ノーメッキのウェッジは赤い錆が浮いてきて、他のクラブと比べると貧相な雰囲気が漂うものです。
そんな時はガンブルー塗装でちょっとお洒落な黒色に染めてみてはいかがでしょう。
自分で簡単にできる赤錆止めの黒塗装ですが、その方法と仕上がりが良くなるちょっとしたコツを紹介します。
赤錆が浮くウェッジをガンブルー塗装してみよう
真っ赤に錆びたウェッジを黒く塗ると、ヘッドが締まったように見えて「振り抜けが良くなった」なんて声も聞こえてきますが、その黒い塗装はペンキではありません。
ガン(銃器)を黒く塗るために使われているガンブルー塗装を使います。
確かに銃撃の反動による衝撃を考えれば、ウェッジに掛かる抵抗にも耐えうると考えて当然のことです。
しかもガンブルー塗装は誰でも簡単に塗ることができますし、気に入らなければ剥がすことも簡単にできます。
塗装方法は、最初にウェッジの汚れや油分をしっかり取り赤錆を残さず落とします。
ゴシゴシこすって錆落としをすると、手の油がウェッジの表面につくので、最後にシンナーや除光液など揮発性の高いものでふき取りをしましょう。
後はガンブルー塗装をすれば一応完成です。
ただウェッジの表面はつや消しのような色合いになるので、キャディバッグの中で1本だけレトロ感が漂うクラブが入って違和感が嫌だなと思うのであれば、光沢のある表面処理もできます。
ではガンブルー塗装に必要なものと塗装の手順について見ていきましょう。
ウェッジをガンブルー塗装する前に必要なものを揃える
ウェッジの赤錆を取り除き下地処理をして、ガンブルー塗装で赤錆防止と黒の着色をします。
まずは必要なものを揃えてください。
錆取りに必要なものとしては、サンドペーパーやスチールたわしのように擦って磨けるもの、またクリームクレンザーのような液体磨き粉と柔らかめの布、さらにタンニンが配合された錆消し剤やサンポールなど、使いやすく錆の程度に合わせて綺麗に取れるものを使います。
油分を取り除くものとしては、擦り洗いする食器用洗剤とスポンジ、またはシンナーやマニキュアをふき取る除光液などから選ぶことをオススメします。
塗装に必要なのは、ガンブルー液と刷毛(ハケ)筆などの塗る道具ですが、フェース面は荒めのスポンジのほうが塗りやすい場合があります。
仕上げとしては乾いた布とミシン油があれば十分です。
もしもガンブルー塗装がはみ出した時には、除光液でふき取ることはできますが、先にマスキングテープをソケットに貼っておくと仕上がりはよくなります。
さらにテーブルや床に塗料垂れがないように、新聞紙やビニールシートなどを用意しておくと、作業に集中できるでしょう。
ガンブルー塗装はウェッジの汚れをとって下地処理してから
必要なものがすべて揃ったら、ウェッジの錆取りから始めます。
まずはウェッジの泥や土などを水洗いして綺麗にします。
次にサンドペーパーやスチールたわしを使って赤錆を落としていきますが、地金を削り過ぎないように気をつけて擦るようにしましょう。
表面に赤錆が見えなくなったら、さらにクリームクレンザーなどで擦り、赤錆の根となる部分を完全に取り除くようにします。
ここまでやれば赤錆はなくなるので、後は手垢というか手油みたいなものを除去するためにアルコールでふき取ります。
アルコールは除光液やシンナーなど揮発性の高いものであれば何でもOKです。
また食器用洗剤も油分を取ってくれるので、クレンザーを洗い流す時に使うと一石二鳥で油分取りができます。
この時小まめに溝の内側までしっかりふき取るようにしてください。
ウェッジに油分や手の脂がついていると、ガンブルー塗装を弾いてしまうので、仕上がりにムラが出てしまいます。
ウェッジのガンブルー塗装は「1回塗りが基本」のワケとは
これで下地処理は終わりですが、ガンブルー塗装のノリを良くするためには、ウェッジのヘッドを冷やすと良いと言われています。
