ドライバーは重心距離が短いほどヘッドが回転し捕まる!

最終更新日:2017/11/18

ゴルフクラブの重心距離というのをご存じでしょうか?

重心距離とは、シャフトの軸線から、フェース面上の重心までの距離のことを言います。この距離が短いほど、インパクトの際、フェースが閉じやすくなるのです。
そのためクラブの重心距離はショットに大きく影響します。

そこで今回は初心者のために、ドライバーの重心距離の説明や、スイングに及ぼす影響、そして重心距離から見たクラブの選び方をまとめてみました。

スライスに悩むならドライバーの重心距離は短いものを!

飛距離が気になるドライバーの重心距離は、短いほうがスライスに悩むゴルファーにとっては有利です。
逆に、重心距離が長いドライバーを使うほうがよいゴルファーも存在します。

自分はどちらが向いているかという前に、リストターンをするタイプかどうかを知らなければいけません。

リストターンをするタイプのゴルファーは、ヘッドが返しやすいことから、重心距離が短い方が適しています。
対してリストターンをしないゴルファーは、重心距離が長いドライバーを使う方がしっくりくるはずです。

リストターンはやり過ぎると、ヘッドが返り過ぎてフックが多くなってしまうこともあります。

ドライバーのヘッドの回転の中心は、あくまでもシャフトの「軸」になります。
つまりシャフトの軸からクラブヘッドの芯までの距離がスイングに影響を与えてしまうのです。

大型化するドライバー傾向で重心距離が変わってきている!

冒頭でもお話した通り、シャフトの中心線からフェースの表面の重心までの距離を知ることはクラブ選びにとても大切です。

近年、ドライバーのヘッド体積は年々巨大化が進んでいて、460CCが当たり前になっています。
ということは、重心距離も長くなっているということです。

ドライバーの重心距離の平均は、おおよそ38ミリ前後のものが多いと言われています。
スライスに悩むゴルファーは、平均より短い数値のドライバーを選んでみましょう。

繰り返しになりますが、重心距離は短いほどフェースを返しやすくなり、フェースの返しが苦手のスライス気味のショットが多いゴルファーにとっては、重心距離が短いドライバーのほうが適しているということになります。

購入の際、カタログで確認することはできますが、ドライバーの重心距離が長いか短いかということが見た目で分かる秘訣があります。

クラブのヘッドのクラウンを上から見てみましょう。
その面積が大きいほど重心距離が長く、面積が小さいほど重心距離が短いことが多いのです。
そして、シャフトを持ってヘッドをぐるぐる回してみることでも分かります。
感じられる抵抗が少なければ、重心距離が短いということです。

1本のクラブだけで回しても分かりませんが、数本のクラブを同じように回してみれば、違いを感じられるはずです。

ドライバーの重心距離が長いと振り遅れる!

ドライバーのヘッドが巨大化し、重心距離が長いドライバーの影響でスライスを起こす原因は振り遅れを招きやすいからです。

重心距離が長いほど、ドライバーのフェースは開こうとするので振り遅れ、そのためスライスしてしまうのです。

ただし、悪いことばかりではありません。
もし、悪いことばかりであれば、こうも重心距離が長い巨大化されたクラブヘッドを持つドライバーが多いはずがありません。

メリットとして重心距離の長さは、ヘッド速度を加速させる要因にもなります。
例えヘッドスピードがさほど速くないゴルファーでも、フェースターンが上手くいけば重心距離は短いドライバーより長いもののほうが、大きな力のインパクトが与えられるのです。

長さがある分使いこなすのは難しいですが、フェースをスクエアにすることさえできれば、飛距離アップにつながるのです。

初心者はドライバーの重心距離が短いものを!

それでは、重心距離が長いドライバーを上手く使いこなすためにはどうすればいいのでしょうか?

