの雑草は全国のコースで蔓延していて、程度の差こそあっても、どこのコースもカタビラが点在しています。
ちなみに毎年プロの試合が行われるトーナメントコースは、計画的に芝の貼り替えが行なわれていて、カタビラの少ないグリーンにしているだけです。
そのコストはもちろんプレイヤーの料金に跳ね返ってくるので、おおむね高額料金を覚悟でプレーすれば、本格的にラインを読むパッティングを楽しむことができるはずです。
コースの管理はゴルフ場がするものですが、我々プレイヤーも芝が傷まないように注意しなければいけません。
カップの周辺20センチから30センチは踏まずに、カップインしたボールを取上げるとか、グリーン面でスイングの素振りをしないようにするとか、誰でも簡単にできることで傷みを軽減できることがあるものです。
パッティングが上達する自前カップの練習法とは
巷ではパッティングの極意のように、カップまでのラインを読む方法を見かけますが、実際にはそのラインを読めるコースは限られています。
一般ゴルファーが楽しめるコースのコンディションを考えれば、強めのストレートが打てるようになることがスコアに直結するはずです。
そんなストレートに打ち出すパッティングの練習は自宅でできます。
ボールを1スリーブ(3個入)で購入し、その箱の蓋を開いてカップの代わりにしてみましょう。
最初は短い距離から練習し、徐々に距離を広げていきます。
一見すると難しそうに感じますが、フェースがスクエアに保たれ、少し強めにストロークすれば箱の中に入っていきます。
ただしあまり強く打ちすぎると、箱が動いたり弾けたりと上手く入れることができないので、適度な力でボールを打つ必要があります。
この練習を続けるとターゲットに向けて正確にパッティングすることができ、しかもカップの手前で止まることはなくなるはずです。
正確に強気のパッティングでカップを狙う!
グリーン面でパッティングラインを読むことは、ゴルフの中でも楽しい時間ではありますが、読み過ぎるとかえって入らなくなることがあります。
ラインを正確に読みすぎたことで、コースメンテナンスが追いつかずに、ボールの方向が変わってします。
正確に強気のパッティングができれば、ザッとラインを読むだけでカップを狙うことができるでしょう。