スライスに悩むゴルファーはスイングをいじらずに、重心角の大きいドライバーを使って修正することができます。
この重心角について、どれだけのゴルファーが正しく理解しているのでしょうか。
今回はこの重心角についてお話していきます。
また買い替える必要もなく、簡単な方法で劇的ビフォー・アフターが体現できるクラブメンテナンスについても紹介します。
重心角の大きいドライバーで悩みは解決できる?
ボールの行方はゴルファーにとってもっとも大事なことです。
目標とするスコアに到達できない原因の多くは、方向性や飛距離が合わないことだからです。
ドライバーショットが曲がり、アイアンショットはブレて、パターは届かずといったゲーム内容ではスコアメイクもままなりません。
特に一番練習しているドライバーについては、飛距離とともに方向をコントロールできないとスコアを作ることはできないでしょう。
一方で大半のゴルファーが、練習してもなかなか上達しないと悩みを持っています。
グリップの握り方やスタンスのとり方、スイングの問題点など、上達しない理由を挙げたらきりがありません。
では、完璧なゴルファーはいるのでしょうか。
だれもが何らかの問題を抱えていて、それを解決しようと努力しています。
世界最高峰の一流プレーヤーだって、毎年スイングを変えているのですから、程度の差こそあれ満足していないことが分かるでしょう。
では、どんな方法でカバーしているのでしょうか。
プロゴルファーは自分のスイングに合わせた道具を選び、マイナス部分を道具で補ってもらっています。
そこでドライバーに多い悩みを解決できる、重心角の大きいドライバーについて紹介していきます。
重心角の大きいドライバーがスライスを修正してくれる
ドライバーを振っている時間をご存知でしょうか?
トップの位置からインパクトまで、男子のトッププレーヤーで0.26秒、女子では0.36秒というデータがあります。
1秒の半分にも満たない時間でスイングをしている中で、フェースの角度や発射角を考えたスイングができるとは思えません。
もしもできると感じるのであれば、それはスイングスピードが遅いか、もしくは練習を重ねて体が勝手に修正しているのだけのことでしょう。
基本的には1度スイングを始めたら、あとはインパクトまで身体に染み込んだスイングをしているだけなのです。
言い換えると、ドライバーショットが曲がるのは、練習のときから曲がるスイングをしていたからです。
特にゴルファーの7割はスライスに悩みを持っていると言われていて、その修正方法は巷で溢れていますが、「直った」という話はあまり聞くことはありません。
例え理由が分かったとしても、実際にその癖を直すのは容易なことではないということなのかもしれませんね。
そこで自分のドライバーを見直します。
そして真っ直ぐに飛ぶものに持ち替えれば問題は解決するわけです。
ここで問題なのは、どんなドライバーが自分に合うのかというところです。
その選択肢の1つに、重心角があります。
重心角の大きいドライバーを使えば、なんなくスライスを修正することができます。
重心角が大きいドライバーを使うとスライスを矯正できる
クラブヘッドの重心は内部にあるので、目で確かめることはできませんが、ちょっとした方法で重心角を見ることはできます。
ここでそもそもの「重心角とは」について確認しておきましょう。
ドライバーのシャフト部分を机の上に置いてヘッドを外に出したとき、ヘッドの先が重みで下を向きます。
そしてフェース面が地面と垂直にあるときの向きと、実際にフェースが上を向いているときの角度の差を重心角と言います。
つまり重心角が大きいというのは、フェースが上を向いている状態です。
重心角が大きいと、ボールのつかまりが良いと言われています。
ボールのつかまりが良いことで、本来のスイングではスライスするはずのボールが、真っ直ぐ飛び出していくことになるのです。
反面で、正常のスイングをしていると、つかまりが良すぎてフェースに「くっついた」「へばりついた」なんて表現でフックの元となっています。
ドライバーは種類によって重心角が違うので、まずはそれぞれの重心角を確認してみましょう。
重心角の大きいドライバーの特性を鉛板で作る
重心角の大きいドライバーを使うと、ゴルファーの7割が悩むスライスを矯正することができます。
ただし人によってスライスする度合いは違うので、スライスと重心角のマッチングは実際のスイングで確かめていくほうが早く結論を出すことができるはずです。
まず板鉛(ウェイト)を用意します。
ドライバーの側面にウェイトを貼ると重心角を変えることができます。
最初に重心角の調べ方で紹介したように、ドライバーを机の上に置き、ヘッドの側面に鉛板をつけてフェースの向きを変えていきます。
ヘッドのトゥ側に鉛板をつけるとフェースは真っ直ぐになり、逆にネック側につけるとフェースは上を向きます。
もちろんフェースの反対側の側面につけますが、たくさん鉛板をつければ良いというものではありません。
1枚から2枚貼って、フェース面が上を向いたところで、しばらくそのドライバーで打ち続けてください。
慣れてもスライスするようであれば、さらに鉛板を貼って大きい重心角に変えていくのを繰り返します。
鉛板がラウンド中にはがれるとペナルティが科せられるので、途中ではがれないように鉛の端を潰しておくとよいでしょう。
重心角の大きいドライバーと小さいドライバーの違い
重心角の大きいドライバーを使うとスライスは矯正できます。
ではなぜ重心角大きいとスライスを抑止できるかというと、ボールがヘッドに与える威力に関係してきます。
ゴルファーはボールに強い衝撃を与えるためにインパクトをしますが、ヘッドはその強い衝撃の反動を受けてネック(シャフト)を中心に右回転しようとします。
ましてスライス系のボールを打つときには、中心よりも先端側に当たる確率が高く、ヘッドは外回転しようとします。
しかもフェースが開いていてインパクトを迎えるので、衝撃はさらに先端側に逃げやすい状況になっています。
その外側の開きを抑制するために、ヘッドの先端が先行できる板鉛をつけるわけです。
重心角チェックで、フェースが上を向くということは、普通にスイングすればヘッドの先端が先行することになり、フックフェースでインパクトしやすくなると言えます。
この方法であれば、フックボールに悩む人もヘッドの先端側に鉛板をつけるだけで、普段通りのスイングでもヘッドの先端が遅れてストレートボールを打つことができます。
重心角の大きいドライバーは重心深度が深い
ドライバーに限らず、フェアウェイウッドやアイアンの重心角を知ることは大切なことです。
その重心角の元となる重心は内部にありますが、もちろん目で見ることはできません。
でも重心がどこにあるかは分かります。
ちょっと有名なクラブであればカタログやパンフレットで図解されていますし、数値でも「重心高」「重心深度」として表示されていることもあります。
重心深度が深ければ重心角は自然と大きいヘッドになるでしょう。
同時にクラブ全体のバランスも重心角と合わせておくと良いです。
バランスが先調子でヘッドの重みを感じるようであれば、さらにヘッドが返りやすくスライス防止に役立つはずです。
こうして話してきた通り、スイング改造しなくても、鉛板だけでスライスやフックを矯正することができます。
ただ、スイングは日々進化しているので、いつかはその鉛板では重過ぎて、スライスボールがフックボールに変わるときがきます。
そのときスイングをいじらずに鉛板を少しだけ剥がせば、また快適なスイングでストレートボールを打てるようになるはずです。
重心角が大きいドライバーを選ぶ時期が大切
ゴルフを始めたばかりのスイングが固まる前に、ドライバーヘッドに鉛板をつけてはいけません。
打ちはじめで重心角の大きいドライバーが必要と判断するのは間違いです。
ある程度は真っ直ぐ打つ練習をして、それでもダメなとき鉛板を貼るようにしましょう。