ドライヤーなど熱を加えて速攻で水分を乾燥させるようなことはせず、しっかりふき取るようにしてください。
ここからガンブルー塗装です。
ガンブルー塗装は、字のごとくブルー(青)の塗料なのですが、次第に黒色が主体となり、今では黒色が主流になっています。
ただし映画に出てくる拳銃でも知っての通り、シルバーやつや消しの黒など、たくさんの種類があるので色には注意が必要です。
またガンブルー塗料とは、正確にいうと塗装をするのではなく、黒錆を付着させて赤錆を排除するものです。
ウェッジの赤錆を黒錆に変えることで、表面が保護されて劣化を防いでくれるわけです。
ただ黒錆よりも赤錆のほうが強いために、傷ができるとそこから赤錆が繁殖してくるので、小まめなメンテナンスが必要になります。
ではガンブルー塗料を別容器に出して刷毛につけていきましょう。
刷毛塗りが苦手な人はスポンジなどでも塗ることができますのが、2回塗りをすると最初の塗り分が剥げてしまうことがあるので、1回塗り限定と言うことになります。
ウェッジのガンブルー塗装を綺麗に仕上げるコツ
ガンブルー塗料の塗り方は、同じ方向に刷毛先を流していくことです。
クロスしたり少しずつ重ね塗りすると、仕上がりが汚くなってしまうので、一気に塗るようにしてください。
最初にシャフトに近いソケットぎりぎりから塗り始めて、ウェッジの裏面を塗ります。
裏側はヒール側からトゥ側に向けて塗っていきますが、刷毛を強く押し付けるとスジが出てしまうので、力加減を調節していくことが大切です。
裏面は横向きに刷毛を流していきましたが、フェース面は上から下に向けて刷毛を走らせます。
シャフトを挿しているホーゼル側から順に、上から下に向けて塗っていきます。
溝に余分なガンブルー塗料が溜らないように注意しながら、だけど塗り残しのないようにしっかり塗料を乗せるようにしましょう。
ガンブルー塗装は顔料を塗るわけではなく、ウェッジの金属にガンブルー液をつけることで黒錆に化学変化させるので、ガンブルー塗料を厚く塗っても意味はありません。
たっぷり塗料を乗せるのではなく、塗り残しのないように黒錆を付着させる感覚が大切です。
ガンブルー塗装で光沢のあるウェッジに変身させる方法
ウェッジのフェースにガンブルー塗料が上手く塗れない時には、刷毛をやめて荒めのスポンジや布などで塗ってもOKです。
目に見えない程度かもしれませんが、塗り残しがないように気泡なども気にして塗るようにします。
もしも心配なら柔らかい布にガンブルー塗料を染み込ませて、溝の隅までガンブルー塗料を付着するようにしましょう。
ウェッジのヘッド部分がすべて塗れたところで乾燥させます。
ヘッドの塗料が厚くなければ一箇所に溜まることはありませんが、もしも塗りすぎたようなら柔らかい布にガンブルー塗料を染みこませてから、ふき取るようにしましょう。
このまま乾燥させてから、一度食器用の洗剤で洗います。
もう一度乾燥させてから、ミシン油をつけて布で磨くと光沢が出てきます。
ただしゴシゴシ磨いても光沢は出ませんので、もしもプラスチックのような光沢が欲しければマイクロファイバークロスのような肌理の細かい布で磨き上げる必要があります。
ショットによって徐々に剥げてきますが、半年に1度はガンブルー塗装によるメンテナンスをしていくことが大切です。
ガンブルー塗装はウェッジの劣化防止の役割もある
赤錆でレトロ感のあるウェッジをガンブルー塗装することで、お洒落なクラブに変身しますが、それ以上に赤錆によってウェッジの切れが悪くなる性能劣化も防ぐことができます。
ウェッジのガンブルー塗料はセルフメンテナンスができるだけではなく、自分のクラブへの愛着も高まるので、もしかするとスコアをも左右するかもしれませんね。