その1番の秘訣は、「フェースの向きの早めの準備」にあります。
いわゆるドライバーより体が先行しているスイングです。

肩の開きイコール、フェースの開きと考えましょう。
インパクトのときに、肩が開いているかどうかが問題になります。

肩は水平に回すと勘違いしているゴルファーがいますが、よく言われるように「肩は水平」という意味は、地面に対して水平という意味ではありません。
スイング軸=背骨に対して直角という意味になります。
それはなぜかというと、スイングするときに前傾姿勢になっているからなのです。

そのため肩はいわゆる水平ではなく縦気味に回すイメージのほうが良い、ということになります。
そうすることで、肩が開くことを防止できるのです。

そしてもう1つ効果的なイメージは、背中をターゲットに向けてスイングするということです。
バックスイングして、背中をターゲット方向へ向けたまま、重心が左足に乗ったところで振り下ろすのです。

このように重心距離が長いドライバーは、体先行でのスイングが鍵となります。
重心距離の長いドライバーを扱うためにはある程度スイングの技術が必要なのです。

こういった理由から、スイングが未完成の初心者にとってはドライバーの重心距離は短いものを選択した方が良い、ということが分かることでしょう。

ドライバーの重心距離の短いものと長いもの!一発狙いかどうかによる

ここまで説明してきた内容を読まれた方の中で、初心者レベルをようやく脱出したので、そろそろドライバーを買い替えようかと考えている方もいらっしゃるかもしれません。

初心者にとっては重心距離が短いドライバーのほうが良いということには間違いないのですが、「自分はこのまま、重心距離が短いドライバーを持ち続けていいのだろうか?」という疑問を持つ方もいらっしゃることでしょう。

スライスに悩んでいるという方は問題なく重心距離が短いものにしようと考えるはずです。
ただ、スライスに悩まされるわけでもなく、しかもある程度打てるようになってきた場合は迷ってしまうようです。

こういうとき、どちらを選ぶかは、一発の飛びを狙いたいか、安定した平均飛距離を望むかということにかかってきます。

今読まれている方は、おおむね初心者もしくは、ようやくゴルフがおもしろくなってきたというレベルの方々が多いのではないでしょうか。

そこで強くオススメするのは、安定した平均飛距離を求めるやり方です。
一発の飛びを狙うやり方は、結局フォームを崩し、安定性を欠いたまま上達が遅れることになります。
それなら、飛びと安定性、どちらも一度にと考えるかもしれませんが、無理があるのです。

ゴルフの上達に一挙両得はありません。
面白みはやや欠けるかもしれませんが、重心距離が短いドライバーを選択して、地道に安定性を求めるゴルフを追求するのが結局近道になります。

重心距離以外にもある!自分に合ったドライバー選びのコツ

ここまで、ドライバーの重心距離の説明をしてきましたが、ドライバーを選ぶ際、気にしなければいけないのは重心距離の短い長いだけではありません。
その他にどういった基準があるのかを紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

「やさしいモデル」と言われているのが、ヘッド部分が平たい形をしたものです。
シャローヘッドと呼ばれています。
そしてもう1つは、上級者に好まれている、ヘッド部分が肉厚で小さく見えるディープヘッドと呼ばれるものです。

シャローヘッドは、高く弓なりの弾道を描きます。
ミスショットをしても、打球が曲がりにくいのが、やさしいモデルといわれる所以です。片やディープヘッドは、低く風に強い弾道を描きます。
自分の操作の仕方によって、打球の性質を変化させることが可能なのも特徴です。
よって、上級者好みのドライバーとなっています。

このように、ドライバーのフェースのタイプによって、得意な弾道が違うのです。
自分が望む弾道により選ぶドライバーが違うのですが、初心者には弾道の直進性の高い、シャロータイプをオススメします。

初心者はドライバーの重心距離の短いものを

ドライバーの重心距離は飛距離や打球の安定性に大きく作用します。

初心者は、安定性を重視して、重心距離は短いものを選択しましょう。
上級になるにつれ、ボールにパワーを伝えやすい重心距離が長めのものを望むゴルファーが多くなってきます。
ただし、重心距離が長めのドライバーはフェースが開きやすくスライスしやすくなります。

何よりも自分のスイングや打球に合ったドライバー選びが大切と言えます。